ルーチンのつくり方 第一段階 〜がっこうぐらし!ルーチンの場合

じん と申します。ジャグリングのルーチンについて考えることが多いです。
今回は、僕自身のルーチンのつくり方の分析をすることで、「良い」ルーチンへの考察の糸口になれば、と思い、メモとして書き残します。
ルーチンの作り方、主に構成について述べるため、
・技(trick/pattern)の習得
・シークエンスの作り方
・ルーチンの練習、見せるときの心構え
については、「良い」ルーチンづくりに深く関わるものですが、ここでは語りません。

で、本題に入ります。
ルーチンを作ろう、と、考えるときに、まず、『箱』と『猫』を分けて考えます。

『箱』・・・ルーチンの外枠のこと、どのようなパッケージで包むか。
『猫』・・・ルーチンの中身のこと、
つまり、ルーチンが完成したら、箱の中に猫が入ってあら、かわいい。となるわけですね。

もう少し述べると、

箱・・・ルーチンを見せる場、何処でやるか、誰に見せるか、どのぐらいの長さで、
ルーチンをする目的、どのように見てもらいたいか、どのように感じてほしいか、

猫・・・自分のやりたいこと、自分が惹きつけられる、なぜかワクワクするようなこと

それで考えると、今回のルーチンの場合は、
箱・・・
大学祭のステージ(屋外・ストリート横の階段上)で、
観客(非ジャグラー・ジャグラー混合、大学生多め)に見せる、
ストレートに楽しんで見てもらえるように。

猫・・・
「がっこうぐらし!」ルーチンがやりたい。
となります。

次は、箱と猫のすり合わせをしていきます。
箱があって、そのための猫を考える場合でも、猫があって、それを箱に入れる場合でも同様です。
箱と猫の大きさや、方向性があまりにも違いすぎると、良いものにはなりません。
今回は箱による縛りがあって、そこに猫を入れていきます。

今回は、場所の縛り(屋外階段ステージであること)、と、観客(どちらかといえば難易度よりは完成度をとる構成にする)、以外には、比較的広い幅の箱の余裕があり、また、猫が一匹なので、猫がそのまま入ります。

次に、猫と箱を踏まえた上で、曲を決めます。

「がっこうぐらし!」ルーチンなので、この曲に決まりました。僕の場合、猫がそのまま曲の指定になることが多いです。今回は、アニメ「がっこうぐらし!」のオープニング曲、1分30秒の長さです。(基本的に音無しではやらないため、ルーチンの全体が1分30秒に収まることになります。)

さて、聞いて(見て)もらうとわかると思いますが、元気で楽しい感じの曲です。映像には主に4人の女の子が出てきて、仲が良さそうにしているのですが、「元気で楽しい」の振りの苦手な僕が一人でルーチンをするより、元気で楽しい人を4人集めてやってもらったほうが、仲良しで楽しい雰囲気が出るのでは、と思ったので、今回は僕でなくて、それぞれ道具の違う4人がルーチンをやることにして、ルーチンを作っていきます。
(ここで猫が、「がっこうぐらし!」ルーチンをやってるところを見たい、に変更されましたね。)

今回だけでなく、僕の作るルーチンの方向性の一つとして、「できるだけ曲を汲む」というものがあります。
曲を汲むこと(楽しさ、仲の良さ、「大好き」感を出していく / 音と歌詞をとること)を考えつつ、曲のタイムラインを書き起こしていきます。

0:00
0:08 「一緒に、はい!」
0:21 「大好き」
0:35 「放課後なら〜
0:47 「ただいまー〜
1:00 「大好き はい!」
1:14 「元気でーす!」
1:30 「大好き!」

大体の曲は、15秒とか30秒とかでメロディ、パートの切り替えがあり、そこにルーチンのパートの切り替えも当てていきます。
タイムラインを曲のパートごとに色分けしていき、とりたい歌詞、poseのポイント(≒決め技のポイント)を書き込んでいきます。
パートをABCで振って行ってもいいのですが、目で見て分かり易いのと、パートのイメージがある場合は、色の方が良いです。
とは言ったものの、ここではABCを振っていきます。

