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藍坊主 "未確認 IN THE NIGHT" 新宿LOFT 2023.08.27

最新アルバムである「月の円盤」のツアーファイナルに行ってきました。アルバムが途轍もなく良かったので、日毎に期待が山の如く高まっていくなかで当日を迎えたのですが、それを軽々と、遥かに越えていくような素晴らしいライブでした!

LOFTは8年ぶり2回目。前回はイツエだった。懐かしい!ビルがものものしい!
フロア外のバーカウンターや、そこから喫煙所やトイレ、物販スペースなどの空間が、とても地下って感じで好きです。

開演30分ほど前にフロアに入り、いつも通りそこで流れる音楽を楽しむ時間。いつも流れてるはずの"Juicebox"を待ち構えていたら、開演直前のタイミングで流れてめちゃくちゃテンション上がりました。
入場SEが流れ、いつも通りのライブが、藍坊主のライブが帰ってきたなと感じ始める。走りまくりの手拍子と共に、歓声・嬌声が聴こえる!私にとっての前回の藍坊主のライブは3月だったので、まだ声出しは解禁されていなかったはずで、だからこそ今回のこの声が聴こえる、声が出せるというのは嬉しい。当たり前だったはずの非日常を、ようやく取り戻せた感じ。
一曲目は"卵"で、生で聴いても、安心感を与えてくれるような良さが際立っていた。この日は、ユウイチさんのギターの音がいつもより大きく聴こえた気がする。私の立ち位置の問題かもしれないけど。
気持ちいい終わり方をしたあと、"小さな哲学"が始まる。この曲の入りで、私がぶつかっていくのをしくじったのがこの日の後悔ポイントです。この二曲は続いて演奏されないだろう、という謎の深読みをしたがために!しかし、ライブで聴けて良かった。アルバムで聴いて、本当に色々なことを考えさせられた曲。それを全部抱えたままぶつかりに行きたいと思っていて、それが叶った。ただ、次はもっと強度を上げてぶつかりたいから、是非またライブで聴きたい!私にとっては3年8ヶ月ぶりの、いつも通りの藍坊主のライブ。その空間で、この曲を生で聴けたことがとても嬉しい。
次に演奏された"雨の強い日に"は、最近よく聴けて嬉しいです。初めて聴いたアルバムの一曲目なので思い入れの強い曲。去年末のライブで聴いたのがとても久しぶりだったと思うので、驚きと嬉しさ!"小さな哲学"との繋がりも素晴らしかった。

MCを挟んで、"夏の金網"!月並みな感想にはなるが、ライブでのこの曲は聴くたびにどんどん強くなっている印象だ。「どこまでも行けるはずさ」が体現されている。ほんと、毎回どんどん強度を増して聴こえるので、これを楽しむだけでも藍坊主のライブに通う楽しみになりうると思っている。
ここから、"ブラッドオレンジ"、"マザーツリー"と続くのだが、曲の良さはもちろん、昼→夕方→夜と展開されていくような運びに引き込まれた。

次のブロックでは、「月の円盤」から、"ルノの子"と"ツキノフォン"が演奏されたのだけど、ライブ映えしまくりで驚いた。どちらかというとおとなしめの曲で、じっくり音源で聴く方に勝手に重きを置いていたのだけど、生で聴いたときの増幅され具合が物凄かったです。
しかしこの2曲については、もっとたくさん、気合いを入れて聴かないとなと思わされました。音源を聴いているときに浮かんでくる情景や、それについて湧き出てくる感情が膨大で、処理が追いつかない感覚がまだ残っている。それに対してどう向き合うかを考えながら、今後もしっかり聴いていきたい。

そして、"シュート"!
藍坊主のこういうギリギリ感のある曲は、なぜか聴いていて本当に楽しいんですよね。初めて演奏されるツアーとは思えないほどに、ガッチガチに固められた演奏で最高でした。
そこから"伝説的トリップ"ですよ。この曲の全部が死ぬほど好きです。何が好きなんだろう、を探すのを諦めたほどに。
"ジムノペディック"は相変わらずの破壊力というか、アウトロの威力!藍坊主のライブの凄みが、ライブが本格的に再開した去年を通して確実に増している気がしている。もちろん、私個人としても三年間ライブに通えずにいて、その分の想いを重ねているのもあるだろう。しかし、藤森さんが言葉を詰まらせながらMCをしていたように、アーティストの側にもそれに近い感情がきっとあって、それが凄みとして表れているのかもしれない。そして、その凄みが、この曲のアウトロの演奏に凝縮されていたように感じた。すごかったです。

本編最後は"プールサイドヒーローズ"で、今回やっと、この曲のライブハウスでの捉え方みたいなものを掴みかけた気がする。生の音量で聴く方が難しい曲で、だからこそこう、バッチリなぶつかり方をしたいというか。もうちょっと!
"ジムノペディック"と"プールサイドヒーローズ"の間の曲は、楽し過ぎてどうにも思い出せないんですよね。ただ、藍坊主のライブでこちらも声を出せる状況の楽しさ、有り難さをこれでもかと感じさせられた。どの曲が本編最後でもあり得る曲が連続して演奏されるのはある種スリリングというか、まだ終わらねえぜ!感がとても良かったです。

アンコールの一曲目は"ワンダーランドのワンダーソング"で、卵つながりだからこれで最後かなと思っていたら、その次に"伝言"が演奏された。
多分4〜5年ぶりに、バンド編成でのライブで聴けたと思う。去年、イケシブのイベントで藤森さんが飛び入りしてとても楽しそうに口ベースや口ギターを含めた演奏をしていたのを思い出しながら聴いていた。この曲に教えられた多くのことを考えながら、次のライブを楽しみに待とうと思います。


思い入れが非常に強いバンドの、当たり前だったはずのこちらも声を出せるライブは、これほどまでに楽しいものなんですね。いやほんとに。
最高の時間でした。それだけでなく、色んなことを考える種をいくつも貰えました。
そして、それを絶対ものにしてやるという気合いも。

最高の時間をありがとう!



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