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「慶応は野球の応援が単位になる」は不正確【ファクトチェック】

「慶応大学では、野球の応援に行くと単位が取得できる」という言説が拡散しましたが、不正確です。一部の学部で、東京六大学野球の早慶戦を応援に行けば「体育」の授業の出席回数にカウントする仕組みがありますが、観戦するだけで単位が付与されるわけではありません。

検証対象

2023年夏の甲子園で慶応高校が優勝し、その大応援団が話題になった際に「慶応は野球の応援が単位になる」という情報が拡散した。テレビ番組での出演者の発言を複数のメディアが取り上げて広がった。

X(Twitter)では「野球応援したら単位もらえるから多くの慶応生が来たらしい。ふざけてんか」などと批判の声も広がった。

検証過程

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、野球応援による単位取得について慶応義塾大学に取材した。慶応義塾広報室は、野球応援による単位取得について以下のように回答した。

「一部の学部で、東京六大学野球の早慶戦での応援が、授業としての『体育』の『出席回数にカウントされる仕組み』があることは事実です。その目的は体育としての観察学習を促進することです。観戦するだけで単位が付与される、というものではありません」

また広報室は、出席と認める条件について「事前に登録したうえで、授業のため、当日の出欠管理を行い、事後、感想の提出を求めています」と説明した。つまり、応援に行くだけでなく課題を提出して初めて「出席」となる。

判定

一部の学部では、早慶戦での応援を「単位」でなく、体育の授業の「出席」としてカウントしている。しかし、課題の提出も必要で、観戦するだけで単位が付与されるわけではないために不正確と判定した。

検証:古堅陽向、鈴木刀磨
編集:藤森かもめ、古田大輔


検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。

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