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通信大手も参入してきたメタバース

「DOOR」は、NTTコノキューが提供する仮想空間プラットフォーム。

基本的にメタバースプラットフォームの多くはSpokeかUnity又は簡易なテンプレートをベースに3D空間が構築出来る自前のアプリかブラウザ上のシステムを利用して誰でもがそれなりの空間を作れるようになっています。
仕事でメタバース空間を作っている実務者はそれに加えてそもそものオリジナル3Dモデルを作るためのアプリケーションであるBlender、Maya、Cinema4Dなどを利用しています。

WEB3.0といわれている流れは現状のSNSがメタバースと融合し、3D空間の中でアバターを使って交流が行われていくという概念です。SNSはIT世界としては動画が見れるようになった等些細な進化程度で抜本的に進化したとは言い難いですね。所謂電子版の伝言ボードという形態自体は何十年も前から変わっていません。かといってメタバースが多くの人に利用されているかというとそれも微妙です。FortniteやApexにみられるMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing)はメタバースの一種でゲーミフィケーションであると云われる方も居ますが、メタバースもフォートナイトもやる僕的にはこれらは全く違うし、交わらないと考えています。制作側の視点でゲーミングエンジンを比較するとフォートナイトのUnreal Engineはゲームに特化しているためUnityよりも簡単な操作でかなり精巧なゲームが作れます。操作方法は似ているようで全く違うので頭を切り替えないと最初はかなり混乱します。利用者側の視点ではフォートナイトは相手を倒していくというある種、中毒的な要素で利用者が沼にはまっていく感覚です。一方メタバースは交流を通じてコミュニティが出来てそして利用者が増えていくという感覚です。

EPICゲーム社は昔からフォートナイトをメタバース化する考えを提言していますし、一方で各メタバースプラットフォーマーはゲーミングの要素を入れて利用者を増やそうと試みていますが、今の所、大成功といえる事例は少ないのかもしれません。Robloxはメタバースプラットフォームにゲーミング要素(+課金)を入れて成功してるといえるのかもしれませんが、フォートナイトのゲーミング世界における大成功と比較するとまだまだです。

そんな中、日本でもメタバースは少しづつ浸透してきてはいますが、どれだけ大手が参入しても利用者はそこまで増えていないように思います。日本のCluster、海外のVRchatなどはそれなりの利用者がいるものの、まだ大衆化しているとは言い難くイベント時以外は知り合い同士数人が各空間でお話する程度です。

おかげ様で弊社建築設計事務所ではメタバース空間のデザイン・制作の方である程度の仕事量は確保出来るようになってきましたが、その間多くの同業者が脱落していきました。どこでつまづくかのは色々でしょうが、まずは技術的な点で3Dモデリングが使いこなせるかという壁があり、次の壁はクライアントの指定するプラットフォームにうまくパブリッシュ出来るかです。このような技術的な点もありますが、経験上もっと大変なのはメタバースの現状や将来的なビジョンをクライアントときちんと共有出来て、その上で制作会議でどんな空間を求められているのかを見極めるということです。多くはメタバース自体を知らないクライアントがほとんどで、そしてクライアント的にもどんな空間を作るべきかというコンセプト自体がないので、そこからのスタートとなり、そこがかなり大仕事で地味な作業となります。

大手が次々と参入してきているメタバースですが、まだまだ産業自体発展途上であり、経済的にも成立していない現状があります。
自分自身プラットフォームによっては分からないことだらけですが、
僕の場合、分からないからやらないというよりは分からないからやってるという感覚です。そのマインドで何とか継続出来てようやく仕事になってるという現状です。

DOORに自分の作品をパブリッシュしてみましたのでお時間ある方は覗いてみて下さい。
※結構容量重めですのでスマホからは通信的に厳しいですのでPCからがお勧めです。

「二世界住宅」
Showy Famous Universe | DOOR 開け。次の世界
現代の日本住宅に住む家族、そして昔の日本住宅に住む家族がこのワールドでは上下の二世界で暮らしています。現在(下次元世界)と過去(上次元世界)は決して交わることはありませんが、二つの家族は時空を超えて同じ空間にいます。絶対に交われない切なさがある一方で、常に一緒にいる安堵感を感じているかもしれません。
同時に日本の今と昔の住宅様式を世界中の方々とこのワールドを通して共有出来れば幸いです。

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