見出し画像

教員研修を創る!(7) -私たちはどのような生徒を育てますか-

私たちはどのような生徒を育てますか

おはようございます!
毎週ご高覧いただきありがとうございます!

表題は、令和4年6月23日開催 教員研修で私がパワーポイントでプレゼンテーションしたタイトルです

個人情報・守秘義務事項を除いたプレゼンテーション(パワーポイント)内容は次のとおりです

令和4年6月23日開催 教員研修(石田)

私たちはどのような生徒を育ててきましたか」の問いかけ、で始まり
私たちはどのような生徒を育てますか」の問いかけで終えました

前任校の東百舌鳥高校でも、箕高でも、研修や職員会議に先立って、職員会議の校長より、等々で、先生方にお願いして、よくプレゼンをさせてもらいました
パワポを用いたり、語りかけたり、校長が何を考え、どのようなマネジメントをしようと思っているのか、を「見える化」して、先生方からの共感を期待しながら、納得解を得てもらえるようマネジメントのエビデンスを提示する努力を惜しんではなりません

さて、令和4年6月23日 教員研修では、

1)カリキュラムポリシー(CP)を明確にし、全職員で共通認識を持つ

2)CPを絡めた授業のめあてを作る一手法を知る

3)箕面高授業スタイルを明文化し、生徒の主体性を引き出す授業や自学自習の習慣を養える授業を今以上に増やす

を研修のテーマ・目的としました

先ず私より冒頭紹介したプレゼン

 「私たちはどのような生徒を育ててきましたか
  卒業生の顔を思い浮かべながら、議論し共有したディプロマポリシーの確認

 カリキュラムポリシー(ディプロマポリシー達成のために、どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施するのかを定める基本的な方針)策定にあたって、
  ディプロマポリシーで描いた生徒の姿を想像して
 一時間一時間の授業で
 一単元の授業で
 一年間の授業で
どのような生徒を、どのように育てていきたいのか、考えていきましょう
 「私たちはどのような生徒を育てますか

令和4年度、学習指導室を中心に、育てたい資質能力を、次の14項目に設定し、各教科で特に育みたい資質能力を定める取組みを進めました

1知識教養 2主体性 3国際生 4多様性 5協働力 6受認力 7課題発見力 8問題解決力 9判断力 10行動力 11貢献力 12親和性 13自律性 14冒険心

研修では、カリキュラムポリシーをどのように具体的にそれぞれの授業に組み入れるのかなどについて協議検討しました

令和4年6月23日 教員研修
令和4年6月23日 教員研修
研修後、完成形

箕高では、令和3年度より、学習指導室を中心に、「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」を評価するための「パフォーマンス課題」の研究・開発・実践に取組んできました
その専門的知見を得るため、
令和4年8月29日、京都大学 大学院 教育学研究科 特任教授の 田中 容子 先生を講師にお招きし、「今求められる力とその評価 パフォーマンス評価の実施と方法」をテーマに教員研修を行いました

令和4年度入学生より「新学習指導要領」が学年進行で実施され、学力の三要素「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点による「観点別学習状況の評価」も実施されます

研修会では、田中 容子 先生より、パフォーマンス課題の実践例、その理論について丁寧にご講演いただき、箕高のこれまでの実践をふまえた「観点別評価から評定への提案」もしていただきました。

令和4年8月29日 教員研修

講演後は、教科に分かれて、現状の取組みと講演でいただいた知見をふまえてのワークショップを行いました

全体研修終了後、座談会を約1時間実施していただき、様々な質問に対して、田中先生より具体的に答えていただき、貴重なご助言もたくさんいただきました

令和4年8月29日 教員研修

京都大学 特任教授 田中 容子 先生には、研修に向けて丁寧に聴き取っていただき、箕高のこれまでの実践をふまえた「観点別評価から評定への提案」を提示していただきました

私は予てより、教員の働き方改革推進にとって新学習指導要領実施は好機だと捉え、

○定期考査を廃止し、「知識・技能」評価の7割・「思考・判断・表現」評価の2割は、教科書の副読本、授業プリントから出題する「単元テスト」の実施

○年に1回若しくは2回設定する「パフォーマンス課題」により「思考・判断断・表現」評価の6割と「主体的に学習に取り組む態度」評価の7割、「知識・技能」評価の3割を一体的に評価

