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日本で働く外国人の友達が、いじめられていた事実

以前の記事で、シェアハウスで仲良くなったオーストラリア出身のTちゃんのことを軽く紹介した。ここではベジタリアン料理のことをメインに話をした。

Tちゃんは、JETプログラムという制度を使って日本で働いている。小学校で英語を教えるALTも、JETプログラムの一つだ。

JETプログラムの事業案内ページ(http://jetprogramme.org/ja/positions/)では、以下のように説明がある。

JETプログラム参加者は、「外国語指導助手(ALT)」、「国際交流員(CIR)」、「スポーツ国際交流員(SEA)」の3つの職種で来日します。
職種に関わらず、JET参加者が果たす役割は、地域の外国語教育の普及と、国際化の推進です。

Tちゃんは、このうちの国際交流員(CIR)という職種で、2019年8月から働いている。

Tちゃんの職場は主に市役所で、市内に住んでいる外国人の支援を行っている。書類の翻訳、英語で市の魅力をインスタで発信、youtubeで市内の観光スポット紹介、外国人が市役所に来たときの通訳など。

Tちゃんはスポーツがアスリート並みにできて、何事にもストイックで、日本語がネイティブ並みで、シェアハウスでもそれ以外でも友達がたくさんいて…。
私はそんな彼女を尊敬していた。キッチンで会うと、いつも優しく声をかけてくれた。「その服かわいいね」「どこで買ったん?」って関西弁で褒めてくれるのが、ほんと可愛かった。
シェアハウスにもともと住んでいた彼女は、私が後からハウスに入ってきてまだ馴染めなかったとき、よく気にかけてくれていた。私がみんなの輪に打ち解けられないのを見ていて、それでも無理に行きなよとは言わず、こじんまりと一緒にご飯を作って食べてくれた。

だからこそ、彼女が職場でいじめられていると聞いたときはショックだった。どこの世界にそんなことをする人がいるのかと思った。
よりにもよって相手は、国際交流センターの同僚2人だった。
働き始めた当初、3ヶ月くらいは普通に仲良くしていたのに、ある時から急に無視が始まった。傷つく上に、いきなり人格が変わることに対して理解が追いつかない。

上司に相談し、職場を市役所だけにしてもらったので、今はその状況はなくなった。ただ無視された状況は半年くらい続いていたそうだ。

Tちゃんは非常にストイックな性格だからか、半年という長い間耐えることができてしまった。しかしストレスで帯状疱疹ができて、仕事を一週間休んだこともある。食欲がなく痩せ細ってしまい、あまりにも辛そうで見ていて本当に心が痛んだ。あの時はシェアハウス中の友達が怒っていたし、Tちゃんは悪くないと励ましていた。

どうしてこのようなことが起きてしまうのか。無視をした本人に会って直接話を聞きたいくらい。その人は、日本で働く外国人に対する理解がないのか。日本人でも関係なくそういうことをするのか。

このことがあってからTちゃんは転職を考え始めた。しかし、JETプログラムは転職が想定されていないので、転職したケースがなかなか調べても出てこない。

ビザの種類は「技術・人文知識・国際業務」というもので、Tちゃんはこの中の国際業務に該当する。このビザに該当する仕事で、さらに大学で学んだことと仕事内容が合っているか、単純作業ではなく「技術や知識を使わなければならない」仕事かどうかなど条件が定められている。

JETプログラムは横の繋がりも少ないようだ。同じ市内に何人か派遣されることも多いが、Tちゃんの市内にはTちゃん一人しかいない。JETプログラム参加者による以下のサイトは今日見つけたので、これから参加したらいいのかもしれないが。

Tちゃんは現在市役所の人に止められて、悩んでいるが転職活動をするという。

協力隊に参加して良かったと思うことは、海外で働く人の辛さが身をもってわかったこと。人の痛みは、みんな決して同じではないけど、同じような体験をした人の方が理解できるはず。

ウズベキスタンの良さを伝えたいと思ってはいるけれど、ウズベキスタンという国に不満はたくさんあった。国民性や環境や文化などがまるっきり違うから、もちろん仕方がないのだが、外国人に対する偏見や差別的なものを感じることもあった。「全てが素晴らしかった」と言うのは嘘になってしまう。

もちろん自分自身の問題だってある。海外で働きたいと言ったのは自分。それでどうして不満ばかり言うのかと言われたらどうしようもない。

ただ、寄り添ってくれる現地の人が1人でもいるだけで救われた。全員が敵のように見える時、「この人は別だ。全員が敵ではないんだ」と自分に言い聞かせることができた。

ベトナムの技能実習生のような、日本で働く外国人の悲しいニュース。せっかく来てくれた外国人のために、何かしら行動に移さなくてはと思う。
Tちゃんの仕事探しを手伝うのは、何もできていない自分の罪滅ぼしのような気持ちもある。それでも少しでも力になりたいと思う。



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