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【読書メモ】生命とは何か

子供の頃から岩波文庫の大ファンである。

今でも良著を読もうと思ったら書店でまず岩波文庫の棚を見に行く。

自分の基本方針として、書物に関しても芸術に関しても「時の試練を受けていないものには時間を使わない」というのがある。

岩波文庫はいずれも古今東西の名著とされるものばかりであり、その意味では既に時の試練を受けている。

今回久しぶりに購入した書はシュレーディンガー著「生命とは何か」である。

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫) 文庫 – 2008/5/16
シュレーディンガー (著), Erwin Schr¨odinger (原著), 岡 小天 (翻訳)

https://amzn.to/2Xt3OR5


著者はもちろんあの、量子力学で使われる「シュレディンガー方程式」に名を残す偉大な物理学者である。

この本は、シュレーディンガーの講演を記したものである。

Amazonサイトでの内容説明にはこうある:

「量子力学を創造し、原子物理学の基礎をつくった著者が追究した生命の本質―分子生物学の生みの親となった20世紀の名著。生物の現象ことに遺伝のしくみと染色体行動における物質の構造と法則を物理学と化学で説明し、生物におけるその意義を究明する。負のエントロピー論など今も熱い議論の渦中にある科学者の本懐を示す古典。」

 

講演の冒頭で彼はとても重要なことを既にこの時に記している。

曰く「●●(ネタバレ回避)」

そう。学問は極度に専門分化している。「学際的」ということが一層重要になっているのであり、彼はこのことを既にこの時点で強く認識し、あえて専門外である生命について話しているのだ。

偉大な人の言葉は時代を先取りしている。

そして「学際的」なものの見方、そしてそのような見方ができる人材の価値はますます高まりこそすれ低くなることはない。今後も。

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