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教員の働き方改革への提言(3)

適正な「学習評価」のエビデンス・アカウンタビリティをめぐって

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ペーパーテストによる到達度評価の定期考査
  ― 採点ミスさえなければ客観的なエビデンスを示せます
平常点
 ― 膨大な時間と労力をかけて加点できる要素を詳細に記録し評価します。こちらも客観的なエビデンスを示すことができます

先生方にとっては「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)」は、いずれも膨大な時間と労力をかけることになりますが、客観的なエビデンスが得られる、適切なアカウンタビリティを示すことができる、安心感のある学習評価です
特に、ベテランの先生方にとっては、成功体験に裏付けされた学習評価でもあるのです

私は、待ったなしで先生方の「働き方改革」を実効性のある方法で遂行するためには、先生方の膨大な時間を奪い、大きな労力を課している「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行するほかないと考えています

多くの先生方にとって安心感のある学習評価「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)」の思考から脱却してもらうには、生徒・保護者、或いは大学等に、学習評価のエビデンス・アカウンタビリティを、先生方が悩まず自信をもって示すことができねばなりません

特に、先生方は、指定校推薦(「学校推薦型選抜」)の校内選考におけるエビデンス・アカウンタビリティに関してとてつもない緊張感と責任感をもって臨まれます。これは対象の生徒・保護者にとってもそうで、それ以上かも知れません。生徒の一生を左右するもので、絶対にミスがあってはいけないし、公平性の担保が何より必要不可欠です

国公立大学の「学校推薦型選抜」には、1高校からの推薦枠人数に制限のあるものがあります
例えば、神戸大学では2名です。同一学部の「学校推薦型選抜」に3名以上の希望があれば、指定校推薦における校内選考と同様のことが起こります

「総合型選抜(旧AO入試)」に関しても同様のことが言えます
例えば、京都大学の特色入試では、教育学部・総合人間学部の出願要件に、「調査書の全体の学習成績の状況が4.3以上の者」とあります

いわゆる評定平均値の「0.1」「0.01」の差が生徒の一生を左右するのです

対象生徒・保護者にとっての公平性の担保が何より必要不可欠で、先生方は、学習評価に最大の緊張感と細心の注意を払って臨むのです

先生方にとって長年成功体験に裏付けされた「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)の学習評価は、いずれも膨大な時間と労力をかけることになりますが、細部に亘る客観的なエビデンスが得られる、適切なアカウンタビリティを示すことができる、先生方にとって、学校にとっても公平性が担保された安心感のある学習評価であり、
「待ったなしの働き方改革」でこれに突破口を開けることは容易なことではありません

多くの先生方にとって安心感のある学習評価「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)」の思考から脱却してもらうには、生徒・保護者、或いは大学等に、学習評価のエビデンス・アカウンタビリティを、先生方が悩まず自信をもって示すことの重要性がここにあります

待ったなしで先生方の働き方改革」を実効性のある方法で遂行するためには、先生方の膨大な時間を奪い、大きな労力を課している「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行することです

その前提条件として、適正な「学習評価」のエビデンス・アカウンタビリティを学校として(もちろん教育委員会と校長の協働による)示す必要があるのです

「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」(令和3年1月26日 中央教育審議会)及び「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ(審議まとめ)」(令和2年11月13日 同ワーキンググループ)等を踏まえて、令和3年3月31日付けで、学校教育法施行規則、高等学校設置基準、高等学校通信教育規程等の一部改正等を行われました

制度改正の詳細について「新しい時代の高等学校教育の実現に向けた制度改正等について(概要)」では、

各高等学校の特色化・魅力化 【学校教育法施行規則・高等学校設置基準の一部改正、通知事項】

◆ 各高等学校に期待される社会的役割等の再定義
・ 高等学校の設置者は、高等学校が下記の「三つの方針」を策定する前提として、各高等学校やその立地する市区町村等と連携としつつ、各高等学校に期待される社会的役割等(いわゆるスクール・ミッション)を再定義することが望まれる。

