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♯144 番組改編

テレビ業界において4月は番組の改編期に当たります。

で今回は特に番組のリニューアル率が大きい気がして
イコールこの状況は業界の苦悩を露呈する
証左であるとも言えるでしょう。

とりわけ目立つのは大物と言われる
MCの勇退が相次いでいる事で
関口宏、タモリ、草野仁に黒柳徹子。
また大阪のラジオでは浜村淳さんが降板されます。

まあそれぞれの番組改編に対して局は
それなりのコメントを出していますが
主たる理由は大物タレントのギャラが払えない事。

周知の通り国内におけるメディアの状況はネットの台頭で
オールドメディアが軒並み低調となり
今では新聞、雑誌、テレビ、ラジオの4媒体合わせた売り上げが
ネットに届かない状況に追い込まれています。

こうなると必然的に番組に投下される制作費は削減され
効率を求められる事から番組の進行役は大物から
局のアナウンサーや安価な芸人などにシフトし画面を見ただけで
クオリティがキープ出来ていない事がはっきり分かります。

またネタについても昔の様な大掛かりで斬新な企画は難しく
タレントが街でぶらぶらしたりグルメを紹介したり。
そしてNHKまでもが参入する事になった生ワイド番組は
これが一番出銭が少なく済むしダラダラと時間を延ばせます。

民放における収益システムは開局以来70年間
全く変わっていないのでそろそろ陰りが見えて来ました。
とりわけ濡れ手に粟のスポット広告において売り上げが激減し
あぶく銭と言われたここの減少が経営に大きな影響を及ぼしています。

中でもTBS系列とフジテレビ系列はこの落ち込みが顕著で
この数字は視聴率とも直結していますから
よってスポンサーも離れて行く悪循環。

民放にとって放送の優先順位はCMでありこれは飯のタネですから
その後に番組が位置しているのでいわばCMの合間に
番組が放送されているという構図です。
この点について局は表向き公言出来なくてもこれが実態。

従ってコマーシャルを放送する事によって経営が成り立つ民放は
そのコマーシャルの出稿が減って来れば当然
経営が逼迫して来て経営基盤が揺らいでくると
必然的に筆が曲がってしまう事になります。

既に地方局を中心に通販番組があふれかえり
中には番組なのかパブリシティーなのか
良くわからない番組も多々ある現状
さて民放の将来はどこに行きつくのでしょうか?

TBSのサンデーモーニングは番組は続くようですが
関口宏さんは勇退される事になりました。
終始左に傾いた内容の番組でしたがそれを貫き通したのも立派。
いずれにしても36年間6ヶ月お疲れ様でした。


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