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2023/04/10 我武者羅 参戦

 またライブかよ!と自分でも思うが、今回はsyudouの幕張メッセでのライブ「我武者羅」に行ってきた。
 一般受付がたまたま空いていて、そこに滑り込んだ形。最近多いなこういうの。絶対滑っちゃいけないところで滑らなきゃいいが。
 私は都心部に住んでいるわけではないので、かなりの遠征になった。新幹線を使ったこともありコストはかかった。5月にはユニゾンのライブも控えているのに恐ろしい勢いで貯金が溶けている。でも、あのライブは今後の人生に絶対に必要で、忘れようとしても忘れられないものだった。ギラギラ輝き、私の心に焼き付いている。

syudou Live 2023 我武者羅

 移動中は基本的に暇だったので、以前読み損ねた「老神介護」を読破した。

 めちゃくちゃ面白い小説ではあったんだけど、これを語ると本筋から外れすぎるので割愛。他にやっていたことと言えば友達とのLINEとsyudouの孤独なラジオを聴くことぐらい。
 LINEの方は「誕生日おめでとう!」から惰性で話している友達がおり、話題探しに少々頭を悩ませた。あの頃のようなリズムでの雑談はもうお互いにできないほど、各々が変質したのかもしれない。ずっと関わってる友達は変わってもそのまま。同じ変質でも、過程を知らない場合は距離が開くのは不思議なことだな。
 孤独なラジオはライブに向けて高揚感が高まるばかりだった。3時間しか寝ていないのに倦怠感なんてどこ吹く風。やはり「ギンギラギン」を聴いたことが大きいのかもしれない。すごいものを体感できるという予感がしない方がおかしい。

 東京を過ぎて海浜幕張駅まで。ホテルでチェックインを済ませて荷物を下ろす。ライブ用の小さなカバンに必要なものだけ詰めて外に出た。時刻は開場時間ちょうどで、開演までは2時間。物販だけ並んで一旦出て、もう1回入ればいいかと思った。しかし、既に入り口には長蛇の列。それに再入場不可の文字。
 並べば晩御飯は食べられないかもしれない(ホテルの食事は付けていない)。だが戻ればグッズは手に入らないかもしれない。と考えながら並んでいた。朝から何も食べていなかったが、グッズが手に入るなら別に空腹ぐらい水で埋めてやるぐらいの気持ちだった。
 甲斐あってツアーTシャツを1枚買えた。タオルも欲しかったが売り切れ。他にも欲しいものがあったが、復路の新幹線代で帰れなくなる恐れがあるため、迂闊に手は出せなかった。お金の制約がある時だけは社会人が羨ましくなる。社会人というかお金を持っている世界線の自分か。

行く道中に撮影。場内撮影禁止だったため外の写真が続きます。

 あとは自分の席について待つのみ。会場には全く関係のない(?)アーティストの曲がかかっていた。洋楽邦楽問わず、ジャンルも様々。昔のボカロからヒップホップ、ぐでたま行進曲もなぜかラインナップ。後からTLを見るとsyudouのプレイリストなのではと言われていたが、真偽不明。
 左隣に座った今年受験生と思しき女の子はラインマーカーを引いたプリントを出してきた。触発されて私も読みかけのQiitaを開く。でも楽しみ過ぎて集中なんてできなかった。
 そうこうしているうちに開演が近づく。座席もほとんどが埋まっていた。すでにサイリウムをつけ、手を振ったりハートを作ったりして遠隔コミュニケーションをとる人もいる。私の右隣 (正確には右隣は空席だったので隣の隣) の人はサイリウムを持っておらず、2本持っていた近くの人に借りていた。ライブを通して生まれる優しさ、一瞬の関係性。とてもいい。

列に並んでいたらたまたま撮影。みんな一斉にスマホを向けていた。私の横にいた大きな男の人は屈んでくれた。ありがとう。

 BGMが2周した頃に明かりが落ちた。OP映像が映し出される。歓声が上がった場内は黒い服を着たダンサーの登場でさらに沸き立つ。満を持して現れたsyudouが低めの声で唱えるように歌い出す。誰からともなく手拍子が始まり、瞬く間に広がる。そしてsyudouはそれまで押さえていた感情を解き放つように声を上げた。

 我武者羅は「ギンギラギン」で幕を開けた。3日前にMVが公開された新曲で、このライブのために作られたであろう曲。般若(狐?)の面をつけてダンサーを伴ったsyudouは、本当にギンギラギンに輝いて見えた。黒い衣装のダンサーに対してsyudouの金髪がよく映えた。

バカでけえことやろうぜ、幕張!

ギンギラギンのアレンジより。超カッコイイ。

 続いて「いらないよ」。この頃にはもう立ち上がっていたと思う。生であの巻き舌が聞けるとは。そしてMCパート。目薬をさし、何やら暴れるのに邪魔になった首飾りを外して話し始めた。

今日は1日よろしくお願いします!そして今回はなんと、マスクをしていれば声を出しても良いということになっています!次の曲は『ララララララララ』言う曲なので、みなさんよろしければ一緒に歌ってください!!

