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2024/04/09 Catcher In The Spy Revival Tour

 前まで「参戦」って書いてたけど、よく考えたら別に戦いに行ってるわけでも無いので、ラウドロック以外は「遊びに行ってきたよ!」という風な言葉を変えよう。

CITS Revival Tour

 アルバムを引っ提げたツアーって、基本的に1回しか行われない。それがどれだけ素晴らしいものでも、後からファンになった人は、そのアルバムの世界観を生で感じることはできない。それって結構悲しいことだよね。
 こういう再発見的なツアーは、そういう悲しみを取りこぼさない非常に良い取り組みだな〜と思うので、個人的にはもっとやってほしい。そんなに新譜が無い時は、リバイバルツアーをガンガンしちゃえば良いじゃない。

 そんな考えを持ちつつ、Catcher In The Spy Revival Tour に行ってきた。個人的に思い入れの強いアルバム。我が青春時代のサウンドトラック1、みたいな位置付け (2はEveのRound Robin)。
 アルバム作品としての完成度は、MODE MOOD MODEとかの方が高いとは思うけど、1番好きなのはどれかと聞かれたらこれだと答えるアルバム。iTunesがバグって聴けなくなった時は、何も手につかなくなるくらいのショックを受けて、すぐにCDで買い直した。それくらい好き。
 なので、20周年の節目にこのツアーをやるとアナウンスがあった時は、飛び跳ねて喜んだ。FC加入は間に合わなかったけど、絶対当てるという気持ちは強く持っていた。抽選だから気持ちでどうこうなるわけじゃ無いけど、気持ちぐらいしかできることないもん。
 リバイバルツアーなので当然セトリは割れているし、何なら公式グッズのタオルに「セトリタオル」なるものがあった。ただ私は今回それら全ての情報を遮断して、会場でもセトリタオルからは目を背け続けた。そして完全初見の状態でライブを楽しむことに成功した。

センチュリーホールの外観。名古屋は幼少期に住んでいた街。

 はてさて内容はというと、1曲目の黄昏インザスパイで泣かされた。ユニゾンのライブは何度か行っているはずなのに、まさか、それも1曲目で泣かされるとは……。
 大好きな曲で、もしかしたら聴けるかもしれない……という淡い期待が叶った喜びと、忙しくて抑圧されていた不安と、それを見透かし、受け止めてくれるようなメロディーと歌詞。色んな感情が押し寄せて、泣いちゃったんだと思う。

 人付き合いが下手で友達も少ないし、運動もからっきし。賢くも無ければ芸もない。これといった取り柄も無いばかりか、逃げ出す勇気すら無い私は、定期的に全部投げたくなったり、暗澹たる未来や結末を見てゲンナリすることがある。それでも前を向いて今日この日まで歩けた理由が、この曲には詰まってる。
 同じアルバムの2曲目、シューゲイザースピーカーで「どんなヒットソングでも救えない命があること」と歌っているけど、私はこの黄昏インザスパイに比喩抜きで命を救われていると思う。

負けない
どうせ 君のことだから

黄昏インザスパイ / UNISON SQUARE GARDEN

 まさかのイントロで衝撃を受けて、その時点でちょっとウルっと来てたんだけど、この最後のフレーズで涙が落ちた。ぶっきらぼうな励ましだけど、力強さに満ちている。何度背中を押してもらったか分からない。
 文系の友達はみんな社会に出て、大学院には知り合いなんているはずもなくて、そんな中1人で研究も就活もしなきゃいけなくて。忙しくして気づいていなかったけど、やっぱり結構孤独が不安だったんだよね。私が実は今、欲しがっていた言葉を、生で聞いて、涙が出て、それでようやく不安だったって気づくことができた。
 優しいベースラインと包み込むような光の中で、静かに、でも笑顔で泣くことができた。それだけでもう行って良かったと思えた。ちなみに今回のツアーは2回参加したんだけど、2公演目でもこのフレーズで涙が出た。パブロフの犬 (誤用)。

 なんかもうクライマックスな感じのことを書いたけど、まだ1曲目。涙を拭く間もないまま2曲目のサイレンインザスパイ。超カッコいい。ヘイ!ラララララッラッラ〜♪みたいなやつやれたの嬉しい!ライブで聴いてみたいと常々思っていたので、1つ夢が叶った。高2の年明け〜高3の春にかけて、青春が止まらないとか言いながらはしゃいでいた記憶が蘇る。3曲目はオリオンをなぞる。何気にライブで聴くのは初めて。僕がいて、あなたがいて、とか目の前で言われたら好きになっちゃうよね。
 そしてそして次は流れ星を撃ち落せ!私は「やるぞ!」と気合いを入れたい時に聴いている。これがもうめちゃくちゃ前向きになる。定期的に狂ったように聴いていたし、今も聴くと狂ったような気持ちになる(?)。もうとにかく楽しい。ライブの演出では、サビで流れ星をイメージした照明になるのも良かった。
 箱庭ロック・ショーは、なんかどこかで聴いた覚えがある。聴いてて楽しくなるよね。多分初めて聴いた時にはハマらなかったけど、ライブの魔法の力で今はめちゃくちゃ好き。もうちょっと後の曲だけどカラクリカルカレも好きになった。WINDOW開けるもNinth Peelツアーで惚れたし、ライブってすごい。ユニゾンのライブってすごい。2公演目では、知った上でみんなと一緒に騒ぐ楽しみがあった。

