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読書メモ

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記事一覧

BADモードを聴きながら

BADモード耳に春の街歩き、 思考回路はショート寸前の紫。 それらを俳句にまとめおる4月1日。 …

仲村 次朗
2年前
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初夏の夜環

また今年(こんねん)も夏が来て、 夜は、蒸気で出来た白熊が、 沼をわたつてやつてくる。 ―…

仲村 次朗
2年前

ベイコン画集

仲村 次朗
3年前

なんとなく知る(なんとなく)

山のあなたになほ遠く 「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。 『山のあなた』カール・ブッセ(訳:…

仲村 次朗
3年前

暗示せる音

もしわたしの心が女の故に迷い わが友の戸口にわたしが待伏せしたことあれば わたしの妻が人の…

仲村 次朗
3年前
1

まだ花寒し桃の花

東京は春まだ寒き雛祭梅のさかりに桃の花を売る 正岡子規 背に負うて桃の花売り実を思う

仲村 次朗
3年前

厚塗り

暁の果てに、この平らな町ーー べったりと拡がり…… そしてこの無気力な町の中の、唖然とするほど自らの叫びを素通りしてしまうこの騒々しい群衆、そして、心穏やかに、自らの動きを、自らの意味を素通りし、その真の叫びを、それだけがこの町のものであると感じられるがゆえに、町のどこか、闇と矜持の奥まった避難所にそれが住むと感じられるがゆえに、聞きたいものであった、ただひとつの叫びを素通りしてしまうこの町。この無気力な町の中の、飢えの、悲惨の、反抗の、憎しみの叫びを素通りしてしまうこの群

秋と狂気の中世

人間の心は自然から暴力へ、 暴力から道徳へと歩む サン・ジュスト 人間たちはかくも必然的…

仲村 次朗
3年前

匿名の原罪

賭されているのはまさしく「面(つら)」なのだ。賭されているのはすなわち、踊りの仮面であり、…

仲村 次朗
3年前

マクベスの凪

マクベス こんないやな、めでたい日もない。 『マクベス』シェイクスピア 風や凪野分の目ラ…

仲村 次朗
3年前

外から焦げついた記憶

焼け跡のゴムの匂いや擬郷愁

仲村 次朗
3年前

10号

伊勢湾級憎悪もの皆逞(たくまし)う

仲村 次朗
3年前
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内なる国境考

だから、本物の国民が、農民的な姿をとって現れもするのだろう。そして、贋の国民は、都市にむ…

仲村 次朗
3年前
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コラムニストの憂鬱

空蟬の世は憂きものと知りにしを   また言の葉にかかる命よ 『源氏物語』ー夕顔ー 紫式部 コトの端に かかる命や またコラム