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ベイスターズファンが観てきました。さいたまブロンコス開幕2連戦

はじめましての人、はじめまして。くらだしベイスターズ(仮名)と申します。いろいろ訳あって仮名です。
埼玉に住んでいる、ベイスターズファンの男です。独身です。

さて、話的にはちょっと旬を過ぎた感はあるのですが、今のうちにこれは書いておかねば、と思って書き記しました。ちょっと長くなっちゃいましたが、よろしければお付き合いください。

さる2021年1月16日(土)は、埼玉県民にとって、わりと歴史的な1日になりました。そして後に語り継がれるかもしれない、はじまりの日付です。
その日は、埼玉のプロバスケットボールチームが、新たなスタートを切った日だったのです。
それもそのチームは、ベイスターズファンには忘れようにも忘れられない、あの人が絡んでいるチームなのです。

ということでベイスターズファンの私、行ってきました。

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前ベイスターズ社長・池田純氏が代表を務めるチーム、さいたまブロンコスの開幕戦に!
この開幕戦と第2戦を観てきた個人の感想を、つらつらと書いてみます。

正直私自身は、かつて池田氏がベイスターズで巻き起こしたさまざまな改革に、どちらかといえば反発心いっぱいで見ていた人なのですが、そんな池田氏が埼玉にやって来ちゃって、新しいことをおっぱじめると伺い、ブロンコスを観に行ってみました。

今でも鮮明に思い出せます。
あの、うねってばっかりだった日々のことを…

2011年シーズン終了時点で4年連続最下位に甘んじたチーム状況、

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地元の横浜市民にもほぼ見向きもされなくなっていた、ガラガラの横浜スタジアム(以下、ハマスタ)の観客席…さまざまな意味で暗黒と化してしまっていたあの頃の横浜ベイスターズ。ただ、それでも私は、そんなベイスターズを懸命に支えていた現場の人たちが大好きで、ベイスターズから離れる気もなく、応援していました。
そんなぼろぼろのチームのトップに、「継承と革新」を旗印に、かつてホエールズファンの少年だった(ポンセ・屋鋪・パチョレック推し)という池田氏がやってきました。

池田社長が振るうタクトから次々に、目に見える、新しい、斬新過ぎるアイディアが繰り出されていきました。「駅にチケットを貼ってご招待」「負けたら返金チケット」「100万円チケット」などの新しい試みは、従来のファンの心に戸惑いやうねりを巻き起こしていきます。私個人も、それまでの大好きだったハマスタのもろもろを、「革新」の名のもとになくされ、変えられ、いじくり回され…激しいぐらいに感情を揺り動かされた時期もありました。
そんな新しい試みが続く中、「YOKOHAMA STAR NIGHT」「YOKOHAMA GIRLS FESTIVAL」などの新しく始まったイベントゲーム、試合終了後に打ち上げられる花火なども受け入れられ、話題のうねりをも呼び起こし、横浜の地に、そして世間に少しずつ、そして着実に届いていき、ベイスターズから離れていた人たち、そして興味さえなかった新しい人たちを、ハマスタに呼び込んでいきました。

池田氏やスタッフから年々提供されていく新しい提案や話題に加え、中畑清監督の明るいキャラクターやすさまじいまでの発信力、梶谷隆幸選手(現巨人)・筒香嘉智選手(現レイズ)などのニュースターのブレイク、そして実際に首位争いにも絡めるようになったチーム戦力の充実・そして躍進も加わって、池田社長の就任から4年経った2015年の初夏頃からは、平日のカードでもチケットが取りにくいぐらい、ハマスタがお客さんで膨れ上がっていきます。

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連日満員御礼の状況はコロナ禍前の2019年まで衰えることなく続き、ベイスターズも今や最下位どころか毎年、優勝争いのできるチームに育ち(「優勝できる」と断言できないのがちょっと悲しいですが)、まさに今、横浜のアイコンとしてその名をとどろかせています。
そして今年2021年は、"永遠番長"三浦大輔新監督を迎え、新星・横浜DeNAベイスターズ誕生から早10シーズン目という、メモリアルイヤーを無事、横浜の地で迎えています。

反発心いっぱいで池田氏を見ていた私。初のクライマックスシリーズで敗退したその日に社長を辞任すると聞いた時には正直安堵を覚えたこともありました。しかし今振り返れば、その激情の日々さえも楽しく思い出されます。そして私も多くの新しい人たちに、ハマスタで出逢うことができました。間違いなく池田氏は、ベイスターズに、そしてハマスタに、新しい魅力を吹き込んでくれた恩人の中のひとりだと、今では思っています。

その池田氏が、さだまさしさんにPPAPを踊らせたり、サッカーだったりラグビーだったり大戸屋だったり、東洋経済オンラインとかに過去の横浜武勇伝を何度も何度もしたためたりしながら、いろんな紆余曲折を経てたどり着いたのが、バスケットボール。一時期は川崎ブレイブサンダースを買収、という話もありましたが、最終的な到達点が、まさかの埼玉になるとは…!

