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50年前の早池峰のウスユキソウ

露出オーバーで、白くとんでしまっているが、初夏の早池峰に登った時に撮った「ハヤチネウスユキソウ」だ。
早池峰は、今のように監視員もいないし、盗掘し放題で、大きな話題になっていたが、具体策はとくに無かった。
当時は、ロープも無ければ、駐車規制もないから、夜に車で来て一株ごそっとかっぱらうので、通っている人には、無くなったことにすぐ気付く。
さすがに目の前で盗掘している現場に会ったことはないが、気に入っていた場所の花が無くなっていると、腹は立つし悔しいし、やりきれない思いで諦めるしかなかった。

晴れていれば太平洋が望める
手軽に登れるので登山者も多い


昭和40年代は、日本中の山が無法地帯だっのかもしれない。
川という川に林道を通し、山奥の樹齢三百年以上のブナをばっさばっさ伐採していく。
なだらかな山は、放牧用に山ごと開発して、さらに大規模林道を通したり、したい放題・やりたい放題の、昭和の悪代官の様相だった。
さらに大規模な伐採や開発をすると土砂が流れるので、砂防ダムを次々につくり、岩魚も鳥もいなくなった。
高山植物帯に、牛を放牧して、登山者を驚かせたのもこの頃だ。
そんな最悪期に山登りをしたので、放置を続けた行政に対して厳しい視線を投げるのは、当たり前のことだ。
あれ、今日は社会派のルポみたいになってしまった。

人がたくさんいて、規制がたくさんあって、花まで遠くなってしまって、早池峰は遠い山になってしまったのは、間違いない。

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