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究極のゴールは寝ながらお客を待つ市場のおばちゃんではないかと思う

自分がどうありたいかとか、どんな人でありたいかとか、自分らしさとか、そんなことを考えている人はそこそこいるんじゃないかと思う 。

この一年でベトナム、韓国プサンへと旅をした。
その両方で出会った光景が市場でお客さんを待ちながら爆睡するおばちゃんだった。
その光景をベトナムで初めて見たときは胸を撃ち抜かれた。

そうか、寝て待つのか!

今思えば、真夏のベトナムのくそ暑い午後に誰も活動しない。
ぶらぶらしてるのはわたしのようなおばかな観光客くらいのものだ。
野菜や果物を売ってるおばちゃんにとっては何も買わないのだから客でもなんでもない。
愛想ふりまくだけ労力の無駄だ。

八百屋のおばさんはゴザの上。
飲食店のおばさんは椅子を並べて。
ブラジャー屋さんお姉さんは大量のブラの上で。
スマホいじったり、マジ寝をきめていたりと自由だ。

そうはいっても彼女たちはとても働き者だ

早朝から働き、昼寝を挟んで
夜遅くまで働くというように実によく働いている。

つまりお店での昼寝はスキマ時間をつかって効率よく休憩をしているという超やり手営業マンみたいな暮らしをしているのだ。

実際、おばちゃんたちは「物」を売るという意味では最高の営業マンで、ものを売るためにはそれなりに必死だった。

このおばちゃんたちを見てただ笑う人もいるだろう。
しかし私はこの光景にすっかり胸を打たれてしまった。

本物の自由の女神はここにいた!!

長年わたしは「自由」を求めてさまよっていた。そんなさまよい人にとってはこの雑然とした空間で人目もはばからず大口をあけて爆睡しているなんてこれが自由じゃなくて何なんだ!と。

別に寝ることが自由だと思っているわけではなく、そこでこうして寝ていられる自分である。
ということに果てしない自由な心を感じたのだ。

言ってみれば彼女たちは仕事中だ。
日本ならネットに動画をあげられて、即クビ。そんな光景をだれひとり振り返ることもなく商品であるブラジャーの上で寝ているニコリともしない彼女からブラジャーを買っていく。

寝ているおばちゃんをむやみに起こしはしないが、本当にそこの商品が欲しいときはやさしさのかけらもない起こし方で起こして商品を買う。

あぁー、これだ!
わたしに足りないのはこれなんだ。

人がどう思うかじゃなく、じぶんの道を突き進む。
できそうで、できなかった。
やってるつもりでやってなかった。

わたしたち日本人はとても礼儀正しい。
そして、忖度がとても上手。
でも、正しさや、人の気持ちばかりを考えているのはとても労力がいる。
そして、人は日々につかれてしまうのではないだろうか。

わたしたちはもっと自由でもいい。
人前で大口をあけて眠ることが正しいということではなく、自分の本能に思うままに動いてもいいんじゃないかと思う。

正しさ、常識、忖度、人目。

そんな小さな枠にとらわれて毎日がつまらなくなるなら思い切ってアジアの市場へでかけてみてほしい。

世界にはわたしたちの知らないことがまだまだある

市場で大口あけて寝られるくらいおおらかに、そして毎日をほがらかに過ごせる人がたくさんいればこの世の中はずっと、ずっとしあわせな世界になるのではないだろうか。

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