そのチームの名は、埼玉ブロンコス
私個人は埼玉ブロンコスの試合を、一度も観戦したことがありませんでした。しかしかつて西武ドームにブロンコスの選手がゲストで出てくれた試合があり、そういうチームが所沢にあることは知っていました。確かbjリーグではそれなりに強かったというおぼろげな記憶もありましたが、Bリーグが発足した際には、なんでブロンコスがB3リーグにいるの?と思ったものでした。

そんなブロンコスに昨年やってきた池田氏。
埼玉ブロンコスから、さいたまブロンコスへ。
グリーンから、「サベージレッド」という名の赤へ。
所沢市のみならず、さいたま市へ(※両市のダブルホームタウン)
あの頃のベイスターズのように、ブロンコスのさまざまな変化の話題を耳にすることが増えました。さっそくいろいろやってるなあ、と。
でももし私が本格的なブロンコスブースターであったら、先に上げたような変化だけで、かなり心は揺らいでいたかもしれません。名前・チームカラー・フランチャイズ…上の3つだけでも、根幹のアイデンティティをすべて変えられるようなものですものね…
「すべてを新しく変えることをどうかお許しください。」という言葉も先に出していましたけれど、ベイスターズなどでのいろいろな経験が効いてるのかなあ、と。
従来のブースターの皆さんに対して、あらかじめ予防線張ってるなあ、と。

しかし開幕戦の直前には、こんな話も。

ベイスターズでも「何かを変えること」に関して、説明不足な点が否めなかった池田氏。マスコットのホッシーファミリーがスターマンに変わった時もなんの説明もなくいきなりでしたし(しかも出演最後の試合が、ホッシーに縁もゆかりもないホークス戦)、こういう部分は相変わらずなんだなあ…と。
ブースターにとって大切なこと、何かを変えるにしてもこういう点はぞんざいにしない方がいいと思うんです…と、老婆心ながら。

また、開幕直前に話題になっていたのは「全試合入場無料化」から即「却下」となった件。このコロナ禍の中で、入場無料を前提とした準備をすべて完了していたという池田氏。このあたりはさすがというほかありません。
正直なところ、「無料」という状況にはやはり心躍るものがあります。プロの試合を無料で観られるなんて…!あさましいかもしれませんが、これは正直なところですし、新しい世界の扉を開く、感じるための入り口として、とても入りやすいものがあります。そしてホーム開幕戦はまさに行政プレゼンツとして入場無料になりました(手数料は別途必要)。今後の展開が果たしてどうなるのかも注目してみたいところです。

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前置きがとても長くなりましたが、ついに迎えた、新生さいたまブロンコスのホーム開幕戦。場所はさいたま市駒場体育館。浦和レッズの本拠地のひとつ、浦和駒場スタジアムにほど近いところです。
しかし、本当に晴れてよかったですね…(ベイスターズ時代は大事なゲームほど雨にたたられていましたものね…)

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たどりついた駒場体育館。年季の入った景色の中で、出迎えてくれたのは、サベージレッドのビッグボード。
そして人が集まっていたところを見てみると、そこにはなんともかわいらしい、ポニーちゃんがおりました!

