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働くとは?父親とは?退職して見ると胸に響く映画「シンデレラマン」

アメリカの大恐慌時代に活躍した、
実在のプロボクサー、
ジェームス・J・ブラドックの物語を描いた
映画「シンデレラマン」を見ました。

この映画は、「働くとは?」「父親とは?」
そんな問いに答えてくれる名作です。

無職の中年が見ると、
かなり胸に響くものがあります。

ブランクがあったことで知る、働くことの楽しみ
カムバックを果たし、生き生きと試合をする主人公に
なんとも言えない「充実感」のようなものを感じました。

それは、過去の栄光から1度転落をし、
ミルクに水を入れて薄めて子どもに飲ませたり、
電気を止められて暖房のない部屋で子どもが病気になったり、
そんな大恐慌時代に、みじめな思いをしてきたから
試合ができる幸せみたいなものを噛みしめていたのでしょう。

貧しい生活の中での、
子どもたちへの愛情には涙腺を刺激されました。

お腹を空かした娘に、
自分は、夢で沢山食べたからお腹いっぱいだと言って
身体が資本のボクサーが、少ない食事を与えるシーン。

肉屋のソーセージを盗んだ息子に対して
「絶対におまえをよそにはやらない」と約束するシーン。

そんな貧しさの中にあっても、
主人公の父親としての愛情に
ホロリとさせられてしまうのです。

マックス・ベア戦を控え、
新聞記者にインタビューで、
何のために闘うのか?と聞かれ。
即答で「ミルクだ」と答える。
つまり、妻と3人の子どものために、
金を得るために闘うと言い切る。

ストレートに、
カッコいい父親だと思いました。


そして、
マネージャーであり、
親友のジョーもいいヤツなんです。

グリフィン戦でジミーがダウンを奪われた時に
セコンドについていたジョーのセリフが

「そのまま寝てろ。時間をかせげ」

それは、
「焦るんじゃねえ。
どうせ倒れたのであれば
10カウントまでゆっくりすればいい。
ギリギリまで休んだらいい」

と言っているようにも思えました。
主人公のボクシングのブランクを
揶揄しているようにも思えましたし、
無職でブランクを体験している私に言っているようにも
聞えたのでした。

ジミーに試合をもちこんでくるジョーの家に
妻のメイが乗り込んだ際、
裕福な暮らしをしていると思っていたのに
実際に訪ねると、家財道具を売り払って
ジミーへのお金を捻出していることを知る。
その時のジョーの言葉が

「本能的なひらめきというものがある。
そのひらめきをジミーに感じたんだ
こいつにすべてをかけよう
ジミーにはそれだけの価値があるって」

熱い男たちの自分たちのそれぞれのできることで
再起を果たそうとする姿にはグッとくるものがありました。

また、プロモーターが言った。

「心は家族に、
頭脳と肝っ玉はビジネスのためにある」

と言う言葉にも、
働くことへの示唆に富んだ言葉だと思いました。

ジミーがタイトルマッチで殺されるかもしれないと
妻メイは恐れていました。
ジミーが会場に向かっている最中、
彼の無事を祈るために教会に行くと
教会が人であふれていたのです。
皆、ジミーの勝利を祈るために集まっていたのです。
そこで彼女はジミーの「闘い」の意味を知るのです。

父として、
働くとは、命懸け。
それは、決してボクシングだけではない。

かつての英雄が、
困窮し、生活保護受給の列に並ぶ
かつての知り合いに物乞いをする。
プライドもすべて投げ捨て
家族を守る。
闘いはボクシングだけじゃないと思いました。

そして、若いボクサーに
老いぼれボクサーが挑む。

老いぼれが、自分に重なるんです。

そして、何より
主人公ジミーは、
痛いほどつらいのですが、
一言も「つらい」と弱音を吐かないんです。

「男はつらいよ」の寅さんと一緒で、
映画の中でつらいよって一言も言ってない。
だからそのつらさが伝わるんですね。

「強さ」と「優しさ」を
兼ね備えた主人公の栄光へのカムバック。
涙なしには見れない映画でした。

「働くとは?」「父親とは?」
そんな問いに答えてくれた名作でした。


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