見出し画像

女に生まれて 後ろ盾もなくて 生きるということ

閉鎖的な村に 幼少期に引っ越してきた理由は 父が家を建てたから。
縁もゆかりも無い場所に 土地を買って家を建てて
父と母は 住宅ローンを抱えて 小さい子供を抱えて必死だった。

一族郎党で固まっている閉鎖的な村には
ヨソからお嫁に来る女性は居ても 婿に来る人は滅多に居ない。
親戚・縁者も無い場所に 土地を買って家を建てるなんて有り得なくて。
600年以上前の古文書があるらしいから 優先されるのは一族という繋がり。
血の結束、とか言うらしい。八つ墓村か?
同じ苗字ばかりで 誰が誰だか 全然 分からないのが当たり前。
互いの家名(屋号)で呼び合うのが通例。

だから
縁もゆかりも無いという事は
守ってくれる一族が居ないということで。
「お前は女だから 石投げて良いって。」
「お前は 俺たちの一族じゃ無いから、殺しても良いって。」
「お前を殺しても 俺たちの一族が揉み消してくれるから 大丈夫だって。」

女に生まれたから 殺されても良い?
女に生まれたから 石投げて 殺されろって?
殺したやつを揉み消せるほど、お前の一族は 権力があるって?

ここは男尊女卑の外国か? ツッコミどころ満載やがな。
殺されてたまるか!
そう思いながら過ごした幼少期。
足の遅い私は 逃げても逃げても追いつかれて
石を投げられたり 田んぼに落とされて泥だらけになったり
糞尿を掛けられたり蹴られたり殴られたり。
レイプされなかっただけマシ、なんて言えないくらい
本当に 体も洋服も 心もボロボロになってた。
忙しい父と母は 傷だらけになって帰ってくる私に
「そんなに あちこちで 転ぶんじゃ無いよ」
としか言わなかったのは 本当に 私が何をされていたかを知らなかったから。
痛ぶった奴らは半分死んで、半分は村を出て 残っているのは たったの2人。
その2人には 娘だけが居て 私を見て 青い顔になった。
「忘れてないわよ。孫の代まで言ってあげるわ。」と
耳元で囁く日も 遠く無いだろうな。

そんな村に、私は
父と母の家ではない 自分の家を建てて 世帯主になっている。
女が世帯主になるという事は 村では異常事態らしい。
すぐに難癖を付けて来る輩がいる。今日は いきなり電話だ。
しかも「俺は ◯◯役の長だぞ。俺に逆らうとは どういう事だ?」という。
「逆らってなんぞ居ません。
 私が どうしてそれを引き受けなくてはならないか、
 理由を お聞きしているだけです。」
「黙って従えば良いのだ。俺は長なのだから!」
「いえ、従うとか従わないの話では有りません。
 村の仕事を頼む、頼まれるというのは きちんと取り決めがある筈です。」
「いや、俺が決めたのだから、俺に従え!どこの馬の骨か分からん奴め!
 女の癖に 口答えするな!」

今日は 流石に 何かがブチっと音を立てて 切れた。
血管だったらマズイな、と思いつつ スマホのボイスメモで録音をした。
証拠は残った。夫にも聞かせた。
夫は直ぐに 「それでも 穏便に済ませるべきだ」と言いやがった。

ふざけんな。

「女の癖に? 口答えするな? どこの馬の骨か分からん奴?」
女に生まれたことは 変えようが無いことで 私の責任じゃござんせん。
口答えじゃなくて、理路整然と 話し合いをします、と申し上げてるじゃ
ござんせんか。
どこ馬の骨かって?実家は そこにあるし、アンタさんも知ってまっせ。

長なる人の前任者に
「引き継ぎは 文書できちんと行われていないのでしょうか?」と
メールを打った。
「新任者に脅されました。とても残念です。証拠もあります。
 どう対処したら良いか、私も組織として動く長なので、
 検討させて頂きます。」
メールの内容もスクショで証拠として残した。

もう泣き寝入りはしない。ずっと戦ってきた。
少なくとも 私の味方になってくれる友達も 組織もある。
村の中で、私の味方は かなりの割合になっている。
だから これからも戦う。理不尽に屈しないように。
そして私は 自ら死を選ぶような事はしない。
守るべきは 我が子だし。自分の命だし。
このご時世に 男尊女卑より酷い話があるもんか!

この50年間に 私が知ってるだけで 3人のお母さんが命を絶った。
私が子供の頃に1 人。高校生の頃に1人。大人になってからも1人。
そんなの、理不尽すぎる。
だから 最近も PTAで一緒だったお母さんが 突然 失踪した時
「死なないでくれて良かった。逃げてくれて良かった」と心底 思った。

男だから、なんだと言うのだ。
男は可哀想な生き物だから 優しくしてやらないと?
誰が どの口で言うのだろう? 
男に生まれたってだけで、尊厳が与えられて 当たり前?
男に生まれたってだけで、恵まれていて 当たり前?
それなのに、まだ 女を妬んでるって言うのかい? バカじゃ無いのか?
頭の悪い自民党議員みたいなこと、言うんじゃないよ。

新規の長に「どこの馬の骨、とか言いましたけど 私の実家は◯◯で、
そちらさんも懇意にして下さってたと聞いていましたが。
違ったんですねぇ!失礼します!」と言ってやった。
「え?あ?え?」
言葉にならない相手の電話を ガチャリ!と切った

サポートありがとうございます。自分の時間をゆっくり作り出すために、遠慮なく使わせて頂きます🙇‍♀️。