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カイバを食べてるポニーちゃん(顔上げてくれなかった…!)。実は、このハートわしづかみポニーちゃん(仮名)こそ、さいたまブロンコスのマスコット、だそうなんですよ!リアルなお馬さん

三郷のコストコで買ってきた、というところに埼玉チックなリアルさがあふれています。しかし子供たちにお馬さんと触れ合える機会をプレゼントしてくれるのは面白いですよね。なかなかない機会です。

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このポニーちゃんは試合前にもアリーナに登場。もろもろ対策もばっちりでした。かわいいですね。
ところで、

この子の名前を公募するそうなんですが、開幕戦から1週間経っても、どこでどうやって公募してるのかがさっぱり伝わってこないところがちょっとニクいですね。ハートわしづかみだから、じゃあクラッチでいいかな。だめですね。

でも、この「リアルなお馬さんがマスコット」って、確かにうまいアイディアだな、と。
生まれたてのチームと一緒に成長していく、そのアイコンになりうるし、チームを長く見ていけば見ていくほど、チームの変化や成長と共に、この子の成長も見ていくことができる。特にお子さんなら、なおさらですよね。いっしょにどんどん大きくなっていくわけですから。
このポニーちゃんと試合会場で逢うのも、楽しみの一つになりますよね。

…と書きながら、実は翌日の第2戦にはポニーちゃんはいなかったんですけどね…ボードだけで超さみしかった…まあ、チームで飼育しているわけではないので、さすがに毎試合の登場は無理でしょうか。マスコットは試合会場に必ずしも出てこられないというところに、ホームタウンの赤き血の浦和イズムを感じますね。どっちかといえばマスコット系は所沢の獅子兄妹の方を意識してほしいです。

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アリーナ入り口に貼り出されていたポスター。ちょっと読みにくい画像ですみません。とても挑発的な文章ではありますが、「グッズ付きチケット」「なんとかガールズフェスティバル」「試合会場の花火が上がるセレモニー」…みんなみんな横浜での池田氏の実績じゃないですか!自己紹介ですか!
まあ埼玉県内に貼るポスターなので、せめて「なんとかフェスティバルズ」とか書いてほしかったですが、それはさておき。新しいことをおっぱじめるぞ、という気概にあふれた筆致であることは間違いありません。

土足禁止の体育館、スリッパにはきかえて、いざ2階席の客席に。どこかで耳にしたことのあるような軽快なBGMが流れる中、選手たちのアップが行なわれていました。
さいたまブロンコスvs金沢武士団(武士団と書いてサムライズと読ませる!カッコいい)。どちらも私にとっては初めて観るチームです。

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歴史を感じる外観とギャップを感じるぐらい、すごく真新しさあふれるアリーナ。実はこの開幕戦、駒場体育館リニューアル後のこけら落とし試合だったのです。
とはいえ、なんだかすごくまっさらな景色を目にしたイメージでした。

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私個人はベイスターズとのつながりもあり、川崎ブレイブサンダースを中心にBリーグ観戦をしているので、サンダースの本拠地・とどろきアリーナ=Bリーグの標準的な試合会場、というイメージになってしまっているのですが、必ずしもそうではないのですね。

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この会場にはリプレーを映したり出場選手を表示する大きなビジョンもないし、得点表示もいたってシンプルなもの。そんなベーシックとも言える会場の状況も、この生まれ変わりたてのチームの原点、新しい始まりを感じさせる雰囲気に一役買っていたかもしれません。

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試合前練習終了後に行なわれた鏡開き。地元の名士の皆さまに混じって、あ、懐かしい顔が…!

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この日がデビューだった、さいたまブロンコス、アリーナMCのゆーまろさん。映像なしに、2分以上もある長~い前口上をしゃべります。金沢武士団の選手たちが若干退屈そうな表情を見せる中、前口上に池田イズムの真骨頂がしっかりと含まれていました。
「誰かが歩いた道に興味はありません!」
キターーー。

試合前の最後の練習が行なわれる中でも、ゆーまろさんのアナウンスで両チームの選手が紹介されていきます。中でもブロンコス選手の紹介はさすがホーム、念入りに、その選手の人となりを紹介してくれました。
実業家の#1宇野選手、狭山市出身の#2泉選手、背番号が#78(=那覇)の沖縄出身・金城選手の紹介は特に頭に残りました。強いて言うと、まずどの選手を覚えるのがいいのか、チームのアイコン的な選手を教えてくれると嬉しいところ。サンダースで言う篠山竜青選手みたいな。
ちなみにブロンコス公式サイトでの選手プロフィールもなかなかふるっています。本当に皆さん、営業などを兼ねているんですね…!あ、ところでヘッドコーチはどなたなのでしょうか…!

あとゆーまろさんが応援の仕方をレクチャーしていましたが、オフェンス・ディフェンスと、どちらもものすごく難しかった!

