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行進は続く 愛国者学園物語7

 学園に様々な意見が届いた。
「子供に軍人のような行進をさせる必要があるの?」
「なんか、気持ち悪い」
「まるでロボットみたい」

 欧米のメディアは、日本人至上思想に溺れていた日本に批判的だったから、これは極右戦士の養成学校だ、現代のヒトラーユーゲントだ、日本は少年兵の育成をしているのか、なとどと辛辣に非難した。一方、日本のメディアは、そういう批判を報道しないことが多かった。彼らの多くが日本人至上思想に浸っていたから。相手が子供だから。あるいは、特定の組織を報道することで、その組織からの反撃があり得るなどと遠慮したからだ。

 反論だけではない。愛国者学園の動画アカウントには、賛美の言葉が山のように書き込まれた。
「素晴らしい」
「かわいい」
「頑張ってください」
「一糸乱れぬ行進に感動しました」                  などのありふれた言葉から、
「彼らこそ日本の希望」
「愛国者学園に幸あれ!」
「神国日本よ永遠に」などという激励も多かった。

 さらには、有名人が彼ら子供たちを賞賛するコメントを書き込み、それを嬉しがる人々が熱狂してコメントの雨を降らせる有様で、愛国者学園のアカウントは、開設後2ヶ月で日本有数のサイトと言われるほど成長した。子供とは思えないほどりりしい学園生の行進撮影した動画が評判を呼び、アクセス数が増え、学園の宣伝にもなった。行進の動画は、まさに人々の心を動かすには適した題材だった。

続く



大川光夫です。スキを押してくださった方々、フォロワーになってくれたみなさん、感謝します。もちろん、読んでくださる皆さんにも。