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この世に闇はなく、影があるだけ


この世に闇はない

終戦後、全てを失ったここ日本で、
月明かりだけをたよりに影絵をつくり、
子どもたちを勇気づけてきた
影絵作家の藤城清治さん。

御年99歳。

「マボロシの鳥」という絵本のあとがきに、
今日の主題となる一文はありました。
(詳細はのちほど)

藤城さんはずっと昔から私達に、実はこの世界には闇などないと教えてくれています。闇のように思えてもそれは本当は影なのだと教えてくれています。闇と影は違います闇とは光のない世界のことです。影とは光のある世界にしかできません。生きていると光の時と影の時が交互に訪れるような気になる時があります。でもそれは本当は同時にそこにあります。暗い部屋で懐中電灯をつけて、手で作った鳥の形の影が壁にうつるのを見るたびに、私たちはそのことを思い出せます。

絵本「マボロシの鳥」 影絵 藤城清治 原作 太田光

記事の背景

Voicyフェス

Voicyという音声プラットフォームがあります。

そのVoicyで年に1度開催される声の祭典
「Voicyフェス」。

79名のVoicyパーソナリティ(話し手さん)同士の本気対談。

3日間、約60対談におよぶその中に、
爆笑問題 太田光さんと、キングコング 西野亮廣さんの対談がありました。

爆笑問題太田光さんとキングコング西野亮廣さんの対談

もうね、面白い!

顔も姿も見えない音声だけの放送なのに、
声を出して笑える。

ほんと、笑いのプロ!

太田光著「マボロシの鳥」の裏話

1番良かったのは「マボロシの鳥」の裏話。

爆笑問題 太田光さん初の小説集「マボロシの鳥」を影絵作家の藤城清治さんが絵本にしたエピソード。

ずっと憧れだった藤城清治さんに対し、
「読んでほしい」と差し上げた太田光さん。

「マボロシの鳥」を読んで、
その話にかつての自分の姿を見た藤城清治さんが、

「「マボロシの鳥」を絵にするのは自分がふさわしい」

と、太田光さんに「絵本にしたい」と直談判。

「マボロシの鳥」が絵本となった。

影絵作家 藤城清治さんについて

藤城清治さんは御年99歳の影絵作家。

戦後の月明かりで影絵を作り、
子どもたちを喜ばせた。

戦争ですべてを失った人たちのために何かできることはないか

がれきに差し込む光と影に手がかりを見出し影絵を始めた

下記ブログより引用させていただきました。

絵本発売と東日本大震災

絵本が発売されたのは、奇しくも東日本大震災直後。

発電所は壊滅的な被害。

町からは明かりが消え、文字通り暗闇の世界に。


そんな中、発売された影絵による絵本
「マボロシの鳥」。

光を基本とする影絵作家に対する風当たりは強く、インタビューでは、

「藤城先生の影絵は電気を使いますが、
今の日本は電力需給が厳しい状況。
電気が使えなかったらどうされますか?」

という質問に対し、

「そんなものはどうにでもなります。終戦直後の日本。電気どころか、何もなかった時代から影絵をやっています。その頃に戻るだけです。」

と。

綴らずには居られない

最後にこの逸話を使って、笑いに変えていたのは、さすがは爆笑問題、太田光さん。

もうね、これ聞いて綴らずにはいられないでしょ。

「有料Voicyの放送をネット上に上げて良いのか?」

とも思いましたけど、

「こんな話だからこそ残すべきだ」

と筆を執った次第です。

まとめ

いてもたってもいられず、原作も絵本も両方とも購入しました。

この絵本のあとがきにあった、
太田光さんのメッセージが冒頭のそれになります。

藤城さんはずっと昔から私達に、実はこの世界には闇などないと教えてくれています。闇のように思えてもそれは本当は影なのだと教えてくれています。闇と影は違います闇とは光のない世界のことです。影とは光のある世界にしかできません。生きていると光の時と影の時が交互に訪れるような気になる時があります。でもそれは本当は同時にそこにあります。暗い部屋で懐中電灯をつけて、手で作った鳥の形の影が壁にうつるのを見るたびに、私たちはそのことを思い出せます。

絵本「マボロシの鳥」 影絵 藤城清治 原作 太田光

闇ではなく影がある。

しかもそこには同時に光がある。

藤城清治さんが影絵を始めたきっかけ、
終戦後の日本。

子どもたちを笑顔にしたい一心だった。

そこには確かに光があって、影があった。

闇のように思えたけど、光があった。

思えば、太陽はいつでもそこにある。

夜でも、たしかにある。

昼には太陽として、

夜には月明かりとして、

わたしたちを照らしてくれている。

そこには、闇はなく、影があるだけなのである。

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