○発表後に、個人論文・レポート・提案書・ジャーナルを書くことで、「思考・判断・表現」評価と「主体的に学習に取り組む態度」評価の残りの部分を一体的に評価

することを構想し、先生方に提案(府教育庁の先生方にも問題提起)してきました

これが実現すれば

○「単元テスト」で定期考査は不要となり、長時間を要する作問作業・採点作業も不要
○「平常点」=「主体的に学習に取り組む態度」と思い込むことで生じてしまう、情意も含めた授業の取組み態度の評価やノート・プリント点検等の業務も、「パフォーマンス課題」で「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」を一体的に評価することで不要

定期考査業務(教科打合せ・作問・採点等々)、昔ながらの平常点作業、これらを削減することで、先生方が勤務時間内に生徒たちと向き合う時間をかなり創出できるはずです

京都大学 田中先生の「観点別評価から評定への提案」は、箕高の実態に即したもので、大いに参考となり、私の構想に対する信頼できるエビデンスとなりました
さらに、大阪府立学校長協会「府立学校教育シンポジウム」記念講演 京都大学 西岡 加名恵 教授による『「資質・能力」を育てるパフォーマンス評価 ―教科における観点別評価をどう進めるか― 』からも信頼できるエビデンスをいただきました

「教員の働き方改革」については、既にnoteに寄稿したものを再度整理し、次週以降、まとめていきたいと思います

私の箕高 校長職 最後のまとめとして実施した研修が、令和5年3月23日の教員研修です

研修の目的は以下の3点です

① 今年度の実践のまとめとして、実施したパフォーマンス課題や3観点評価について総括する
② 教科内で実践の報告や共有をすることで、今後実践予定の先生が学びを深めることができる
③ 他教科の実践報告を聞くことで、工夫点や課題点を学ぶことができる。また、教科横断的な視点を得ることができる

各教科が今年度取り組んだ「パフォーマンス課題」と、「3観点評価(観点別学習状況の評価)」を中心にワールドカフェ方式(4ローテ)で全体共有しました

令和5年3月23日 教員研修

新1年生の担任団の先生方が校務で出席できませんでしたので研修動画をオンデマンド配信して研修内容の共有を図りました

令和4年度の取組み・教員研修の基盤となる「めざす学校像」「ディプロマポリシー」は、管理職と一部の教職員しか知らないことがあってはカリキュラムマネジメントをまわせないので、常に、先生方と学校全体で継続して議論し共有することが不可欠です
そうして取組みのエビデンスが共有され先生方は納得解を得て学校マネジメントの一翼を担っていくのです(教職員個々の目標設定は「自己申告票」で確認済み)

ひとつの例を挙げます
ディプロマポリシーは、継続して議論を進め、
Competencies (4)「自主自律」「和親協力」の心をはぐくみ、他者や身近な社会・世界のために、自らの強みを主体的に発揮し、社会的貢献ができる力(令和3年度) に、令和4年度、発展的修正を加えました

令和3年度に、グローバル科・普通科の「科としての特色・魅力・大切に育てたいこと・広報活動で中学生に伝えたいこと」について学習指導室を中心に全体で議論し、グローバル科は、「舞台は世界 ― 異文化理解は、グローバル科の学びの特色・目標―」とし、「グローバルな視野で、異なる文化・価値観を持った人々を理解し、協働できる生徒を育てる」ことをめざすとしました。普通科は、「決め手は探究 ― 探究・貢献は、普通科の学びの特色・目標 ―としで、「自己と向き合い、自らの強みを見つけ、他者や身近な社会・世界のために、その強みを主体的に発揮・貢献できる生徒を育てる」ことをめざすとしました

この議論のなかで、Competencies (4)の「地域に信頼され愛される学校の取組みを進め」は、普通科の特色・魅力・大切に育てたいことの核となる、Learning Compass 2030 で、2030 年の教育に求められる生徒像― より良い社会を実現するために “Agency” を身につけ、発揮していくことが期待されている ーを落とし込む形で発展的修正をしたのです

Competencies (4)「自主自律」「和親協力」の心をはぐくみ、地域に信頼され愛される学校の取組みを進め、社会的貢献ができる力(令和3年度)

Competencies (4)「自主自律」「和親協力」の心をはぐくみ、他者や身近な社会・世界のために、自らの強みを主体的に発揮し、社会的貢献ができる力(令和4年度)

7週に亘り掲載した「教員研修を創る」は今回で最終回となります

先生方と教員研修を創りあげてきた実践が何かの参考になれば幸甚です

次回は、「教員の働き方改革」については、既にnoteに寄稿したものを再度整理し、まとめていきたいと思います

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?