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「コミュ障だからフリーランスになりたい」とか寝言を言っている君へ

「会社に就職したくないんです」

目の前に座った、とってもおとなしそうな学生さんは、はそう言った。

「私、コミュニケーション苦手だし」
「旅行は好きなんで、個人事業主としていくつかお仕事しながら、世界を旅するように仕事したいんです」

そんな夢のあることを言いながら
私の仕事を手伝ってみたいと飛び込んできてくれた彼女に
(個人事業主って大変だけど)頑張ってほしいな、とその時は思った。

でも。
お試しで、と仕事をお願いした当初、
やる気満々で返事は良かったものの
伝えた〆切ギリギリに全く使えない資料が送られてきて
なるべく厳しくならないよう配慮しながらも、内容を指摘したり、直しをお願いするたびに
当初のキラキラした「なんでもやります✨」という勢いはなくなり、即レスだった返信は途絶えがちになった。
そのうち、LINEのアイコンやコメントが
落ち込んでいることを匂わせるものになり
反応は悪くなり、仕事の連絡を
「未読スルー」するようになった。

仕事をブッチするとかはなくて
締切日に「作業終わりました」と提出はされる。
(だから、巷で聞く「ヤバイフリーランス」に比べたらよっぽどちゃんとしていると思う!)

未読スルー。
若い子の間では、LINEを既読にしてしまうと
返信しなければならないという強迫観念?から
通知画面で文面だけを確認して、返信できるときに
既読をつける、という文化があるとか…

正直、仕事でそんなことしないでくれ、と思った。

だってそれ、自分の都合でしょ?

仕事の依頼をしたら、まず、了解なのかなんなのか、締め切りまでにできそうなのか、作業内容を理解したのか…一言返事は欲しい。

でも、そこまで言う気になれず
その後、私が継続の依頼をすることはなかった。

ここ、学校でも、リモートの登録制バイトとかでもないんだ。
私はあなたに個人事業主の練習としてお仕事をお願いした。
個人事業主としてやっていくにも、会社と同じかそれく以上に、報連相、コミュニケーション、必要なんだよ。
そのほかにも仕事していくのに必要なことって、山ほどある。

正直、プロには程遠い技術のあなたに教えたいことはたくさんあるのに、優しく伝えても、否定されたと感じるのか落ち込んでしまう。
そんなんでは、個人事業主、無理だよ。
世の中の色々を勉強するために、一回社会人やってみたほうがいい。

そう言えばよかったかなぁ。



結局はどこに行っても社会性とコミュニケーションがある奴が勝つ、という不都合な真実


先日、フリーランス仲間の野良スナフキンさんとやっているXのスペース(音声ライブ配信)に、ゲストとして猫山課長が来てくださった。

Xのフォロワー1万人越え、noteのフォロワーも4千人近い。
知る人ぞ知る、大人気note作家さんだ。

現役の銀行員、本部の課長でありながら、社内で初めてかつ唯一の副業許可を取り、不動産事業のほか、note作家として商業出版や連載のお仕事にも繋がり、最近はnoteメンバーシップ(有料)化し、そちらも好調とのこと。
(メンバーシップ記事、特に「ディーププラン」で更新されるコンテンツ、めちゃくちゃ面白い。役立つ。私はサブスクの中で一番登録してよかったと思えるレベルなので、ぜひ登録してほしい。)

スペースでは、猫山課長が副業を成功させているロジックについてお話を伺った。

note事業の成功には、徹底的な継続、ターゲットを想定した内容と行動に加え、彼の人生経験全てが生きてくるエピソードに、また読みたいと思わせる文体…

正直、ノウハウだけで他人がマネできるものではない、再現性のないものなのだとご本人もおっしゃっていた。

スペースまとめ!描いてみたよ

でも、このまとめの右下を見てほしいんだけど

副業(個人事業)を成功させるのに大切なのは

社会性とコミュニケーション。

約束や〆切を守ること
挨拶ができて、レスポンスが早いだけでも
信用は爆上がりする。
(それだけできていない人も多いってこと)