難しいBGMのリズムに頼らず、会場にいたお子さんたちを中心にして、無秩序にバンバンとバルーンを叩く音が鳴り響いていました。しかしこのバルーン、第2戦になるとほとんど会場で見かけませんでした。なんか飛沫感染防止の関係で、引っかかっちゃったみたいでしたね。さっそく物議かもしてるなあ。

そしてついに試合開始!オフェンス・ディフェンスの曲が鳴り響き、バスケならではの止まらないめまぐるしい攻防…と思いきや。
これまで私が観てきたバスケの試合では、そんなことあったっけ?というような光景…音が、いや声が、駒場のアリーナに響き渡っていました。
それはBGMに乗せて「バンバンバン!バンバン!」と曲に合わせて声を発していた、アリーナMC・ゆーまろさんの声でした。まるでバラバラババンの鋼鉄ジーグか、ブンブンバンバンゴーオンジャーか。これもまた「誰かが歩いた道に興味はない」というやつでしょうか…のっけから驚かされました。
しかしこのMCさんの「バン!バン!」はちょっと耳触りが過ぎたようで、第2Qの途中あたりから、一切聞かれなくなりました。ゆーまろさんの声ごとまるごと。選手からクレームが入っていたか、それともツイッターのタイムラインをスタッフがチェックしていたか…新たな演出チャレンジだったのかもしれませんが、早々にそれは終了。しばらくゆーまろさんの声は、必要以上の情報以外、アリーナに届いていませんでした。けっこう気の毒…

そんなことがありつつも、のっけから全力の激しい攻防!いきなり試合に引き込まれていきます。
そして攻防の中、ところどころでタイムアウト(作戦会議だったり休憩だったり)も入るのですが、このタイムアウト時の演出もまた独特でした。多くのチームでは、タイムアウトはチアやマスコットの出番。1分という短めの出番に、パフォーマンスを凝縮するチアの見せ場ですが、現時点でブロンコスにチアはおりません。それゆえにブロンコスはBGMを流していました。が、そこで流された曲がまたふるっていました。
ひとつはいまやなつかし、チェッカーズの1stアルバムに収録された「ガチョウの物語」

80年代中盤の「ひらけ!ポンキッキ」で放送されたり、TBSドラマ「うちの子にかぎって…」でも頻繁に流れていた曲なので、聴けば分かる人も少なくないと思います。現在44歳の池田氏もこの曲を聴いていた世代でしょう。しかしなぜこの曲…!
そしてもう1曲は、埼玉ゆかりのこの曲。

うわ…来たわ…「なぜか埼玉」…わかりやすい「翔んで埼玉」の影響…
まあ確かに「翔んで埼玉」は、関所・川口に住んでいる私も大好きな映画ですし、あれを悪く言う埼玉県民の人ってあんまりいない気がします(個人の印象です)。しかし激しい攻防が繰り広げられたその合間に、突然のムード歌謡がぶっこまれるわけです。せめてこの曲に純烈並みのポップさがあればとも思いますが、更けゆく夜の西川口や大宮駅東口あたりの空気感満載のこの曲を選んだ理由はなぜか知らねど。
おそるべきは「誰かが歩いた道に興味はない」イズム…

と、ついつい突っ込みたくなるところなのですが、おそらくは「ガチョウの物語」にしても「なぜか埼玉」にしても、たぶんツッコミ待ちなんだろうな、と。

池田氏がベイスターズ時代に何度も繰り返していた言葉があります。
「野球をつまみに」
たとえばこの記事にも詳しいですが、ハマスタを「野球をつまみにしたでっかい居酒屋」に仕立て上げた池田氏。野球を観ながらビールを飲んで会話する"アクティブサラリーマン"という仮想顧客をターゲットに、ハマスタでしか飲めないオリジナルビールを作り、ビールに合うグルメを四苦八苦しながら生み出し、見事にハマスタを居酒屋にしてしまいました(若干、その是非はあるけれど)。
そして池田氏は今回も早々に、
「バスケをつまみに」
という言葉を出していますし、二言目にはさっそく、ビールの話も出していました。残念ながらコロナ禍の影響もあってか、今は発売できないようですが、

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既に「ブロンコスエール」なるビールも作られたようです。さすがです。
ちなみに、

