漂流するポール

小雨をふくんだ突風が、折りたたみ傘をお椀の形にする天候は久々の事。ぐずつく空はそんなに嫌いではなく、自分の心が湖の底にあるような日にはむしろ心地よく感じます。

心に寄り添うのは天気だけにとどまらず、先日本屋でたまたま見つけたポール・オースターの新作もまた僕を、このひそやかな生活を、そっと慰めてくれます。明日がどんな日になるのかは神のみぞ知るです。毎日新しい事を覚えるような、瑞々しい女学生のような生活は素敵です。出来ればそうありたい。けれど、淡々と日課をこなす事も、その行為を丁寧にする場合には大きな意味をもたらすのではないかとも思うのです。


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