至極のクラシックギタリスト


最近、すごい人を見つけた。ベラルーシ出身のタチアナ・リツコヴァさん。僕が今までに聴いたクラシックギタリストの中ではダントツに一番すごい。何というか楽曲と完全に一体化していて仏教で言うところの無我の境地に入っているような…、シルヴィ・ギエムがまさにそんな感じなんだけどタチアナ・リツコヴァも同じように自我の片鱗を感じさせない透きとおったマインドの持ち主だと思う

調べたところまだ来日歴もないし、どうしてこんなに凄い人が日本で無名なのだろう?全く日本の音楽業界はどうなっているんだ。日本で有名なあの人とも比べ物にならないくらいタチアナのほうが高いレベルまで行ってる

まるで春の小川のように最初から最後まで流れるような優しい演奏で一日中聴いていても飽きない。野心や疑念、自己アピールが僅かでも心に潜んでいたらこんなに綺麗な演奏はできない。たちまち川が濁って氾濫してしまうだろう。まったくどうしたらここまで透明になれるのか教えて欲しい。本当に心から音楽を愛しているんだな…、という真っ直ぐな思いが伝わってきて目頭が熱くなった。


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