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「日銀が宮崎駿監督を提訴」は誤り【ファクトチェック】

日本銀行が生放送での発言をめぐって、宮崎駿監督を提訴したという言説が拡散しましたが誤りです。ネットニュースの記事を装った偽広告で、読者を投資サイトへ誘導します。


検証対象

2023年12月27日、「日銀、宮崎駿を提訴 生放送の発言で」という投稿がX(旧Twitter)の広告機能で拡散した。リンク先のサイトにはNTTドコモが運営する「gooニュース」のロゴがあり、記事には提供元として「読売新聞オンライン」のロゴがある。内容は宮崎駿監督が日本テレビの番組「news zero」で投資について語ったというものだ。2024年1月4日現在、投稿のリンクから偽サイトには繋がらなくなっていたが、X上の投稿はまだ存在している。

検証過程

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、2023年12月21日にもgooニュースを装った柳井正氏に関する偽記事についてファクトチェックをしている。今回の検証対象は、宮崎氏の名前と写真を使っているが「日銀、〇〇を提訴 生放送の発言で」という投稿の文面は前回の偽記事と全く同じものだ。

今回の検証対象については、弁護士ドットコムニュースも記事を公開し、宮崎駿監督の写真などを勝手に使用した偽サイトと注意喚起している。

投資を誘導する偽記事には映画監督の新海誠監督や、落語家の笑福亭鶴瓶氏などの画像を使った様々なバージョンがある。今回の言説は、新海監督の偽記事に宮崎駿氏の写真を合成したものだ。

画面左が新海監督の偽記事で、画面右が宮崎監督の偽記事。顔と記事中の名前が宮崎監督に変更されている。

JFCは、news zeroの過去放送や日テレNEWSの他の動画を確認したが、宮崎駿監督が投資について語っている動画や映像、記事は見つからない。偽記事の提供元として読売新聞オンラインのロゴもあるが、クリックすると投資を促すページに誘導される。読売新聞オンラインは「偽のサイト、メールにご注意ください」と呼びかけている

判定

宮崎駿監督が日銀に提訴されたという言説が拡散したが、誤り。記事は、新海監督の偽記事に使われた画像と文章を元に偽造した広告だ。

検証:木山竣策
編集:藤森かもめ、古田大輔

修正

本文中、宮崎氏とすべきところを柳井氏と誤記した部分がありましたので修正しました(2024年1月6日)。


検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。

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