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これはなに。美味しそう。

で。話を戻しますが、おそらくタイムアウトの曲にしても、この「バスケをつまみに」する人たちには受け入れられそうな選曲なのではないかと。どこかで聴いたことがあるぐらいの知名度の、ベタすぎるほどわかりやすい曲。
池田氏はブロンコスでの観客ターゲットを、ベイスターズでのアクティブサラリーマンではなく、ファミリー、家族連れを主に設定されているようです(アリーナの立地条件もあるかもしれませんね)。1984年に発表された「ガチョウの物語」なら、今のアラフォーぐらいのお父さんお母さん世代が耳にしていてもおかしくないですし、今の時代のお子さんにも通じるようなかわいらしいキャッチーな曲調。また「なぜか埼玉」は発売直後こそ話題になりましたが、なんと言っても「翔んで埼玉」の影響で近年、若い世代にも周知され、再ブレイク・ご当地ソングとしての定着化をあらためて果たしたような面もあります。

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ブロンコスを観に来たご家族で、そして友達同士で。この曲を話題に、つまみにしてもらえればーともすればバスケの激しい戦いにあまりそぐわない曲ではありますが、これもまたプロならではの「音楽」の演出、ということなのでしょう。頭をひねってひねって選んだ選曲なのだと思います。

また選曲も、試合が次第に進むにつれて雰囲気が変わっていきました。第2Qあたりからは、ベイスターズ・山崎康晃選手の登場曲でおなじみ「Kernkraft400/ZOMBIE NATION」を、試合が止まるごとに流していたりもしましたし。
また第2・第4Q途中のオフィシャルタイムアウトでは、「Rat-tat-tat/三代目 J SOUL BROTHERS」を流して、カッコよさもしっかり演出しています。

そして選曲で言えばもう一つ話題になったのが、フリースローの曲…え、フリースローの曲!?そんなものがあるの?とも思いましたが、ここでも独特の選曲を行なっていました。
ブロンコスの選手がフリースローに入る時に流れるのは「ロッキーのテーマ」。雰囲気出してるなあ、と思っていたら、実は相手チームのフリースロー前にも曲が流れます。これまたおなじみ「We Will Rock You/QUEEN」の冒頭部分のドンドンパッ。相手チームのフリースローだと、それこそブースターがブーイングや音を鳴らして、うざいぐらいの雰囲気にするイメージがありますが、このドンドンパッだと、カッコ良すぎて相手チームを後押ししてないか?とも。ついつい手拍子してる人もいましたしね。

そして開幕戦、SNS上でかなり物議をかもしたのが、ブロンコスの選手がフリースローを失敗してしまった場合に流れてしまう曲。そう、失敗したのに曲流しちゃうんです。

「違う、そうじゃない/鈴木雅之」。「新しい試み」という賛と、「選手に失礼」という否で、はっきりと賛否分かれてます。否がどちらかといえば多いかな。いずれにしても、今までにない試みなのは確かです。
でも個人的にはこの選曲も、案外これからのブロンコスに普通に定着するのでは、と思ってます。先述の「バスケをつまみに」になら合致しているし、お子さんたちには「ちがうちがう~」とか、失敗も無邪気に面白がってもらえそうな気もしますし。もしかしたら案外、みんなで笑って切り替えられるのでは?と。最初はざわめき起こすでしょうが、意外に面白がられそう、と予想しています。ただ、まあ、、選手たちが嫌だと言ったらやめてあげて…ですかね。

なお、フリースローに成功した時は、選手が右利きなら咲きほこれ埼玉/はなわ、左利きなら「わたしの彼は左きき/麻丘めぐみ」が流れます。右左で分けるのもなんかベイスターズの影響感じたり。ただ個人的には「咲きほこれ埼玉」に統一した方がいいかも。これ、いい曲ですよ。

と、選曲についてかなり長くなってますが、もう少し。
ハーフタイムで「トイレの神様/植村花菜」が流れたのはトイレタイム推進の暗示っぽかったですしね(しかしトイレにスリッパ少なくて困りましたね)。ハーフタイム終わりの「馬乗りマウンティング/キュウソネコカミ」も面白い選曲でした。10年以上前に流行った曲が多い中でギリ平成終盤のこの曲。そういえばポニーちゃんが出てきた時も「走れマキバオー」を流してましたし、馬にこだわる選曲、面白いです。そのうち「ハネウマライダー/ポルノグラフィティ」とか流してほしいです。

それとオフェンスの曲で、カウンター、速攻時に流れていたハイテンポの曲、迫力ありましたね!実は第2戦は私、1階席で観られたんですが、この曲に乗せてのカウンターは、迫力が段違いでした。
そういえば馬がいななくSEが入ったディフェンスの曲がありましたが、あっちがオフェンスの方が合ってるのでは。

