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投資銀行にいた私が "産業" を創るために起業した理由


株式会社Handiiの社長をやっている柳(りゅう)です。

株式会社Handiiは、VISAで使える法人カードを何枚でも発行できるウォレットサービス「paild」を作っているフィンテックスタートアップです。

これから事業を拡大していくにあたり「Handii」と「paild」のことを知ってもらうために、少しずつ発信していこうと思いますのでよろしくお願いします!今回は、今までのキャリアの振り返りと、なぜ起業したのかについて書きたいと思います。


自己紹介

1986年・東京生まれの32歳です。大学〜大学院時代は物質科学の研究をしていましたが、もっと広い世界を見てみたいと思い、分野を金融に大きく変えました。
そして2011年、JPモルガン証券投資銀行部に入社しました。

そこでは、企業のM&Aや資金調達などのアドバイザリー業務を行っていました。その後、2017年8月に株式会社Handiiを創業しました。この時、まだ具体的な事業のアイデアもなく、地獄のピボット期も経験することになります。


なぜ起業したのか?何を実現したいのか?

起業を通じて実現したいことは起業家ごとにそれぞれですが、私の場合は"産業"を創りたいという想いです。
私の目指す "産業"というのは、人々が「働く」→「サービスを提供する」→「対価を得る」→「物を買い、生活を営む」→「働く」という、一見普通ですが今の時代には難しいことです。
前向きなループがうまく回って、その輪が好循環をもたらし、どんどん広がって成長していくような産業を創って、世の中に一石を投じることができたら。人は前向きになれたり、人間らしさを持てたり、「この時代に生まれて良かった」と思えるはずです。


基幹産業の衰退を目の当たりに

私がこう思うようになったきっかけは、前職で電機メーカーのクライアントと仕事をした時のことです。さらに遡り、電機メーカーを「会社」として身近に捉え始めたのは、研究室の先輩が東芝やシャープ、日立などの電機メーカーに就職した時期でした。

日本で生まれ育った私にとって電機産業は、日本を急速に発展させた産業であり、豊かな暮らしの象徴でした。当時は、先輩の話を聞きながら「良いところに就職していくな」と漠然と思っていました。
私の進路はというと、大学院卒業後「色々な業界を見てみたい」という理由から、JPモルガン証券に就職したのですが、電機業界への愛着は強く、ありがたいことに電機業界の大手メーカーを担当する機会に恵まれました。

しかし数年後、かつて栄華を極めた日系電機メーカーの多くは、中国・韓国・台湾などに侵食されはじめ、かつて確かにあった日本の豊かさの象徴たる産業の姿ではなくなり、少しずつ、そして確実に衰退していくのを食い止めることしかできない電機メーカーもありました。


"産業"を創ることがこの世代の使命

この体験によって、いつしかアドバイザーではなく、自ら"産業"を創らなければならないのではないか、と思うようになりました。"産業"を創ることを通じて、前向きになれる世界を創りたい。それは、まだ長い将来を歩み、次世代に繋いでゆく我々の使命だとも感じたのです。
無理だ、と交わらない人もいると思いますし、青くさいかもしれませんが、それでこそ!とも思うのです。

そう考えて、高校時代の親友であり、同じく金融の道に進んでいた森(CTO)と、具体的な事業アイデアこそないものの、2017年8月に株式会社Handiiを創業しました。


金融業界のど真ん中をテクノロジーの力でアップデートし、新境地を切り開く


「何かしようということは決めて走り出したけれど、さて何をしようか。」

はじめは、フィットネス系のアプリを作ろうとしたり、血迷って私の好きなコーヒーで何かできないか、など1年程は彷徨い続けましたが、この時期は決して無駄ではありませんでした。「自分は何を通じて貢献できるのか?」「どのような産業を創っていくのか?」をひたすら考え続けました。


「お前は何で勝負するの?」
そんなことをVCに言われたりしながら考え抜いた結論が、金融業界にもう一度チャレンジしてみるという結論でした。金融から一度距離を置いたからこそ気づいたのは、「やっぱり金融好きなんだよな」ということです。

当たり前の事かもしれませんが、お金の流れは全ての産業に関係します。
前職で電機メーカーだけでなく多くの業界を担当し、サポートさせていただく機会があったおかげで、“ 様々な世界の景色が見える。” 
そうした特性は私の好奇心をくすぐるものでした。

一方で、金融を軸に事業をはじめようとすると、様々な規制や商慣習が立ちはだかり、変化が遅く、私たちは非合理な作業を強いられます。
私も1ユーザーとして、多くの金融サービスにおいて「なぜこれがオンライン上で解決しないんだ」と何度も憤慨してきました。ただ、スタートアップ業界に浸かってからは「これはテクノロジーで変えていけるはずだ」という確信と、当初「 "産業"を創ることを通じて、人々が前向きになれる世の中にしたい」と思って起業した想いがうずめき、ここが戦うべき場所なのだと感じることができたのです。

その記念すべき第一歩は、プリペイド式の法人向けウォレットサービス「paild」です。銀行が窓口とATMを提供して預金を集めたように、法人カードの発行を容易にし、利便性をあげることで、資金を入れていただくプロダクトです。資金をお預かりするサービスは金融のど真ん中です。そんなプロダクトを軸に、金融を新しく塗り替えます。

そして、次回はSO(ストック・オプション)を作る上で私がスタートアップ業界と社員について考えたことについて書きたいと思います。

現在Handiiでは、このような想いを持つ私と一緒に戦ってくれる仲間を大募集しています。もし、少しでも興味を持っていただけましたら、私のTwitter(@Handii_Yu)にDMをいただくか、Wantedlyよりご応募ください!


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