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嘘のワークショップについて個人的な感想

先の日曜、札幌にて浅生鴨さんの新刊記念イベントに参加した。

「嘘のワークショップ」というスタイルで、知らない人(参加者)とペアを組み、浅生鴨さんのお題に沿った会話をするという内容だった。

そのような形式を最初から知っていたら躊躇したかもしれないくらいには、人見知りである。今回は鴨さんのイベントに参加したい気持ちが圧倒的に勝ったからよかった。初対面の方との会話では仮面を被って勇気を出す意識がある。だが、そんな心配は杞憂だった。

演習で組ませていただいた初対面の方も、まったく初対面だけど話しかけてくださった方も、ツイッターでお見かけしたことのある初対面の方も、みな良い方ばかりだった。


私が組んだ方は「着飾ることが趣味なんです」とおっしゃっていた。私が全然知らない世界を知っている方だ。とてもキラキラして、素敵だった。

私はといえば、「自分が何をやっているか職業や会社名を言わずに説明」というテーマでえらく困ってしまった。社会的な肩書きのない自分とは何者か、などと余計な迷宮に入り込んでしまった。そんな私のアタフタも、気にしているのは私だけだったのかもしれない。

話をしながら、自分のすべてをサラしているわけではないことを、常に感じていた。そう思ったのは『ぼく嘘』を読んでいた影響が少なからずある。なにせ、すでに3回通して読んだから。

だからといって気分が悪いわけではない。お互いの言葉や受け入れられるところを調整することも、鴨さんの言う「嘘」でつながるコミュニケーションであるはずだ。


参集した方々は、場の雰囲気からみて、浅生鴨さんを全く知らないわけではなさそうだった。浅生鴨さんの書くものが好きな人が大部分なのだろう。浅生鴨さんの書く「嘘」を支点にしてそれぞれの「嘘」でつながった空間だったのだろう。

「ワークショップ」という形式を通じて、知らない人と「会って話す」ことを久しぶりに体感した。会って話すって、やっぱり、いいですね。

いや~、楽しかった。


そういえば、「SNS医療のカタチ」グッズのTシャツを着ていったのだが、そのことで話しかけてくれた方がいた。「今年観られなくて残念だったんです」と。確かまだしばらく観られるはずと、浅生鴨さんにも確認して、その旨お伝えした。あれは、もしかして、関係者だと思われたのだろうか。違いますからね!


浅生鴨様、今野様、そして開催いただいた書店員のみなさま、たいへん、ありがとうございました。楽しい時間でした。