バルサになりたい。

【毎週火曜更新・時間堂、年商1億プロジェクト16】ごきげんよう、時間堂P大森晴香です。12月も半ば、今年のトピックを探して三千里。

演劇制作会社Nextで、「2015年を振り返る!今年いちばんのニュース/チャレンジ」コメントを募集しているそうです。もうすでにTwitterでは共通ハッシュタグで#2015年舞台トピック/#2015年自分ハイライトの投稿がちらほら。私も参加したーい。でもまだこれ!っていうのが思い浮かんでないなぁ。もやもや。

さて。

先週に引き続き、お金の話をします。FCバルサになりたいって話の続きです。先に言っておくと私はサッカーについてぜーんぜん詳しくないです。バルサにいる選手をひとりも答えられません。私がバルサに憧れてるのはスター選手がどうとかではないのです。その運営組織がすげぇ!なのです。

プロサッカークラブの経営と言われて、私は「企業や富豪がスポンサーになってお金出してるんでしょ」「スポンサーにとっては広告効果とか企業イメージ向上とかでやってるんでしょ」くらいに知ったかぶっておりました。ユニホームにロゴを入れて、スタジアムに企業名をくっつけて。あとは地域貢献とか?スポーツ文化の推進とか??経済効果???とかで、地方自治体なども誘致したりしてるんでしょうねー、きっと。と、妄想していたんですけどね。

バルサはソシオのものなんだそうです。

え。ソシオってなんですか。オーナー企業の名前???

…なんと、サポーター組織なんだそうですよ。世界中に十何万という「ソシオ」会員がいて、年会費を払ってバルサを支えているというではありませんか。それも、ただお金を払うにとどまらず、「会長選挙権」を持っている、つまり、チームの経営だとか業績だとかに口を挟む「もの言う株主」みたいな存在なんですって。知ってました?皆さん。私はびっくりしましたよ。

わーこれ、文化芸術にも採り入れたーい、どうしたらいいのー?となっています。にわかに「ファンドレイジング」とかググったりしております。流行りのクラウドファンディングには、以下の特徴があって、活動が同時平行で複数走っている劇団には適合しにくいのです。

①プロジェクト=有期のためのもの:公演や映像制作など、期間が決まっている活動を支援するものですが、劇団活動に期限はありません。
②ひとつのプロジェクトに対するもの:当然ですが、「公演のために!」といって集めた資金をスタジオ家賃に使うことはできません。
③リターンを用意するもの:リターンの設定が不可欠ですが、ものがほしくて支援するんですかねぇ???

特に、③がひっかかっていてですね、私は。応援している人からなにかプレゼントがもらえたら、それは嬉しいと思います。でも、リターンがもらえるから支援する人って、そんなにいますかねぇ?だって私がサポーター側だったら、リターンを作ったり考えたりしている時間と労力で、もっといい作品つくってよ、と思ってしまうんですよ。

前回、受け取ってくれてありがとう、と、お金をくれてありがとう、が両立する仕組みをつくりたい、と書きましたが、つまりもうちょっと具体的に書くとこういうことです。

お客さん→時間堂:おもしろい演劇を作り続けてほしい
時間堂→お客さん:おもしろい演劇をつくることで応援に応える

相思相愛に思えるのは私の錯覚でしょうか。幻想を見ているのでしょうか。

バルサのソシオが成功しているのは、「すばらしいサッカーをやってほしい」からお金も口も出す会員たちがいて、バルサはそれに対してサッカーで応えているからだと思うんですよ。ピンバッヂとか招待席とかも魅力的ですけど、いちばんは、素晴らしい試合をするってことですよね。

この方法を演劇でやってるところはないかなーと見回した時に、たぶん、いちばん近いのは王子小劇場やこまばアゴラ劇場がやっている「支援会員制度」だと思います。会員は、年会費を払って「おもしろい演劇に出会わせて」と期待して、劇場は「責任もって事業で応えます」ってスタイルです。どちらもリターンは「劇場でかかっている演劇を観られること」で、無料で観られるメリットも大きいですけど、それ以上に、「ここの劇場はきっとおもしろいラインナップを提供してくれるぞ」ってのが重要だと思うのです。劇場がゴージャスになることよりも、無理なく持続可能な状態で高品質な作品をかけ続けてくれることの方が、ずっと大事なことだと思って会費を払うんじゃないかと思う。

時間堂は小さな劇団です。王子小劇場やこまばアゴラ劇場と同じやり方をそのままやるのは無理があるでしょう。まして、十何万人も会員がいるソシオをいきなり目指すのは無茶だとは思います。が、数は少ないだろうけれど、時間堂の作品を待っていてくれて、私たちがもっともっとおもしろい演劇に邁進することを喜んでくれる方々はきっといる。

まだ、具体的にどう始めたらいいのかが確信が持てていません。とにかくいまは、ファンドレイジングについて圧倒的に知識と経験が足らないと自覚しています。8年前、当時の上司に「いつか演劇の仕事がしたい」という夢を語ったら、「大森はファンドレイジングを勉強したらいいよ」と言われました。完全にぽかんでしたが、今になってキーワード急上昇です。すごいな、預言者だったのかな。

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…年内にはある程度やること決めて動きたいものです。今年の目標。あと半月だなー。

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年末のプレビュー公演、トークイベントが決まりました。とても夢が広がるゲストの皆様です。私が一番たのしみじゃい。ご予約は、各回の日程をクリックするか、こちらから

時間堂 レパートリーシアター プレビュー公演

2015年12月28日(月)、29日(火)@toiroan 十色庵

演出:黒澤世莉

すべての回で『ロミオ中止』作:黒澤世莉を上演します(出演者は当日発表)

28日(月)19:00
『いちごの沈黙。』作:鈴江俊郎 出演:直江里美、尾崎冴子、國松卓

◆「演劇のための場所を創る」
村上厚二氏、山本晃子氏(いずれも百景社所属の俳優/茨城県土浦市にアトリエを構えて活動中)

29日(火)11:00『巨大なウェディング・ケーキ』作:谷川俊太郎 出演:菅野貴夫、ヒザイミズキ

◆「toiroan 十色庵のつかいかた」 
越寛生氏((劇)ヤリナゲ主宰/昨年10月に公演で、今年9月にリーディングで利用)
坂本鈴氏(劇団だるめしあん主宰/来年2月に公演で利用予定)
保坂萌氏(ムシラセ主宰・ごはん部部長/今年11月にごはん部としての公演で利用)

29日(火)16:00

『熊』作:A・チェーホフ 出演:阿波屋鮎美、松井美宣、穂積凛太朗

◆「世界の演劇Night★」
秋月準也氏(翻訳家・北海道大学大学院博士課程在籍中 専門はロシア文学)
Ellis van Maarseveen氏(オランダ出身の俳優、舞台演出家、俳優指導者 オランダ・日本・イギリスで活動)※通訳として、 Kai Hoshino Sandy氏(俳優)にもご参加いただきます。

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この記事をお読みくださってるかたとお話したい欲求に駆られています。ぜひ十色庵へお越しください。あるいは私も会いに行きます。先述の上司は、入社ほやほやのひよっこ新入社員だった私にこんなことも言ってくれました。

本やネットはたくさん情報をくれるけど、ひとの思考をジャンプさせてくれるのはひとだよ。

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