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頭のなかにある思考のエッセイ

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自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
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2022年10月の記事一覧

クライアントワークを辞めてからの、お金のこと

昨年末、じぶんジカン運営以外のお仕事を、ぜんぶ辞めた。 「じぶんジカン」は、自分と向き合う時間をコンセプトとして、主にノートをつくっているブランド。2019年1月にスタートして、はや4年目。 2021年末までは、じぶんジカンの運営と、もともとやっていたお仕事(編集、Webディレクター、ライターなど)を両立していた。 それらの仕事をぜんぶ辞めようと昨年末に決断した理由は、じぶんジカンだけで安定した収入を得られるようになったから……ではなく、先のことはわからなくても「じぶん

人生をかけた実験の真っ最中

人生のリセットボタンを押したことが、わたしにはある。 きっかけは、それまで目指していた「ふつう」の人生が、心身の不調により、急にゲームオーバーになったこと。 思うようにいかない心と体。なんとか保っていた「自分」がすり減り、ついには、ぱたりと動かなくなってしまった。今までどおり「ふつう」を生きることが、難しくなってしまったのだ。 ひとしきり絶望して、もう落ち込むことにも飽きた頃、こう思った。 この生き方も、今ある関係性も、背負っているものも、すべて一度、まっさらに。

働くことは「どうありたいのか」の表明

「わたしはとても好きだけど、嫌がる人も多いだろうな」 というお気に入りのカフェが、いくつかある。 「私語は控えめに」「写真は手元のみ1枚だけ」など、どこも小さなルールがいろいろとある場所。そういうカフェのテーブルの端にはだいたい、ここでの過ごし方を長々と記した冊子が置いてあったりする。 カフェってたぶん、圧倒的におしゃべりしに来る人が多いと思う。今の世の中では、スマホで写真を撮ることも当たり前になっている(もちろんわたしも撮る)。それらを制限されるだけでも、人によっては

引き寄せてるんじゃなくて、選び取ってる

「夢を描こう」とか「夢は叶う」みたいな、陽の空気をまとってまっすぐ健やかに進んでいく人達が、すこし苦手だった。 というよりも、ひねくれ人間不信満載で生きてきた自分にとって、そういう言葉は眩しすぎて、「さあ、あなたも一緒に!」と手を差しのべられた日には「自分はちょっと大丈夫です……」と目を伏せて一目散に逃げてしまうような。 成功した快活な大人達は「3年後や5年後のビジョンを持とう!」と声高に言う。けれど、わたしには3年後や5年後のことなんてわからない。ましてや1年後自分がど

「誰かの暮らし」に憧れるのは、もうやめた

「これが幸せな暮らしなんですよ」という "正解" が、これでもかというほど世の中に溢れてる。 良いホテルのような広々とした家での暮らしが描かれるCM、凛とした器が並ぶキッチンを特集した雑誌、YouTubeから流れてくる丁寧な暮らしの動画。 とてもとても影響を受けやすいわたしは、「いつかわたしもこんな暮らしを」と夢見ていたし、それを叶えることはわたしにとっての幸せ……のはずだった。 はずだった、というのは、ここ1年でわたしの頭に「あれ、なんかちょっと違うのかも」という実感