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今日のレコード「サンタナのロータスの伝説」

1973年7月7日、花の東京は武道館にいた。
初のサンタナ来日ライブが見られる。
なぜサンタナを聴くようになったのか記憶はないが、とにかく好きだった。
アルバムも揃えて、針が擦り切れるほど聴いた。
必死で手に入れたチケット。
まだ早かったが、会場に入った。
おおお、目の前をホセ・チェピートが歩いて、笑顔を振りまいている。
もう少しこっちに来れば、握手ができたのに残念だった。
散々待って、ようやく開演。
それから終演までの記憶がほとんどない。緊張と安堵感。
アリーナ席と言いながら、遠いからよく見えないし、サンタナってもっとパワフルで凄みのあるステージだと期待しすぎていたので、意外に上品というか、なんか残念だったような気がする。
サンタナより、まわりの熱狂的なファンの興奮が凄かったのは覚えている。
疲れ果てて、夜行に乗って翌朝駅に着いたときは、ぐったり。
そんな記憶しかなかったが、翌年にライブ盤のレコードが発売された。
なんと3枚組。ジャケットは横尾忠則デザインの22面体なんちゃらとかで、知り合いのレコード店に予約して手に入れた。
録音は大阪公演なので、リアルに聴いたサンタナとは微妙に違うが、それでも大興奮だった。
あれから50年。
二十歳過ぎたばかりの青二才は、孫の居るじいさんになっちまった。
若い時の、夢中になったサンタナのレコードに針を落とす。
真冬なのに熱くなるぜえ。ちょうど半世紀前の真夏のライブだ。
ホセが叩きまくり、サンタナを煽る。
青い春が、汗となって飛び散った。

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