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頭のなかにある思考のエッセイ

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自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
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2022年3月の記事一覧

揺らぎながら生きる

いつも満ち満ちた状態でいることは、理想ではあるけれど、たぶん難しいのだろうと薄々気づいている。 ヒトは自然の一部だから、海が満ち引きするように、月が満ち欠けするように、わたしも満ちて、溢れて、引いて、足りなくなってを繰り返して、ゆらゆら漂って生きるものなのだろう。 自分に何かが足りていないとき、「自分がうまくいっていないこと」はわかるのだけど、その足りない「何か」は自分では意外に気づけなかったりする。それで、日常の中でふと、その「何か」に触れて初めて気づく。 「ああ、こ

期待とは別軸で

たくさんの「期待」が渦巻いている。 嬉しい期待、重荷になる期待、力がみなぎる期待、的外れな期待…… 長らく「期待なら何でも請け負います!」という姿勢で生きてきたわたしにとって、期待は自分の存在価値であり、アイデンティティでもあった。 期待は、必要とされているということ。期待に応えることは、わたしが生きるために必要なこと。 ずっとそんなふうに思っていたのだけれど、ふと「わたしは "期待に応えたい" とは思っていないのかも」と気づいたのは、新卒で入った文房具メーカーでのこ

過去の自分に感謝しながら、未来の自分のために新たな種を撒く

こつこつ作っていたエッセイ集が、先日校了を迎えた。 「過去の自分が書いた文章をまとめて、エッセイ集にしよう」と決めたのはもう1年近く前のこと。そこからブログ記事を見返したり、再編集したり、大幅に追記したり修正したりしてきた。 わたしがブログを書いていたのは、2016年から2019年の4月ごろまで。フリーランスとして独立してから、ライターを辞めてちょっと経つまでの期間。 過去の文章には、あの時のわたしにしか書けない生々しい悩みや葛藤、そしてそこから考えたことが、たっぷりと

人生の課題がそれぞれ違うのだ

自分を誰かと競わせなくなったのには、ハッキリとしたきっかけがある。 それは、「あまりにも自分と違う人」を目の当たりにしたことだった。 それまでも「人はみなそれぞれ違うんだよ」という言葉を何度も耳にしてきていて、でもそんなの頭では理解していてもそう思えるのは心穏やかなときだけで、自分の心がささくれ立っているときには何のなぐさめにもならず、せっせと自分を誰かと競わせて "劣っている自分" を見つけては嘆くことを繰り返してきたのだけど。 でも、「あまりにも自分と違う人」を目の