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愛国者学園校歌騒動         愛国者学園物語9


 こういう有様だから、その校歌である愛国者学園校歌も、どことなく神道の絶対視や天皇制賛美、それに戦争への参加を謳うものになった。

 事実、その9番は、国民が爆弾を持って相手陣地に特攻し、自らも果てる内容だったから、一部のマスコミが、これは戦争賛美で子供が歌うものではないと非難した。9番はこういう内容だ。

神国日本を守護せんと
戦に向かえよ 愛国者
怒りの爆弾携えて
神風突撃 武士(もののふ)よ
仇(かたき)の野心を吹き飛ばせ
われらは愛国小国民


 また、「歌」としてはおかしい、内容が幼稚だ、これで校歌なのかという中傷も殺到したものの、学園の広報はそんなものを無視した。有名になれるなら(反社会的なことでも)なんでもしかねない連中、が学園のもう一つの顔だったからだ。

 広報担当者は「この校歌は戦争の賛美ではありません。歌詞の内容は文学的な修辞です。当学園は正当防衛を除き、人を攻撃する精神を称揚しているわけではありません。それにこの歌詞が問題になるなら、各地の学校で行われている銃剣道や弓道も戦争の賛美になるのでしょうか?」


「それにです」、高圧的な彼女は付け加えた。

「フランスの国歌、ラ・マルセイエーズをご存知ですか。あの歌は戦争を題材にしています。もし、我が学園の校歌が良くないとおっしゃるのであれば、フランス国歌も禁止すべきです。


 その回答を聞いたマスコミ関係者は、その論理の奇怪さにあきれた。愛国者学園校歌とフランス国歌は同じ土俵に乗った歌らしい。大した自信じゃないか。


こんな批判も飛んできた。「21世紀の日本で『少国民』はないでしょ。これは第二次世界大戦中に使われた言葉ではないか?」


 広報は答えた。
「私たちの『校歌』で謳われている『少国民』とは、文字通り小さな国民という意味で、それ以外の意味はありません。確かに、歴史を紐解くと、第二次世界大戦当時は、『少国民」が、小学生程度の子供を意味する言葉として使われていましたが、私たちの校歌はそれとは関係ありません。文学的な表現だと思ってください。」


 一体誰がこれを作詞したのか、公にはされなかった。ただ一言、「学園の関係者による」とだけ公表された。

続く 

大川光夫です。スキを押してくださった方々、フォロワーになってくれたみなさん、感謝します。もちろん、読んでくださる皆さんにも。