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【競艇/データ分析】波高がレースに与える影響

本記事では,競艇における波高がレース結果に与える関係を調べました.

一般的に,
波高が高い時は荒れやすい
ことが定説とされています.
ところが,この説については定量的な解析に基づく根拠が乏しいため,
手持ちのデータで検証してみました.

まず結論ですが,
波高が高いときは間違い無く荒れやすい
と言えるでしょう.
本命党の方は,
波高が低い時0~1cm
穴党の方は,
波高がなるべく高い時
を狙うと良いでしょう.

検証方法

荒れやすい・荒れにくいの指標には,払戻金を使います.
払戻金が高いレースは荒れたレース,低いレースは固いレースと判断します.
波高の高さに対する払戻金額のレース間平均ついて,バイオリンプロットで可視化した図が以下です.

波高の高さに対する平均払戻金額(それぞれの波高に対するレース数の偏りを無くすため,5000レースをランダムに1000回抽出し,その平均払戻金をプロット.なお,10万円を超える払戻金については,外れ値として除外)

図を見ると,波高が高くなるにつれて右肩上がりに払戻金が増えています.
このことから,
波高が高くなるにつれて,荒れやすいという定説を支持する結果となりました.

結果1.波高0~1[cm]の平均払戻金はほとんど変わらないが,2cm以上では直線的に払戻金が上がっている.

図を見ると,波高0~1[cm]の平均払戻金はほとんど差がありませんが,2cm以上から払戻金額が増えています.
このことから,ガチガチ本命党の方は0~1[cm]の時を狙うとよさそうです.

結果2.波高0[cm]と6[cm]では,平均払戻金に約1000円ほどの差がある.
平均払戻金が1000円異なると聞いて,どう判断するかは人によりけりかと思いますが,0[cm]と6[cm]の舟券を100円でそれぞれ10回買った場合,単純計算で払戻金額に10,000円の差がつきます.結構でかいな・・というのが感想です.

結果3.波高7cm以上では,さらに荒れやすい可能性がある.
今回の結果は,サンプル数の関係上,波高7[cm]までの払戻金にとどめました.波高が7[cm]のレースは全体の2.5%程度しかなく,少ないサンプルで結果を出したとしても,その信頼性が保証できないと判断しましためです.
図を見ると,0cmから7cmまで平均払戻金が単調に増加していることから,7[cm]以上はより高額な平均払戻金であることが推察できます.
そのため,穴党の人は波高の高いレースを狙うのが良いですね.

まとめ

・本命党の方は0~1[cm]のレースを狙うのが吉
・穴党の人は波高の高いレースを狙うのが吉


AIへの応用

我々の開発している競艇予想AIジンベイにも,この知見を取り入れています.ジンベイは,AI自信度をレース毎に出す仕様になっていますが,この自信度の決定に波高を使います(波高以外にも様々な指標を総合して決めます).
AIは固いレースが得意で,荒れるレースは不得意なので,
荒れそうなレースでは自信度を低く出力するような仕組みになってます.
(そもそも荒れたレースの数は少なく,かつそのほとんどが数値的な説明がつかない物です.一方で,固いレースについては,サンプルが豊富なため,AIはより高精度に学習できます.)


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