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頭のなかにある思考のエッセイ

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自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
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2022年8月の記事一覧

「やりたいことがない」には2パターンあって

「やりたいことがない」と悩んでいる人は、けっこう多い気がする。 実は、わたしもその一人だった。 成し遂げたいことや、やってみたいことなんて、まったく思いつかなかったのである。 だからこそ「やりたいこと」にまつわる思考を深めてきたのだけれど、いつしか「やりたいことがない」には2パターンあると思うようになった。 ひとつは、本当はあるのに気づいていないパターン。そしてもうひとつは、行動で考えるのが向いてないパターン。 そしてわたしは後者の「行動で考えるのが向いてないパターン

「ちゃんとしなきゃ」を手放していく

「ちゃんとしなきゃ」と最初に思ったのは、いつのことだっただろう。 一番古い記憶は、小学2年生で東京に転校してきた日のこと。ちゃんと友達をつくらなきゃ。変なやつだと思われないようにしなきゃ。そんなふうに身を固くした、あの日の緊張感。 それから何度も「ちゃんとしなきゃ」と自分を奮い立たせてきた。 好きな子ができて「わたしの前髪変じゃないかな」と思ったときも、入学式の日に「はじめまして」と挨拶するときも。どれも根本にある思いは、相手に良く思われたいとか、幻滅されたくないとか、そ

華々しいものでなくても。

ことり、と目の前にカップが置かれる。 真っ白なカップとソーサー、華奢な持ち手、飲み口を囲むしっとりとした金色の塗り。そのなかで波打つ、凛とした珈琲。 ここは、東京・蔵前にある珈琲店。 限られた照明しかない店内は、昼間なのに真夜中のバーのような雰囲気を醸し出している。店内は2人席が3つと、それ以外は全てカウンターの1人席。おしゃべりはなるべく控えめに。コーヒーとの時間を楽しみたい人だけが来る空間。 来てみたいと思っていた場所。オーナーの著書や、お店のSNSを見てその気持

自分の脳の不器用さも、まあわかってあげてさ。

ごちゃっとしていて統一感のない、わたしの本棚。 「揃えること」を無視してガタガタと並ぶその様は、「散らかっていなければいいでしょう?」というわたしの性格をよく表している。 しかしそれ以上に「自分らしいな」と感じるのが、本のジャンルが雑多なところ。 エッセイ、心理学の本、小説、ビジネス本、詩集、ハウツー本。 書店であれば絶対に隣り合わないであろうカテゴリの本達が、お隣さんとして並んでいる。読んだ本を棚のあいている箇所にひょいと並べているので、ジャンルの雑多さは、そのまま

自分の人生なのだから、欲を言ってもいいじゃない。

「画面に向かわない時間を、増やしたいんだよね」 すこし前の夏。 砂浜に腰をおろし、隣で海を眺める友達に向けて、そうつぶやいた。 あの夏のわたしは一日中画面に向かってばかりで、とても疲れていた。 数年前から始めたWeb編集者としての仕事。次々と上がってくるチェックすべき原稿。一日数時間にも及ぶオンライン会議の嵐。即レスが求められている気がして、画面から離れられなくなった心。 やりがいはあったし、もちろん楽しい部分もたくさんあった。だけれど画面から顔を上げた瞬間に気づく、