加えて、仕事の相手は雑誌の編集者であったり、企業の営業担当者であったりする中で

「相手の状況を想像しつつ、1聞いたら10理解して、相手にとって有益な仕事をしてくれること」

は、作品のクオリティ以上に「もう一度この人に仕事を頼みたい」と思える材料になる。
これは、教養とコミュニケーション能力だ。

社会人としての基本的なマナー
他者に配慮する力
お金や事務の流れの基礎
目上の人や外部の人との関係の築き方

そんなことを教えてくれるのは、やはり会社だ。

猫山課長は「そういう意味では、銀行員は徹底的に社会人としての基礎を叩き込まれるので、おすすめ」と話す。

私自身も、一般企業と公務員を経てフリーになったが
8年間の勤め人経験なく起業していたら
とんでもないモンスターになっていたと思う。

フリーだろうが会社勤めだろうが
「仕事」だから。
必要なことって変わらないのだ。


社会性もコミュ力もないですよオワタオワタ、と絶望しなさるな


私は頑張ってもそんなことできません、という方、勘違いしないでほしい。

コミュニケーションという言葉には、誤解が多すぎると思う。
コミュニケーションができるって、ハキハキスラスラ話せることではないのだ。
口下手でもいいし、シャイでもいいのだ。
「相手がいることを忘れない」
それだけだと思う。
「これを確認しないと、相手が困るかもしれない」と想像すれば、自分都合で未読スルーしたりはしないだろう。
うまく言わなきゃとか、こう思うかもしれないから返信できないとかやってる人は、コミュ障じゃなくて自分のことしか考えてないだけです。

社会性という言葉だって、曖昧だなと思う。
「社会不適合者だから…」と言って起業してなおかつうまくいく人の
「社会不適合」って、決まった時間に起きて出勤できないとか、書類が出せないとか、そういうものじゃないかと思う。(発達障害などのお話は、ここでは触れません)
それって「会社のルール」に合わせることが難しいという話で。
フリーになれば、自分の予定の時間に間に合うように起きればいいし
仕事だって、8時間働かなくたって最終的に終わればいい。
(能力が高く、周りに認められている前提だけど)究極、結果が出ればなんでもいいのだ。正直。


人と同じが無理だから社会性がないとかコミュ力がない、という話ではない。

でも、常識と言われている振る舞いと違う点が多ければ多いほど
誤解は生まれやすく、生きづらいとも思う。だから、会社勤めより、フリーの方がやりやすい人は多いと思う。

私もそう。もう一生通勤したくない。

自分で考え選びとる力


じゃあ結局、自分でお仕事を成り立たせていくのに何が必要なんだろう、と思うけど

「自分の人生の責任を、自分で取ると決めること」

だと思う。

私たち日本人は「自分で考えて選んでいい」ということを忘れすぎている。忘れるように教育されている。
人に言われたルールを守ったり、空気を読んで叩かれないようにするのは得意。

でも、その空気の中で生きていると、受け身で無責任になっていく。

猫山課長に「どうして、就職先に銀行員を選んだんですか?」と伺った時

「当時の自分にやりたいことはなかったけど、いつか独立したいとか、やりたいことができた時に、金融機関で働いていて、お金に詳しいというのは強みになると思った」

とおっしゃっていた。

ねぇ。
こんなふうに、自分の人生の先を見て選んでいいし、仕事で学んだこと、活かしてやるぞって思っていいんだよ。

そして

「決めたからにはガチでやる。会社員がまともにやれないのに、副業で成功するはずがない」

と、本業でも出世されている。出世するということは、相手の役に立つ働く仕事をちゃんとしたということだ。

自分の人生のために
人の中で生きていくと決める。
できることを全うする。
その生き方を自分が選んでいると自覚している。
自分との約束を守る。
それをやり切っているから、うまくいってるのだ。



コミュ力がないからという理由で選んだ生き方で、思ったのと違う出来事が起きて落ち込んで逃げるのは、自分の人生の責任を取る気がないからだ。

誰かがなんとかしてくれると思っている。

コミュ力ないと思うなら、ない自分で生きる方法、探しなよ。本気で。
エリートになるとか、一人で生きていく方法じゃないよ。
自分のできない部分を認めて、人に打ち明けたり助けてもらったりする力だってそう。
一回学ぶために、と割り切って会社勤めしてみるのだってそう。
その度に失敗もあるよ。悔しいことだってある。
自分で責任を取れば取るほどね。

でも、
怖くても、失敗しても
自分の人生を自分で選択して生きるのが幸せだと私は思うよ。


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