 CITSは5枚目のアルバムなんだけど、4枚目のCIDER ROADというアルバムもポップでとても聴きやすい良盤。次の曲はそんなCIDER ROADからto the CIDER ROAD。地平線の向こう側から白い光が登ってくるような、希望に満ちた曲。私は「本当は馴染めない」けど「まだ多分世界が好き」なので勝手に元気が貰える。そうでなくても、「キリがないから今どこ行こうかだけ考えます」とか「次は何をしよう?」という気構えは、楽しく生きていくのに有用だと思うな。

 次の曲は君が大人になってしまう前に。終演後に知った話では、前に演奏されてから数年という歳月が経っていたらしい。良い曲なのに。「可能性という名の〜さあ前を見て」とかリズム感も良いし、言葉もストレート。家を出る前に親が服を整えてくれてる時みたい。地味に激レア曲だったっぽいのでラッキー。これに限らず、バラード曲って音源よりライブの方が、リズム隊が強調されていいね。ドラムやベースが主張して来るとまた違った顔を見せてくれる。
 ここからはCITSツアーらしく、メカトル時空探検隊何かが変わりそうと続いた。個人的にはそこまでだった時空探検隊の方が、個人的には楽しかった。全人類に愛とチョコレート!何かが変わりそうは音源の方が、ベランダから星空を見てる感じがして好みかなぁ。逆に生で無い方が、曲の情景にもマッチしていて刺さるのかもしれない。ただ、ライブのセットがこの曲が流れてる間、どことなく汽車に見えたのは魔法だと思う。絶対気のせいだけど、絶対魔法だよ。

 そしてプチセッションを挟んで、またまたCIDER ROADからシャンデリア・ワルツ。神曲です。会場のボルテージが上がるのが、肌で感じられました。みんな好きなんだね。私も大好き。この辺からヒザを曲げ伸ばしするんじゃなくて、しっかり飛び跳ね始めた気がする。
 時間がただ流れていくことが辛い時とか、特に中学高校の時に、ふと来る友達との別れに対して悲しさを感じた時に救ってくれた。私的お気に入りのフレーズを2つ添えておきます。

ハローグッバイ ハローグッバイ
何度も繰り返す 死んじゃうまできっと
悲しいことでも何でもない その度に君は大人になる

シャンデリア・ワルツ / UNISON SQUARE GARDEN

わからずやには 見えない魔法をかけたよ
ねえ、ワルツ・ワルツで

シャンデリア・ワルツ / UNISON SQUARE GARDEN

 余談だけど、大阪公演では斎藤は見えない魔法をかけ忘れて、2回約束をしてた。名古屋公演はその前から魔法にかかっていて覚えてないけど、どうだったのかな?
 こんだけ盛り上げて次はどうしてくれるんだ?と若干不安になるくらい盛り上げた後、小休止を挟んで蒙昧termination。さっきからちょいちょい感じてたけど今回のツアー照明の演出すごくない?今回私は2公演とも1Fじゃなかったんだけど、逆にそのおかげで照明をしっかり見ることができて、寧ろ得をしたと思えるくらい。とっても豪華。
 WINDOW開けるとCITSの世界に帰ってきた。何気にシューゲイザースピーカーはNinth Peelで聴いたけど、やっぱ盛り上がるね。
 harmonized finaleはユニゾンの性格的に絶対最後に持ってこないだろうなと思っていた1曲。卒業式あたりに聴いていたらここでも泣いていたかも。黄昏インザスパイの威力が高すぎたから泣かなかったけど。

 ドラムソロとセッションはここで挟まる。私は背中を痛めていることもあって半分座りながら観ていたんだけど、すごくカッコいい。というか、鈴木貴雄という男がどれだけドラムが好きなのかをまざまざと見せつけられた。ドラムだけで相当な満足度。そりゃスリーピースでやっていけるわけだよね。
 大阪公演では、ドラムソロが終わった後、スティックを投げてシンバルを素手で叩いてた。と思えばスティックは予備があるわけじゃなくて、投げたやつを回収して使っていた。自分の席からは届かなくて「届かないよー」というジェスチャー。かわいい。名古屋公演で見た時も超かっこよかった。
 このあたりで確信したんだけど、地域によって盛り上がり方に差があるね。名古屋よりも大阪の方が、サビ以外で手拍子をしている人の割合が高かった。逆に名古屋は身体を揺らすような楽しみ方をしている人の割合が高かった。人それぞれ地域それぞれか。