◆高等学校における「三つの方針」の策定・公表
・ 高等学校は、当該学校、全日・定時・通信制の課程又は学科ごとに以下の方針(いわゆるスクール・ポリシー)を定め、公表するものとする。
(a)高等学校学習指導要領に定めるところにより育成を目指す資質・能力に関する方針
(b)教育課程の編成及び実施に関する方針
(c)入学者の受け入れに関する方針

(※)令和4年4月1日から施行(令和6年度末まで経過措置)
とされています

これにより「スクール・ミッション」「スクール・ポリシー」の策定・公表が高等学校に義務付けられ、教育委員会の指導・助言のもと、各校はこれらの(案)を策定し、正式には教育委員会の承認を経て公表されることとなりました

「概要」の「(a)高等学校学習指導要領に定めるところにより育成を目指す資質・能力に関する方針」は「グラデーションポリシー」のことです

箕高では、「グラデーションポリシー」について、令和2年度より、高等教育における「学士課程答申」「高大接続改革実行プラン」により「3つのポリシー」の明確化・一体的な策定義務が求められたことを参考に、「めざす学校像」をもとに、卒業時に育成をめざす資質・能力に関する方針を、高等教育の学位授与の方針「ディプロマポリシー」の名称を借りて校内で策定してきました

私は、「スクール・ミッション」とは、当該校・教育委員会が認める

○存在の拠って立つ学校として揺るぎない「アイデンティティ」(設立の背景・意義・歴史、地域や都道府県住民からの学校教育活動への期待とそれに応えているという自負・存在意義、等)

○期待されている社会的役割をふまえ、子どもたちを卒業時にこう育てるという教育方針の意思表明

だと考えています

本論の核心に迫っていきます

定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行する前提条件として、適正な「学習評価」のエビデンス・アカウンタビリティを学校として示すためにはどうすればよいのか

学校全体(全教科科目、教科外教育活動の総て)で、「グラデーションポリシー」(箕高の取組みでいう「ディプロマポリシー」)の共有と実践を進めていくことでそれは果たせます

「グラデーションポリシー」は「スクール・ミッション」を実現するため、3年間の教育活動で身に付けるべきCompetencies(資質・能力)です
これは文部科学省より策定が義務付けられ、校長(学校)と教育委員会が協働で合意し、策定され、公表された自他ともに認める学校教育の本質、根幹に位置付けられるものです

先生方の授業が、3年間の教育活動で生徒たちに卒業時に身に付けさせるべきCompetencies(資質・能力)「グラデーションポリシー」に根ざすものであり、
学習評価が、観点別学習状況の評価の理念に相応したものであれば
「適正な学習評価」としてのエビデンス・アカウンタビリティを示すことができます

「適正な学習評価」としてのエビデンス・アカウンタビリティの根拠を

膨大な時間と労力をかけた、細部に亘る客観的なエビデンスをもとに適切なアカウンタビリティを示す、先生方にとって、学校にとっても公平性が担保された安心感のある学習評価テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)に求めるのではなく

学校全体(全教科科目、教科外教育活動の総て)で、「グラデーションポリシー」(箕高の取組みでいう「ディプロマポリシー」)の共有と実践を進めていくことに求めるのです

校長は、「我が校のグラデーションポリシーの共有と実践に基づく適正な学習評価を実施しています」と自信と確信をもって公表する

「グラデーションポリシー」の共有と実践、新学習指導要領・観点別学習状況の評価の理念に基づく適正な学習評価・授業改善の取組み、先生方の働き方改革は一体にして語られ、思考され、校長としてのカリキュラムマネジメントとして実践されていくべきです

「適正な学習評価」としてのエビデンス・アカウンタビリティの根拠を「グラデーションポリシー」の共有と実践に求めることにより、いかにして「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行していけばよいのか

次回はこの点について論を進めていきます

要点は、

「単元テスト」で、定期考査は不要となり、長時間を要する作問作業・採点作業も不要

「パフォーマンス課題」で「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」を一体的に評価することで、「平常点」=「主体的に学習に取り組む態度」と思い込むことで生じてしまう、情意も含めた授業の取組み態度の評価やノート・プリント点検等の業務も不要

といった内容です

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします

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