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マスコミが「解明」とは片腹痛い! テレビ・新聞は事件の「しゃべり場」         

加害者を「劇場化」する報道

和歌山市の岸田首相暗殺未遂事件に関する報道をみるにうんざりします。コメンテーターなる無定見な人々が織りなすプロファイリングもどき、容疑者のモチベーションにスポットライトを当てるといった報道スタイル。要人テロを起こすとヒーローになれる、何かを遂げた者として扱いを受ける、さあ続けとテロ啓発のように見えます。

なにしろ自己啓発へ傾倒しがちな昨今、マスコミによる究極の自己啓発!

「キミもテロリストになって主人公になろう!」

これですよ。なにしろ安倍元暗殺事件の山上徹也被告は映画まで制作してもらったし本懐というものでしょう。

親族追い回しで何が分かりましたか?

祖父母攻撃は定番。

それからもう加害者の親族追い回しの刑も再考の時期に来てはいませんか。読売テレビが木村容疑者の祖父を直撃していました。

爆発物の蓋か、60m先コンテナ壁にめり込む “首相襲撃”事件 容疑者の祖父「皆さんにご迷惑を…」


居住地などは記事では判明しませんが、和歌山市民からは

「スクーターのナンバー仕様で和歌山市とバレバレです(笑)」

と指摘する声もありました。見る人が見たらこのニュースは「親族はここにいるぞー」という内容のようですね。

岸田首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、爆発した筒のふたとみられる部分が、約60メートル離れたコンテナの壁にめり込んでいたことが分かりました。木村隆二容疑者は15日、和歌山市で、岸田首相が演説する直前、爆発物を投げ込み演説を妨害した疑いで逮捕されました。爆発物の本体とみられる筒のようなものは、40メートルほど離れた場所で見つかっていましたが、関係者によりますと、筒のふたとみられる部分が現場から約60メートル離れたコンテナから見つかっていたことがわかりました。コンテナの壁にめり込んでいて、警察は18日に押収しました。聴衆の上を飛び越えたとみられ、警察は爆発物の威力を詳しく調べています。
事件を受け、木村容疑者の祖父は―。
 木村容疑者の祖父
 (Q.どんなお孫さんだったでしょうか)
 「おとなしい。ものすごくおとなしかったよ。みなさんに大変ご迷惑をかけたのは十分思っています」
 木村容疑者は雑談には「はい」「いいえ」と答えているものの、事件に関しては黙秘を続けているということです。

このやり取りで何か報道的な成果はあったでしょうか。こういう回答があるのは十分、予見できることです。カメラを前にベラベラと話すはずがない。

おそらくこの加害者祖父が自民党の支援者だと聞きつけたのでしょう。そこに関連性を見出して、公開晒上げだと思われます。

かといってテロの動機とは無関係だし、そもそもマスコミの「解明」とは何をもって、どういう形をもって「解明」としますか。

特定団体の公金の流れすら「忖度」してしまうマスコミに残念ながら複雑な人間の心理など解明できるはずがない。

もうプロファイリングごっこに、親族晒上げはおやめになってはいかがでしょうか。ただのしゃべり場なんです。NHK『真剣10代しゃべり場』で10代のよく分からない価値観を聞くのはまだ興味深い。

でもコメンテーター、ジャーナリスト、評論家、その他有象無象の独自意見のご開陳は残念なしゃべり場なんです。そしてみなさんは第3のテロリストの啓発者としか思えません。また同種事件が起こらないことを祈ります。


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