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SFの新たなジャンルを築いた名作

自分にとってSF(サイエンス・フィクション)は単なるエンターテインメントを超える意味を持っている。
今も現代の我々に勇気を与える名言「人間が想像できることは人間が実現できる」と言ったのは確かH.G.ウェルズだと思ったが、SFは人間のイマジネーションのフロンティア(最前線)であり、物理学の進歩に欠かせない仮説の構築にも資するし、新たなテクノロジーの生みの親ともなっている、人類の進歩をドライブするものであるとみなしてもいる。

雑誌kotobaの2017年秋号の特集には、各界の有識者が読むべき10冊をそれぞれ挙げているが、SFについては書評家の大森望さんが、「SFの新たなジャンルを築いた名作の本棚」として、必読の名作10冊を挙げている。
自分はこの中のいくつかは読んでいるが、読んでいないものもあり、早速Amazonで購入して読んでいる。

以下、大森さんが挙げた珠玉の10冊である。特に「あなたの人生の物語」は読んでみたい。

『フランケンシュタイン』メアリ・シェリー著、森下弓子訳(創元推理文庫)
https://amzn.to/2G5dPZX
ホラーと思われがちだが、実は科学技術の暴走を描く近代SFの嚆矢(こうし)。

『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス、伊藤典夫訳 (ハヤカワ文庫SF)
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変貌した遠未来世界を幻視し、椎名誠や貴志祐介にも影響を与えた。

『タイムマシン』H・G・ウェルズ著、池央耿訳(光文社古典新訳文庫ほか)
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時間旅行という古来の人類の夢に“航時機”という形を与えた。

『結晶世界』J・G・バラード著、中村保男訳(創元SF文庫)
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外宇宙から内宇宙への転進を説くニューウェーヴSF提唱者の代表作。

『幼年期の終わり』、アーサー・C・クラーク著、池田真紀子訳(光文社古典新訳文庫ほか)
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異星人とのファースト・コンタクト、人類の進化のヴィジョンを描く。

『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン著、黒丸尚訳(ハヤカワ文庫SF)
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ブームを起こし、現代SFのモードを変えたサイバーパンクの頂点。

『ソラリス』スタニスワフ・レム著、沼野充義訳(ハヤカワ文庫SF ほか)
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人間に理解できない異質な知性をリアルに構築し、SFを革新した。

『万物理論』グレッグ・イーガン著、山岸真訳(創元SF文庫)
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宇宙のすべてを説明する究極の科学理論がもたらす衝撃の未来。

『あなたの人生の物語』テッド・チャン著、浅倉久志ほか訳(ハヤカワ文庫SF)
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現代SFの頂点を極める短編集。表題作は映画「メッセージ」原作。

『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン著、小尾芙佐訳 (ハヤカワ文庫SF)
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両性具有の異星人との旅を通じ、性差と異文化を正面から考察する。

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