ところで肝心の試合内容ですが、とにかく試合展開が速いので一瞬たりとも目が離せません!これはカテゴリーが違っても変わることのない、バスケそのものの魅力、まさにバスケの原点を見る思い。両チームの全力の攻防に、心奪われておりました。
しかし、素人の目線で申し訳ないのですが、今まで私が観戦してきたB1と、目の前のB3…その差を感じた部分もありました。特に集約すると、
・フリースローが決まらない
・3ポイントシュートが決まらない
・ダンクが出ない

この3点でしょうか。

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試合前練習の締めくくりに、#3エイケン選手が175cmの身長からダンクを決めるというデモプレーがあったので(これは恒例になりそう!)、試合中にもダンクを観たかったのはありますが、試合展開もありますし、まあ「ダンクが出ない」のはまださておいても…
フリースローが決まらないケースが多かった(=「違う、そうじゃない」が連発されて、またイライラがつのる)のと、3ポイントシュートがなかなか決まらない点。まあこれはブロンコスのみならず、金沢武士団のプレーにも感じたものなのですが。
日頃とどろきアリーナで、サンダースの辻直人選手が3ポイントをガンガン決めているのを観ていたこともあるせいか、プロのレベルでも、こんなにも決まらないものなの?とも。今まで観てきたものが凄すぎたのかな…

でもそういう物足りなさを、全力のぶつかり合いがカバーしていたところはありますね!身近で観る攻防、体と体のぶつかり合い。

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金沢武士団の#24マレー選手の重戦車みたいな攻めにも心惹かれました。もちろんブロンコス選手の必死で献身的なプレーにも心を打たれるものがありましたね。
そして開幕戦早々に「バンバン」を封じられ、途中で話すことが少なくなってしまっていたMCゆーまろさんも、第2戦の後半あたりは、かなり熱量のこもった、本気のシャウトをお客さんに届けてくれていました。「みなさんの力が必要です!」とばかりにブースターを鼓舞するゆーまろさんの声が、追撃ムードを盛り上げてくれていました。「今日のMVPはMCだったね」という声も、既存のブースターさんからあったようです。

そうやって新しい、赤い絆が生まれていくといいですね。

そういえば、選手と選手がぶつかり合って、試合が止まるケースも多々ありました。できればもっと、なんでプレーが止まったかを、MCさんからお客さんに教えてくれると嬉しいですね。ルール説明を補完してくれるビジョンもまだないようですし、そんな部分でMCゆーまろさんの出番はまだまだ増えてきそうな気がします。

あとツイッターで見かけたのですが、ブロンコスには伝統的に?「魔の第3Q」というのがあるそうですね。まあ検索してみると、いろんなチームにこれがあてはまるようなんですが、とにかく第3Qで逆転されることが多いのだとか。実際開幕戦では前半リードしていながら、金沢に第3Qだけで31点とられて逆転されていましたし。でも第2戦では、最終的には敗れたものの、かなり粘れていましたしね。
そういう、今までのブロンコスが持っていたジンクス的なものも知ることができると、よりブロンコス初心者としては興味がわくかもしれません。逆に偏見を持ってしまうことにもなりうるのですが、それをチームが変わって打ち破れるようになったよ、ってことになったら、楽しいじゃないですか。なんかそういうストーリーも知りたいですね。

…あれ、私、ブロンコスに興味出てきちゃってるのかな…?

で、結局のところブロンコスは、開幕ホーム2連戦・2連敗で終了。さらに昨日今日の初のアウェイゲーム(対アイシン・エィ・ダブリュ アレイオンズ安城)でも連敗と、0勝4敗の10位(11チーム中)。きわめて厳しいスタートを切っているようです。
とはいえ、スポーツチームの価値は必ずしも、勝ち負けだけではありません。そのフランチャイズの人たちに、ファンやブースターの人たちに、どれだけ楽しい時間を与えられるかというのも大事なところですよね。

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お客さんは開幕戦が510名、第2戦が551名。少ないようにも思えますが、ソーシャルディスタンスを保った座席でしたし、実際にはほぼほぼ駒場体育館は埋まってましたしね。なによりも第2戦の方が人が増えていた、というのはひとつの大きな成果じゃないでしょうか。