0:00 A
0:08 B1 「一緒に、『はい!』
0:20 『大好き』pose
0:21 C 「大好き」の後〜
0:35 D 「放課後なら〜
0:46 『あり ません』でpose
0:47 E(→A) 『ただいまー』〜 『おかえりー』
1:00 B2 「大好き 『はい!』
1:14 B3 『元気でーす!』
1:30 「大好き!」

サビ入りに当たるAがあって、
Bがサビで、一度盛り上げる
C(歌なし、一度落ち着く (4人の役・関係性を見せる振り)
D(速めに刻んでジャグリング、動きあり)のメロディがあって、
Eがサビ前で少しゆっくりめに変化してから、
B2B3でサビ(楽しくはしゃぐ)盛り上がって終わり、という流れ、
「はい!」や、「元気でーす!」は歌詞をとりたいなー、どのような振りでハメるか、
〈入れたい動き〉 はい!で手を挙げる(学校)、見つめ合う・触れる・手をつなぐ(仲良し)、走り回る、お菓子食べる(元気さ)、MVから振りを持ってくる?
0:21と0:47でpose、1:14でもう一度切り?、1:30ラスト、

というようなことを考えます。

出来上がった曲のタイムラインに、技やシークエンスや振り付けを入れていきます。

今回は4人で1分半の長さなので、おそらく技が足りないということはなく、曲のテンポもいいのでジャグリング的には相当詰め込めますが、4人をステージ上でどう動かすか(4人の位置取りと場所移動)、焦点をどこに当てていくか、を考えなくてはいけません。
1分半は意外とすぐ終わってしまい、また、曲のチョイスは若干キツいので、観客をどうやって早めにこちらに引き寄せるか、ということも考える必要があります。

中身を入れていくときには、自分の引き出しを整理していないといけません。
演者に何ができて、何ができないのか(得意/不得意)、どのくらいの手数があるのか、持ち技の系統、を理解した上で、長所を見せていくような配置にする必要があります。
特に今回は、僕が出演するわけではないので、演者4人の手数の把握をしてから、全てをこちらが振ることもできますが、僕がここで投げて、演者4人に作ってもらうことにしましょう。
  だれか、お願いしまーす。
外に投げるときは、軸がどこにあって、何を絶対にルーチンに入れなきゃいけないのか、をきちんと伝える必要があり、それ以外は、演者自身の猫(やりたいこと)とのすり合わせになります。

ここまでのルーチン作りを、ルーチン作りの第一段階(構想段階)としましょう。
ルーチン作り第一段階(構想段階)
①箱・猫を考える
②すり合わせて枠・曲を決める
③曲の書き起こし、パートで色分け、曲の流れを把握する
④盛り上がりポイント、poseのタイミング、とりたい歌詞、演出を少し考える

第二段階(作成段階)
 自分の引き出しを整理する
⑤曲のタイムラインに、技・シークエンス・振りを入れていく
⑥練る (一歩引いて全体でみる →技の選択が合っているか、場所・空間移動、つなぎ目、まとまり)

第三段階(演技段階)
⑦やってみる、動画にとってみてどうか、

ルーチンづくりの第一段階で、ボロクソのルーチンが出来上がることはほぼないです。
(曲の選択が、あまりにも演者(の道具)と相性が悪いことはあります。)
                     ※要検証、追記すること
第一段階におけるルーチンの良さは、そのまま猫の良さです。
つまり、良い曲を選ぶこと、面白いアイデアを持ってくることによる良さであり、ルーチン作りが上手いということの一部でしかなく、本質には当たりません。

がっこうぐらし!ルーチンはもう投げてしまったので、次からは、僕の別の既存のルーチンで書きたいと思います。
中途半端になりましたが、今回はここまで。

ご意見・ご感想をお待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?