髪を切りに行きたいのに、息子をひとりで留守番させるわけにもいかないし、病み上がりで体調にもいまいち自信がないし、の日々だった。いつもの美容室ではなく、近くで早くできるところはないかと検索しているうちに、セルフカットという言葉が目にとまった。セルフカット……、それだ！

そこからは、ひたすらYouTubeでセルフカットについての動画をチェック。何人分観たことだろう。その間に、美容室で髪が切ってもらえそうなほどの時間。

そして100均へ行って、散髪用のハサミとすきバサミと細めの櫛、首に巻いて髪の毛を受け止めるやつ、細いゴム、でっかい鏡などなどを購入。前髪を切るときに便利なはさむやつや櫛と刃が一体化した、なんか便利そうなものなども追加。他にもあれこれ買ったので、美容室のカット代に届いてしまいそうな勢い。

帰宅後すぐに、髪の毛全体に霧吹きをかけて濡らし、YouTubeで学んだとおりにブロック分けをしてゴムで結び、首に丸いやつを巻いて洗面所の三面鏡の前で準備万端状態。イメトレは充分だったので、なんのためらいもなく裾にハサミを入れたら、チョキンではなくギザンみたいな音がした。髪の束が多すぎたのか、一度で切れなかったもよう。途中でハサミが止まってしまっている。どうすることもできなくてハサミを引っこ抜いたら、見事に一部だけギザってなってる裾毛があらわれた。

でも、大丈夫。だって、そこはブロック分けした裾だもの。上のブロック部分をおろせば目立たない場所、のはず。そう思って遠慮なく作業を続けていって、最終的にスッキリ理想どおりの髪型に仕上げることができた。バンザイ。

自分の頭を取り外して前に置いて切ることができれば、こんなに簡単なことはないけれど、セルフカットでもまあまあいけることがわかって、がぜん楽しくなってしまった。明日はもっと短く切ってしまおうか、なんて危険なことまで考えてしまう。セルフカットが本当に成功したかどうかは、明日の寝癖次第。