 ちょっと休憩を挟んで、天国と地獄で再び沸かせる。この辺りのバランスが上手いよね。毎回ある「天国と地獄ぅ」っていう低めの曲紹介好き。あとこの曲は最初から赤い光線がたくさん照射されるんだけど、それが何か社会の視線みたいで曲に合ってる感じがして好みだった。本当にこのツアー照明班に金賞をあげちゃいたい。海月セレクション金賞。
 次はカラクリカルカレという曲。大阪公演で私は初めて聴いた。それでも何となくでノれる。それにしても1stアルバムから3曲とは。自信がなきゃなかなかできないことだよね。セトリで驚かされるのはユニゾン以外だとcoldrainも意外性があって好きなんだよな。完全には媚びてこないセトリ、あるいは自分たちの音楽への絶対的な自信の表れ、カッコいいよね。

 一気にピンク色の照明が会場を包んで、桜のあと (all quartets lead to the?)。この曲はやっぱり野外で聴きたいなぁ何となく。めちゃくちゃ良かったけど。みんなでall quartets lead lead to...? say, la la la....とか、I shall remember, I wanna do.って歌うのは私にとって1つの夢だったので、それはそれはもう気持ち良かった。大学院の卒業式に来てくれないかな。そんでこの曲を演奏して、みんなでメチャクチャに身体を揺らして、思い思いに楽しめないかな。
 桜のあとで終わるかと思ったら咲いて散ったそのあとがあった。真実だったのはどうやらCrazy Birthday。CIDER ROADから色々ある中でまさかこれが選ばれるとは。 No more happy birthday?の部分、あんなに楽しいんだ……。全然関係ないけど、最近誕生日を迎えた友達が「誕生日に趣を感じなくなった」と言っていた。分かるけど、自分が今それと対極にある騒ぎ方してるのがちょっと面白かった。We like happy birthday!!!

 お終いはこの曲。場違いハミングバード。懐かしい!中学生の時にいっぱい聴いてた!「手術中につき御法度です」が噛まずに言えるかみたいなことやってた!完全初見のライブなのに、リバイバルとして来た人みたいな反応をしていた。最後に「チッチッチッ」みたいなのがあって、それが段違いにカッコよかった。というか聴くまでそんなのがあるって忘れてたので、不意を突かれて気絶しそうになった。毎回ライブの度に命が危なくなってるね私。

 はてさてアンコールはいつも通り秒で出て来た。今回のライブはMC有りだったので、出て来たあとで話し出す。毎回すぐ戻って来て歌い出すから余裕なのかと思ってたけど、しっかり疲れているらしい。しばし休憩したあと「やるか!」と言ってアンコールがスタートした。
 1曲目はinstant EGOIST。もうCITSでやってない曲って無くない?と思ってたらこれを忘れてた。途中メンバー3人全員が十数秒静止する衝撃的な時間があったんだけど、体幹どうなってるんだ。特に田淵。運動神経良すぎだろ。でも最初に動き出したのも田淵だった。歌の話に戻すと、ちょうど翌日から授業が始まるタイミングで、ピッタリの歌詞があった。今日歌詞にすごく刺されてるね。どんだけ好きなんだこのアルバムとこのライブ。

忙しい人生の隙間で 嫌になる度に
呼び出しボタン押していいから
せいぜい明日も頑張って!

instant EGOIST / UNISON SQUARE GARDEN

 アンコール2曲目は徹頭徹尾夜な夜なドライブ。さっきも書いたけどこのツアーは照明にすごく力が入っていて、それをこの曲でもひしひしと感じた。盛り上がるよね〜。徹頭徹尾ライブしちゃってもいいんだよ。さすがに無理か。私も多分死ぬからダメだね。やっぱりダメです。でも本当ライブ映えするから何度でも聴きに来たい。
 そしてそしてアンコール3曲目!23:25!instant EGOISTからのこれは最高すぎる!最後に演奏されたということもあってか、Ninth Peel Nextの時よりもテンションが上がった。背中が痛かったので飛ばないようにはしてたんだけど、もう抑えられなかった。どうなっても良いから飛んでやれ!色んな気持ちが綯い交ぜになって押し寄せたけど、それらを全部払い落とすようにピョンピョンした。私帰るよ世界に。明日から頑張るからまた武道館で最高のライブを楽しませてね。

 まだ4月の初めなのに、染みになるくらい汗をかいた。会場で予約したSUB MACHINE, BEST MACHINEも楽しみだな。そして何より武道館ライブ!今のところ7月24日の方は参加できる。注釈指定席だけど、同じ空間に居させてもらえるだけで十分すぎるんだよな。25日は現在抽選中。当たれ〜〜〜!!!!

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