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危険な学校で働きませんか?      愛国者学園物語12

 愛国者学園のような、神道絶対視や天皇制への過度な忠誠、それに祖国日本への愛国心を教える学校では、どのような人材が働いているのだろう? 

学園のトップである学園長も、その配下にある教師たちや、補助教員や校務員たちも、きっとすごいエリートなのだろう、と多くの人が思っていた。ところが、そうではなかった。


 彼らの人材採用に関するポリシーは、日本社会に無数にある組織の中では、かなり柔軟であった。それは、一般的な学校とは異なり、学歴や経歴などに細かい注文をつけなかった。

1、 学園の理念に賛同できる人なら、年齢や性別は問わない。


2、 学園は志望者の学歴や経歴を絶対視しない。神道、皇室、それに愛国心の3つを大切に出来る人であれば良い。


3、 転職者を歓迎する。だから、大学の教員養成課程を卒業していない人、教員資格がない人でも、学園のトレーニングを受講すれば、この学園では教師になれる。


4、 寝ても覚めても神道、皇室、それに愛国心について考えているような人でなくとも構わない。ただし、それらを大切にすること。そして、学園の行事には必ず出席すること。


5、 学園の教職員は、柔軟性のあるスケジュールで勤務できる。だから、パートタイムの教職員として働くことも可能。

 そのほかにも、特技を持つ人、あるいは自衛隊、警察、刑務官など日本社会を守るための公務についていた人を歓迎する、というのもあった。

 また、後年、この学園は武道で有名になった。多くの大会に出場し、トップレベルの成績ではなかったものの、その名を武道界に知らしめた。それは愛国者学園が教育の一環として武道を重視したからであるが、助っ人もいたのだ。噂では、学園長は、不祥事を起こして柔道界から追放された高段者を「買い叩いて」、学園の体育指導者にしたという。トラブルを起こして行き場のない彼を格安の値段で手に入れたわけだ。


 こういう組織だから、この学園で働きたいと志願する人はかなり多かった。だから、若者だけではなく、日本社会のあらゆる階層から、人生経験を積んだ多くの男女が集まった。


彼らの人材採用哲学は、日本の多くの企業とは真逆の思想だった。

続く 

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