空海


ファンタジー映画というものは極まると本当にここは現実なのではないかと錯覚させてくれるから面白い

ストーリーはとても面白かった。でも、一つだけ難癖をつけさせて頂くなら主人公は別に空海である必要はなかったのかなと。むしろ安倍晴明のほうがしっくりきていたかもしれない

絶世の美女と呼ばれた楊貴妃の不可解な死をめぐり、空海と天才詩人・白楽天が迷走する。長い中国の歴史で最上の詩人と言われた李白の残した詩がバラバラになっていた点と点を結んでいく…

あらためて執着というものは恐いものだと思った。同時にそれはとても悲しいもの。本当は誰も悪くないはずなのに、ほんの少しの欲望が世界のバランスを狂わせていく。このくらいなら大丈夫、このくらいなら大丈夫だろう、と気づいたら取り返しのつかないところまで行って、もう後戻りすることはできなくなる

原作も面白そうなので、いつか読んでみたい。


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