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タイ#3 "カオサン"の影を追いかけて

2023年5月、カオサン通りに程近い安宿。
チェックインして12人部屋に入るとロシア人と
韓国人のおっちゃんがいた。

謎のよしもり

ロシア人のおっちゃんは潜るのが好きらしく、色んな貝殻を見せてくれた。
荷物は異常なほどに多くてベッド周りもロッカーの中も横も全て彼の荷物で溢れかえっている。
ここまで荷物を増やせるのはもはや才能。
シベリア出身らしく、しきりに「シビリア!シビリア!」と連呼していた。

韓国人のおっちゃんが隣部屋に日本人がいるから呼んでくるよ、といい私より少し上の日本人を連れてきた。3人で夕飯を食べに行く。

イカ炒飯

夕飯を食べ終えてカオサン通りを歩いていると、日本人の彼は彼の先輩を探しに街へ消えていってしまった。店で飲んだら酒が高いからと夜9時前から韓国人のおっちゃんとホステルの玄関で飲む。タイのビーチ、韓国の受験事情、日本の将来、、色んなことを喋っていたら日付も変わってしまい、コンビニで酒が買えなくなってしまった。逆に24時間いつでも買えてしまう日本が異常なだけかもしれない。

飲み足りない2人はカオサンに繰り出し、ビールとフライドポテトを注文。
おっちゃんはタイにいる愛人について饒舌に語ってくれる。西洋人、アジア人など関係なしにタイにいるおっさんのスケベ率は明らかに高い。カオサンで仲良くなった中国人のおっちゃんも若い女性をナンパする為に東南アジアに来ていた。旅の便利な情報を聞くのも為になるが、何のタメにもならない下の話を聞くほうがずっと楽しい。結局、閉店の朝3時まで飲み続けた。


かつてバックパッカーの聖地と呼ばれたカオサン通り。大麻が解禁され、カオサン通りも大麻とハッピーガスが溢れるパブ街へと変わってしまったが、流行り廃りがあろうとも全てのモノは形や場所を変えて残り続ける気がしている。

混然とした露店やネオンもすっかり整理されてしまったようで寂しかったが、周りに安宿もまだ残っているし面白い人が沢山いる。いつかカオサンから安宿街が消えようとも、そこにいた彼らはサムイ島やパーイできっと会えると信じている。

2022年に娯楽用の大麻が解禁されたタイだが、再び娯楽用大麻を使用禁止にする動きが広がっている。カオサンのこの姿が見られるのもそう長くないのかもしれない。

おっさんも上機嫌で朝まで飲むぞ!と息巻いて2人で店を探しに行ったものの、私が路上で介抱されているタイ人に声をかけている間に彼の姿が見えなくなる。私も彼もお互いを探し回ってしまった結果、見つけることが出来ない。会ったばかりだったのでLINEも交換していなかった。仕方なくホステルまで帰る。楽しかったけど今夜はここでおしまい。良い1日だった。

朝起きるとロシア人のおっちゃんと大量の荷物は跡形もなく消えていた。あの量の荷物を音もなく運んで違う街に行ってしまったのだろうか。
おそロシア。

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