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今思えば、ベイスターズもいろいろな新しい試みをやっていましたが、実際に毎試合満員御礼になるまでは3年とちょっとかかっています(写真は2年目の2013年9月22日・日曜日、中日戦)。そして満員御礼を連日記録するようになった一番のきっかけも、チームが実際に首位争いに絡むようになってからー前よりも強くなってから、でしたしね。
フロントがお客さんを呼べる仕掛けをし、そしてお客さんが来てくれた時にどれだけ面白いゲームを見せることができるか。そして勝てるか。その繰り返しで、ブロンコスを気にかける新しい人たちもきっと増えるでしょうし、離れていった人たちも戻ってくるかもしれません。

しかし開幕から4連敗。ここまで来ると目の前で、ブロンコスの「初日」を観たくなってきますね。次の試合は1月30日(土)と31日(日)の東京エクセレンス戦。アウェーです。しかし場所は板橋区小豆沢。なんだ関所越えて赤羽からすぐ(ってほどすぐでもないが)。ほぼ埼玉県に隣接した位置ですね。
しかしこの試合に対して、東京エクセレンスの公式が冴えた仕掛けをしてますね。「緑絆」というサブタイトルをつけています。緑を捨てたチームに対して、緑を守るエクセレンス。かたや「赤い絆」、かたや「緑絆」。いいちょっかい、かけてますね。バチバチ、ギラギラ。期待しています。

そしてやはり、ホームで勝つブロンコスも観てみたいところ。先に挙げた選曲がいろいろ独創的だったのもあって、ホームでブロンコスが勝ったらどんな雰囲気になるのかも観てみたいところ。どんなBGMが流れて、どんなパフォーマンスがあるんですかね。ちょっと観てみたい気がしています!
次のホームでの試合は、2月6日(土)と2月7日(日)の対岩手ビッグブルズ戦。日本薬科大学さいたまキャンパス体育館という会場なんですが、調べてみたらこれ、伊奈町ですよね?最寄駅がニューシャトルとは…これもまた、なかなかに刺激的ですね。次からは有料になるのか、それとも…など、いろいろ気になるところですが、あのハートわしづかみポニーちゃん、実は普段は伊奈町の乗馬クラブ「クレイン伊奈」にいるそうなので、次に行けば逢えるんですかね?ちょっと楽しみです。名前の公募がどこでやっているのかも含めて。

と、こんな感じで、ブロンコスの次の試合はどこなの?とか、試合結果どうなった?とか。ちょっとずつブロンコスのことを「自分事」として考え始めているのかも。まだまだハートわしづかみ、というところまでは来てないかもしれませんが。
でも私にとっては、地元・埼玉に新生したチームでもあり、そして近場にできた新しい選択肢。私の中に興味が増えてきたのは確かなようです。実際B3TV、どのプランに入ろうか今、迷い始めていたりして…

そんなわけで、新生さいたまブロンコス、まだ歩み始めたばかりのようですし、これからも従来のブースターの皆さんの目の前には、池田氏のタクトから、いろいろな「誰も歩いたことのない道」が現れると思います。その道には、ちょっと歩みにくい、渡りづらいデコボコ道があるかもしれませんし、気持ちまで揺り動かされることがあるかもしれませんが、その時にはぜひ、チームと意見を交わし合いながら進んでいってほしいと思っています。ベイスターズよりもブロンコスの方が、だんぜん距離が近いと思いますし。ブースターの思いが届くことは、チームのやっていることがブースターに届いている証でもあるはずです。

まだ新生ブロンコスに出会っていない皆さん、まだちょっとアリーナの場所が遠いかもしれませんが、いななき始めたばかりの暴れ馬、新生ブロンコスに乗ってみるチャンスは今、かもしれません。
B3からB2へ、そしていつかはB1へ。
越谷アルファーズとの埼玉ダービーも実現するかもしれないし、
池田氏にとって因縁の、川崎ブレイブサンダースとの出会いもあるかも。
他の埼玉プロスポーツチームとのコラボレーションもありうるし、
さいたまスーパーアリーナで試合をする時もいつか…
語られるはずの物語は、きっとまだまだこれからたくさんあるのでしょう。

新しいチームの日々は、きっとまだまだスタートライン、これから始まる大レース。ぜひ注目してみてください。私もブロンコスの話題を追いかけながら、いち埼玉県民として、ブロンコスのうわさが他の誰かから耳に届くようになることを楽しみにしています。

以上、個人の感想にお付き合いありがとうございました。

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このチームに、ウマが合うようでしたら、皆さま、ぜひ。

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