MCより。おおよそこんな感じだったと思う。
syudouさんらしく丁寧語では無かったかも。

 予想がついた通り「邪魔」。全員で「ラ〜ラララ〜ラララ〜ラララ〜」と大合唱。ここから先ずっとだが、声出しできるライブってこんなに楽しいのかと、そしてここまで一体感が出るものなのかと感動した。
 続けて「たりねぇ」「アンチテーゼ貴様-改-」。一体となった私たちは更に熱を帯びていく。そしてどこか懐かしさを覚える前奏からの「狼煙」。一気に盛り上がり、ステージでは炎が上がった。サイリウムの色が赤っぽくなった人もたくさんいて、全員で作っているライブなんだと実感。私もサイリウム持ってくれば良かった……。

 再びのMC。syudouがやってみたかったこととしてギターを掲げるというものがあったらしく、1つ夢が叶った。BUMP OF CHICKENに憧れてやってみたかったという発言で笑ってしまった。MCで笑いとれるのってすごい。歌える上にトーク力もあるなんて。そしてそのままギターを弾き語り。楽器も弾ける。本人は「モテたくて音楽をやっている」と言っていたが、これでモテないわけがない。女子だけでなく男子でも好きになっちゃうでしょ。

 ギターを携えて「笑え」「キャラバン」「フラミンゴ」「灯火」と続いた。ファン歴の浅い私はこの辺を一度も聞いたことがなかったが、それでもとんでもなくカッコいいし手拍子も腕 (私はsyudouさん曰く拳派) も半ば勝手に動いていた。特に「キャラバン」はあの一瞬で好きになった。
 隣の女の子は「キャラバン」の前奏で息を呑んで「嘘……!」と感嘆していた。一瞬の出来事だったし、私もライブに夢中だったが、これがとても印象深かった。

 「アレやってみたかった」というsyudouの声かけで「灯火」ではスマホのライトを付けることが許され、全員で左右に振っていた。他のアーティストのライブ映像で見てきた光景だけど、いざ目の前に広がるとやはり胸に迫るものがある。曲の終盤ではsyudou視点の映像も映し出されたが、あそこから見る景色はまた格別だろうな。本人も感動していたみたいだったけど、本当に言葉にした瞬間にこぼれ落ちてしまうほどの感情だったんじゃないかな。

俺のマネをして、って言おうとしたらそれより先にみんなもうやってたね飲み込みが早いね

MCより

「ビターチョコデコレーション」はおそらく恒例であろう手拍子で始まった。ここは最高潮の1つだったと思う(他にも「最高」が多数存在)。アリーナ席とスタンド席で交互にやってみた後、そのまま楽曲へ。赤くなるぐらいに手を叩いた。「邪魔」で感じた一体感はさらに強くなっていく。
「へべれけジャンキー」ではステージから降りてアリーナ席を練り歩いた。メディアに露出する時はマスクをしているsyudouさんにしてはすごく大きなサービスだと思う。また全員が「かんぱーい!」の合いの手を入れるのがメチャクチャ楽しかった。後にも先にもこれより楽しい「かんぱーい!」なんて存在しない。

 お酒関連ということで続けて「コールボーイ」。聴くのをめちゃくちゃ楽しみにしていた曲。「クソがよ!」と叫ぶことが私は少々躊躇われて、手拍子にとどまったけど、他のお客さん(特にアリーナ)はじゃんじゃん「クソがよ!」と叫んでいた。数千人集まっているであろうファンが一斉に「クソがよ!」と野次っていいライブってsyudouぐらいでは。「へべれけジャンキー」以降この辺からは熱中し過ぎて周りに迷惑をかけていなかったか少し心配になるレベル。
 (確か) 終盤に向けて煽るMCを挟んで「爆笑」。全員で「ワッハッハッハ」「ガッハッハッハ」を叫んだ。そろそろ腕は悲鳴をあげ始めていたが、そんなことはどうでも良かった。あんなに楽しい瞬間って他にないと思うし、終わってほしくないと早くも思っていた。syudouさんは「軽く一蹴」で前蹴りを披露したり、「板の上のたうつ俺を」で実際に床でのたうったりして (開始からずっとだが) 全身で表現していた。超カッコいい。それ以外に形容できる言葉が見つからない。

ちょっとここらで新曲やります!

