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秘書が見ている選挙の裏側

衆議院議員選挙も中盤に差し掛かっています。選挙と一口に言いましても、都道府県や政党で大きく闘い方が異なります。バックアップしている組織が中心に選挙対策本部を形成したり、後援会が中心になったり、党員が中心になることもあります。僕も国政選挙でガッツリと中枢にいて関わるは今回が初めての体験だったのですが、僕の視点で選挙の裏側を語っていきたいと思います。


候補者は超人じゃないとなれない

衆議院議員選挙は12日間の闘いです。いわゆる街宣が許されているのが朝8時から夜20時まで。どの候補もこの時間はびっちり街宣カーを走らせます。プラス朝(始発から8時まで)から駅立ちをしたり、駅で夕立ち(20時以降)をしたりもします。その後選対本部で打ち合わせしたり、メディアの取材が入ったり、SNSの運用をしたり。え?いつ寝てんの?といつも思います。
場所や候補者によりますが、街宣車に乗っている間はウグイスと一緒に声出していますし、日に10箇所以上降り立って街宣も行います。そりゃ喉も潰れるって話です。
新人であればこれくらいびっしり活動しないと厳しいですし、本人が嫌がっても選対本部にやらされます。スタッフにそっぽ向かれたら選挙成り立ちませんからね。まさに馬車馬のようにこき使われるのが候補の役目なのです。ほんと、体力オバケじゃないと12日間なんて乗り切れないし、30代40代の候補ですらきついのに、60代70代でこれをこなしている奴ら、人間じゃない。どんな体力しているのか。まさに超人です。超人にしか国政選挙は耐えきれないのだと、この試練(選挙)をクリアしないと土台国会議員なんてやれないのだと実感しました。


選挙は人間競馬

候補のことを神輿とはよく言ったもので、実績のあるよほどの重鎮議員でもなければ候補者本人の意向なんて選挙にほとんど反映されません。若手や新人候補者は担がれる役割なので基本、選対のお偉いさん方の方針に沿って動きます。
選挙にボランティアで参加して自腹で命かけてまで活動している人がいるということはよく耳にしていてずっと不思議に思っていました。それが今回腑に落ちました。人(候補)の人生にベットして勝つか負けるか賭けているのだ、と。選挙に出ることを出馬と言うように、選挙戦はまさにレース。自分がどの馬に賭けて勝たせるのかが醍醐味なんだなと。競馬は走り出したら見ているしかできませんが、選挙は勝たせるために自分自身のこれまでの人脈や知恵や知識をフル動員して影響を与えられるわけです。社会で一定の成果を上げた人たちにはこれはたまらないですね。
実際、選挙の後は力尽きて命を落とす高齢支援者の方もいます。ものすごいエネルギーです、選挙。


秘書は実はそれほどやることがない

「秘書って大変でしょう」とよく言われます。選挙期間になると余計に同情してくれる方が増えるのですが、実は選挙期間中より公示前の方が忙しかったりします。と言うのも、公示後は主導権が候補者事務所ではなく選対事務所に移るからです。選対にはスタッフが何人も詰め、それぞれ役割分担されて組織が作られます。その組織に沿って動いていくので、秘書はいちスタッフとして、主に候補の身の回りのケアとサポートを行うだけになります。
これまでは運行も書類作成もアポイントメントも全て秘書がやっていましたが、これらは運動員が実務の中核を担っていくのです。秘書は随行員。SNSやったり人を運んだり、選対との調整をしたり、まあ雑務ですな。ただ朝と晩、候補の送迎は秘書の役割になるので、朝は誰よりも早いし夜は誰よりも遅い。うーん昼間休むか。実際、選挙中車で昼寝している秘書さんもいますね。


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