小説の話。

 小学生の頃から、よく小説を読んでいた。と言っても、星の王子さまとか、トム・ソーヤーの冒険とか、そういうのではなくて。漫画化やアニメ化されそうなファンタジー系の小説。文庫本。

 主に図書館で借りて読んでいたのだけれど、好きな作家さんの好きなシリーズは、手元に置きたくて、母からのお小遣いは、大体小説に消えていたと思う。

 カバーの表紙に描かれたキャラクターを想像しながら、文章を読むと、その人たちが頭の中で動き出すのがとても楽しかったのだ。

***

 中学校の頃は、文庫本ではなく、単行本の小説を読むことが増えた。手に持ちきれない大きさと、ずっしりとした重さと、文庫本にはないざらざらしたカバー紙の触り心地が、少し大人っぽさを感じた。
    
 中学校では、朝に十数分間、本を読むための時間が設けられていた。その影響で、休み時間にその朝の続きを読む子が一定数いて、私もその1人だった。もちろん、別のことにも休み時間を使っていたが、小説を読んでいた時間が1番多かったような気がする。

 また、自分が読み終わった小説を、教室の空いたロッカーのひとつに置いて、「ご自由に読んでね」みたいにしてくれていたクラスメイトがいた。私は有難く、その本を借りて読んでいた。そのクラスメイトは、山田悠介が好きで、その本が大体を占めた。怖かったり、グロテスクな場面はあまり好きではなかったが、それを上回る面白さがあった。他にも、映画や歌を元にした小説を、友だちと貸し借りして読んだりもした。

***

 高校1年生になると、小説を読む頻度は極端に減った。クラスは、黙々と本を読む子より、友だち同士でふざけて遊んだり、流行しているものや人の話をしたり、放課後どこへ行くか話をしたりする雰囲気が強かった。私もそうしていたけれど、どこか少し寂しかった。
 友だちと遊びに行くことはとても好きだけれど、それと同じくらい、1人でのんびり本を読む時間も好きだったから。自分を構成する一部が、ガリガリと削られるような気がした。

***

 けれど、2年になって、クラス替えがあり、趣味や価値観の合う友だちと巡り合うことができて、部活などにも慣れてからは、また少し、小説を読む機会は増えたと思う。
 図書委員をしている友だちのところへ行って、他愛のない話をしたり、本を借りて読んだりした。

 その時は、友だちの影響で、西尾維新の本を主に読んでいた。〈物語〉シリーズとか、掟上今日子シリーズとか。掟上今日子は当時ドラマもやっていたというのもある。

***

 今も小説をよく読む。
あー、今めっちゃ茄子の揚げ浸しが食べたいー。と、思うように、あー、今めっちゃ活字読みたいー。なんて思う。

 今は文庫本も単行本も気にせず、昔読んだ懐かしい作品を買ったり、あの時気になっていたけど読んでいなかった作品を買ったり。友だちに薦められて読むこともあるし、本屋さんへふらりと入って、冒頭をぱらぱらと読んでいいなと感じた作品を買ったり、所謂ジャケ買いをするときもある。だから、家の本棚に並ぶ本たちの作家さんの名前はバラバラで、そこにあまりこだわりがない。

***

 小説を読むことが多い私に、最近母が、こんなサービスを教えてくれた。それはフルハウスというサイトで、柳美里さんという小説作家さんが、その人に合った本を選んでくれて、送ってくれるというサービスである。選んでもらう人は、80ある質問に答え、その答えから柳さんがその人を分析し、合う本を選んでくれる。
 
 質問は、支払いの予算は?(サービスは有料で10000円から)や、好きな本は?というのから、今買いたいものは?泳げますか?好きな匂いは?今まで食べて1番おいしかったものは?というものまであり、とても興味深い質問ばかりだった。

 どうやら人気のサービスで(母はそのサービスを紹介した番組を偶々みていたらしい。)、1日に分析できるのは、3人で精一杯なのだそうだ。
 どのような本が送られてくるのか、楽しみにしながら気長に待とうと思う。わくわく。

***

 最近読んでいる小説は、住野よるさんの作品。少し間抜けな女の子の、のほほんとしたお話。

 夏至は過ぎたが、まだまだ日は長い。窓を開け、心地よい日差しと風を感じ、ゆったりと読みながら、活字を食もうと思う。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

有難うございます!
3

くらげ

ふわふわ揺蕩う海月です。偶に溶けかけてます。他愛もない、拙い話を気まぐれに書いています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。