MCより

新曲にしては軽いノリで始まった。世に出るのはもう少し先らしい。今まで行ったライブ全てで私未発表の新曲を聴いている (そしてそのどれもで大興奮している) んですが、そろそろ機密漏洩とかで捕まったりしないだろうか。1st アルバム「露骨」に収録されるであろうということなので楽しみ。

 もう終盤戦も終盤戦。「インザバックルーム」。やってくれて良かった。コーラスをみんなで歌ったけど、低い声なので少し難しかったと思う。ただ低い声なので心臓に響いて個人的にはすごく良かった。そういうズシっとした音も好みなので。確かバックルームは無限に続いていくものだったと思うんだけど、ライブは終わりに近づいていた。
 「次がラストです!」と叫ばれた。選ばれたのは「取扱注意」。私がsyudouさんにハマるキッカケの曲。驚いたのは2番の早口ラップをあのまま完全再現されたこと。私はカラオケで歌った時、あの部分で息が持たずに直前か直後を諦めるしかなかった。本人とはいえあのパートをノンブレスで駆け抜けるのは偉業だ。誰がなんと言おうと偉業だ。
 この曲ではサビの「ラララララ」をみんなで歌っていた。お客さん全員が合わさったそれはとても綺麗だと感じられて、尊いものだと (本気で) 思った。そしてラスサビ終わりの「ラ〜ラ〜ラララ〜…」の部分も全員で大合唱。syudouさんのお気に召したようで、みんなでずっと歌い続けた。(私は最初ループすると気付かずにそのまま終わる音程で歌ってしまった。周りの方々スミマセン。) 徐々に楽器の音がなくなり、ついにはみんなの声だけに。大好きな曲をこの場にいる全員で歌っていて、その曲を作った人がそれを聴いている。改めて考えるとすごい時間だった。終わりの感覚を全員が共有しながらも、終わりたくないなと思っている感覚。それ故の膠着状態。それでも遂に終わりを迎えた。
 最後まで完璧に歌い切ったsyudouは最後までずっとカッコよかった。

 アンコールという暗黙の了解っていつ誰が始めたんだろう。天才すぎる。ありがとう。
 「アンコール!」と叫んだり叫ばなかったりしながらずっと手拍子をしていた。Eveのライブの時は手拍子だけだったが、あれは声出しができなかったからだったのかと気づいた。
 なかなか出てこなかったsyudouさんがようやく出てきた時には痛くなっている手をさらに打ち鳴らして歓喜した。ずっと聞こえていたらしい。良かった届いて。

 アンコール1発目は「笑うな!」。この曲はライブで初めて聴こうと思ってわざと聞いていなかった。(ギンギラギンもそのつもりだったけど全く耐えられずプレミア公開でしっかり観た。) MCでは「皆さんもプライドとかそういうものを捨てずにやっていくのがいいと思います。」という風に語りかけていた。面倒な気持ちの筆頭たるプライドを捨てずに持ち続けることで、syudouはここまで来れたのだと言う。それを聴くと少し勇気が湧いてくる。上手くプライドを持ち続けられたらと思うし、そうあるように何でもするつもりだ。

 アンコール2発目、つまり正真正銘のラストを飾ったのは「ギャンブル」。大盛り上がり。私も出し切ろうと思ってめちゃくちゃに拳を突き上げた。「この人生こそが何よりもギャンブル」「賭けないともったいないだろ」という歌詞は天才だと思う。「人生をかける」というのは時間をかけるという意味ではなくてそのまま賭けなんだなと。だからこそもっと大胆にいくべきなのかもしれない。
 ラスサビでは金のテープが飛んだ。最後までギンギラギンだ。syudouは全編通してギラついていた。でもだからこそ深く心に刻まれたし、何よりもはちゃめちゃにカッコよかった。

 最後はMCを挟んで終演。露骨ツアーの発表もあり、最後の最後まで盛り上がりを見せた。「露骨アー」にしたらどうかと提案したら無視されたとのこと。スタッフの人とも仲良さそうで、「カワイイ〜!」という声があがるのも分かる。ちなみにMC全体を通して1番盛り上がったのは目薬。
 「何か飛ばしてるなと思ってました笑」と写真を撮影した (掛け声はモッツァレラとゴルゴンゾーラだった) 後も、名残惜し過ぎてなかなかステージを降りないsyudouさん。最後は「また俺に会いにきてください!」と叫び、マイクを介さず「ありがとうございました!」とがなり立てた。

 腕はもう上がらず声ももう出ないという状態で会場を後にする。左隣の受験生(多分)に続く形で外に出て、幕張メッセの写真を撮って帰ろうかと思っていたら、男の人に写真を撮って欲しいと声をかけられた。
 私が撮って終わるものかと思いきや私も撮っていただけることに、ただ撮られ慣れて無さ過ぎてぎこちなくピースをするオタクが写っただけなんだけど。その後は少し話しながら帰った。彼は医療系の専門学校で学んでいるそうで、結構スパルタな教育を受けていたが、これでまた頑張れるとのこと。「またどこかで!」と手を振って別れた。私も頑張らないと!とめちゃくちゃ思えるくらいには力を貰えた。syudouさんの纏っていたギラギラしたオーラの恩恵を少しだけ受けられた。このまま行こう!

 ちなみに余韻に浸りながらホテルで晩酌するためにコンビニでお酒を買った。晩御飯を買っていないことなどとうに忘れていた。まいっか〜と思いつつ鬼滅見ながら2缶カクテルを流し込んだら、空腹故かしっかり酔った。そこまで含めて本当に最高の1日になった。関わってくださったすべての皆様ありがとうございました!

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