蛍石の話。

 蛍石。フローライト。その存在を知ったのは、小学生の頃。当時読んでいた漫画のキャラクターの名前の中に「フローライト」という名称がつけられていた。同じ名前の石も、作中に出てきて、そういう石があるんだと、思った。
 けれど、その時はそれだけで、明るそうな名前の石があるということだけ、印象が頭の中に留まるのみだった。

***

 フローライトの存在を思いだしたのは、高校の化学の授業の時。鉱石として出てきた。原料はフッ化カルシウム。加熱すると発光するから蛍石とも呼ばれる。発光する際、割れて弾けることがあるため、危険なので授業中の実験には推奨していない。みたいなことが、教科書の文章に書かれていた。
 化学の先生が、軽くフローライトのことを解説するのを流して聞きながら、へー、と思った。小学生のときに漫画に出てきたフローライトが、まさか授業の話に出てくるなんて。

***

 幼い頃に、宝石とか、普通の石とか、貝殻とかが好きになるのは、割と女の子の通る道なのではないかと、個人的に思う。私も例外じゃない。
 ただ、高校生の時はアクセサリーとか、宝石とかという意味ではなく、単純に、鉱石として興味を持った。色んな色がある鉱石。ただそれだけで好きだった。けれど、そこからまたフローライトへの興味の熱は少し冷めて、時が経った。

***

 次にフローライトのことが気になったのは、米津玄師さんの「フローライト」という曲の存在を知ったときだ。MVがめちゃくちゃ可愛い。あの爽やかな曲に合わせ、大きくて歌の上手いお兄ちゃん(米津さん)と、赤いもじゃもじゃのキャラクター(たぶん米津さんが考案した)と、小学生くらいの男の子と女の子(ふたりとも外国の子)が大縄跳びをする、なんともシュールで、それでいてほのぼのした映像。平和すぎる。癒やされる。

話が逸れた。

 この曲に大きい塊のフローライトが出てきた。実はそこで初めて実物の石を見た。あの碧のグラデーションに惹かれた。
 そこからフローライトの存在が頭から離れなくて、画像共有サイトで検索をして、画像を保存しまくった。
 フローライトには、碧のような色もあれば、蒼も、紫もあるようだった。そこで、鉱石には名前が同じでも、色々な色があることを知った。

 そして、自分の住んでいる近くで、何処か、フローライトを手頃に買えるところはないのかと調べ、見つけた雑貨屋さんに買いに行った。ころころとした碧の小さい欠片。とてもひんやりとして気持ちいい。
 その時はひとつだけ買ったけれど、今も偶に立ち寄って、お気に入りの大きさ、色があれば買ってしまう。

***

 花言葉みたく石言葉があったり、身につけると〇〇な効果があるみたいなことが書かれているけれど、私はあまり気にしない。フローライトをしまった小さな箱を開けて、眺めるだけで気分は上がる。
 最近は流行りに乗って、ワイヤーで固定してアクセサリーにして持ち歩けないかなぁと、考えているけれども、机上の空論に終わるような気がする。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

読んでいただけでも嬉しいのに( *´꒫`)
3

くらげ

ふわふわ揺蕩う海月です。偶に溶けかけてます。他愛もない、拙い話を気まぐれに書いています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。