マガジンのカバー画像

頭のなかにある思考のエッセイ

145
自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

みんなと違う ≠ 仲間外れ

眠れない夜。 薄暗い部屋の天井を見つめ、自分だけが世界から取り残されたような気持ちが芽を出す頃、ふと思い出すのは、保育園の「お昼寝の時間」のこと。 * お昼寝の時間が、とても苦手だった。 喘息持ちだったわたしは、ほこりっぽい保育園の床に寝そべると、コホコホと咳が出てしまうのだ。みんながすうすうと寝息を立てるなか、一人だけ目が冴え、わたしだけがこの世界に取り残されているような寂しい気持ちになる。 いつも賑やかで楽しい保育園の大部屋が、しんと静まりかえる。お昼寝の "仲

わたしの人生を豊かにしたもの

「この世にないのなら、自分でつくれば良いんだ」 その発見が、わたしの人生の景色を変えてきた。 初めて「ないならつくろう」と思ったのは、夫婦でキャンプを始めたいと思ったときのこと。 当時、アウトドア初心者の夫婦がゆるくキャンプを始めるための情報は、探しても全然見つからなかった。あの頃はまだ今ほどキャンプ人気が盛り上がっておらず、キャンプと言えば「子連れファミリー」か「ガチのソロ」が主流。初心者夫婦2人でキャンプをすることや、ゆるく楽しむための情報を発信している人は、とても

時間に追われず生きたくて

時間に追われるのが、すこぶる苦手だ。 心臓がちっちゃいのかもしれない。迫りくる時間の、ハラハラドキドキに耐えられない。急ぎの仕事やイレギュラーな案件が降ってくると、叫び逃げ出したくなってしまう。 のんびり、生きていたいのだ。 自分のちっちゃな心臓を、すり減らすことなく、生きたくて。 以前、友人達と川の近くでキャンプをした時のこと。 「テントを立て終わったら、川辺で本を読もう」 そう決めたわたしは段取り良くテキパキと自分のテントを立て、各自テントを設営する友人達より