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旅の写真は市場で撮れ ウズベキスタンのチョルスー・バザール点描【中央アジア旅行記④】

 ウズベキスタンの首都タシケントにチョルスー・バザールという大きな市場がある。市場の中心をなすのは円形のドーム。中には同心円状にお店が広がり、放射状に通路が通る。売っているものは肉、チーズ、ナッツ類…その間を店の人、客、観光客、いろんな人が行き交う。写真の通り、何も考えずに撮ってもなんとなく絵になる。ドームの外側にもあちこち店が広がり、歩いていると方向感覚を失う。

 もっとも、だいたいどこの街にいっても市場というのは興味を引くし、いろんな光景を目にするので絵になりやすい。良い写真を撮りたければとりあえず市場へ行け、ということだろうか。


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 タシケントには地下鉄が何路線かある。ホームが絢爛豪華なのも有名。ICカードも自動改札もなく、都度都度窓口でお金を払う必要がある。均一料金の1400スム、約16円を渡すと、青いプラスチックのメダルみたいなのを渡される。それを機械にカシャン、と入れてバーを回して入場する仕組み。


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 車両はちょっと古めかしい。そして車両の中も駅構内も薄暗い。構内には制服を着た駅員らしい人がいかめしい顔でうろうろしているが、写真撮影は問題ない。それどころか「乗り換えはこっち」などと教えてくれる。


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 カザフスタン、キルギスもそうだったがイスラム教徒の住民が多いというのに容易に酒が手に入る。飲む人も多い。インドネシアとか中東の人が見たら卒倒するであろう。日本人にはありがたい。


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 タシケントはかなり大きな街で、幹線道路はこれくらいの幅がある。日本ではあまり見たことのないクラシックな車も多い。


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 タシケントの宿の朝食。ホテルという名前だったが、行ってみたら家族経営のゲストハウスだった。なんでも最近開業したばかり。部屋は清潔で、主の男性も英語が話せて感じがよい。
 この宿では若い日本人男性を見かけた。聞けば大学を出て入った会社を数年で辞め、旅に出て数カ月になるという。会社を辞めて旅に出る…という言葉は甘美な響きだが、なかなか私にはできそうもない。


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 朝食写真その②。主の奥さんがつくってくれたものはいろいろ盛沢山でどれもおいしい。空はからっと晴れ上がり、乾いた空気の中でゆっくりコーヒーをすする。とてもくつろいだ気持ちになった。


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 街頭で見かけた謎の飲み物。イチムリク? リンゴサイダーみたいな感じで悪くない。小サイズは1杯500スム、約6円なり。えっ、安すぎやせん?


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 地下鉄に乗ってチョルスー・バザールに着いた。場外市場とでもいうべきところに店が広がる。中央アジアではよくトマトを食べるから、大量に売っている。好きなのでうれしい。広角レンズはぐっと寄って撮るのがポイント。遠近感が強調され、手前の物が大きく写る。


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 バザールにあった食堂。もうもうと煙を立てて焼いているのがいかにもおいしそう。金串に肉を刺して焼くシャシリクという料理だ。しかも炭火だね。


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 肉はけっこう大ぶり。店のおじさんはタオルを頭に巻いていて、日本の焼き鳥屋の大将みたいだった。


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 鶏肉のシャシリク。とってもジューシーに焼きあがっている。玉ねぎは軽く酢漬けにしてあって、ときどき食べると口直しにいい。中央アジアでサラダというとほぼ必ずトマト、キュウリ、玉ねぎ。いろどりもきれいでよろしい。パン、お茶も頼んで28000スム、約320円。
 料理の写真はまず皿を寄せる。その上で皿がはみ出るくらいの構図にすると収まりがいい。なんだか素人写真講座みたいになってきましたが。
 

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 当地の女性がかぶるスカーフはいろんな柄があってきれい。全般的に当地の人はこうした柄を好む。
 50㍉くらいの画角で、目線の高さでかまえるとごく自然な雰囲気が撮れます。


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 歩いても歩いても市場。


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 ドームの中。タテ位置で撮るとこんな感じ。壮大でしょう。


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 天井から差し込んだ光が絵画みたいでドラマチック。ちょっとかっちょいい。


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 少し離れたところには家具などの木工製品を売っている店も集まっていた。柱と屋根のしつらえがよいね。


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 市場の食堂街。たくさんの店が集まっている。


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 煙を逆光で撮るとかっこよくなります…ってそろそろいい加減にしろと言われそうなのでこの辺で。


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 タシケントの次は列車でサマルカンドという街へ向かうつもりだった。切符を買うために訪れたタシケント中央駅の窓口は非常に混んでいた。番号札を取って待つ仕組みなのだが、私の前に90人くらいの待ちがある。少し待ってみたがすぐに順番が来る気配がないので、駅の向かいにある商業施設に入った。スーパーの奥にトイレがあり、手洗いを済ませるとそこに切符売り場らしい窓口が3つあることに気付いた。しかも誰も並んでいない。

 窓口の女性は英語を話すことができた。「ここで切符は買えますか?」と聞くと買えるという。なぜみんな中央駅の窓口に並ぶのか…。いろいろ聞いたら一番早い特急「アフラシャブ」の翌日分は売り切れ。タシケント南駅発の急行「シャルキ」の切符を手に入れた。約3時間でサマルカンドに着く。

 ビジネス席と普通席があり、普通席は「とてもたくさんの人がいる」という。そんなに混雑するのか…と思ってじゃあビジネスで、と言ったら「え、ビジネスなの?」と驚かれた。謎を抱えたまま購入した切符は10万1000スム、約1140円。普通席はこの7割くらいの値段だったかな。

【個人旅行者に役立つかもしれない情報】
・タシケント中央駅の切符窓口は非常に混雑する。向いにある商業施設の中にも切符売り場はあり、そこで買うこともできる。
・サマルカンドへの列車は、タシケント中央駅発と、タシケント南駅発があるので注意。両者は少し離れているので、バスやタクシーで移動することになる。

<中央アジア旅行記⑤へ続く>

※2019年8月の旅行です。通貨はかなり大雑把に換算しています。
※全ての写真は筆者撮影です。一切の無断使用や転載を禁じます。


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