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オールドファッションカップケーキ

今回の作品の感想は丁寧に書いた方がいいなと思ったのと、1話ごとに書いたんだけど長い!
1万7千字あります。
適宜飛ばしながら読んでください。

まえがき

柳さんと見た!

スリル・ミーの配信を見て木村達成さん………となったので、木村達成さんがメインの登場人物を演じていてハッピーな結末で終わりそうなこのドラマを一緒に見てもらうことにした。

普段見ている映像作品はホラーや暴力、サスペンス要素が強いので、こういうラブロマンスを見ると眩しさでやかれるような気分になる。

ちなみに筆者はこの作品が漫画原作という事は知っているけど、その漫画は未読。普段商業のBL漫画は読まない。
武田航平さんと木村達成さんと水石亜飛夢さんという3人の俳優さんの演技とお名前を知っているだけの状態でこのドラマを見ている。
といっても武田さんは仮面ライダーキバ、後者の二人はスリル・ミーを除いたらミュージカルテニスの王子様2ndでちゃんと見た以来なのでかなり昔の記憶である。
(追記:めちゃくちゃ嘘ついてた。水石さんはこの間「ベイビーわるきゅーれ」で拝見してたのでテニミュ出身の二人は結構最近のお芝居見てます。)

この作品は日本の作品としては珍しく日本語の字幕が付いていて、尚且つ細かく文字起こししてあって助かった。
見ていると登場人物の名前がごっちゃになったり、覚えられないこともあるんだけどセリフの前にその登場人物の名前まで表記してあってかなり親切。

さて感想。

1:パンケーキは後悔の味

野末さんの一番最初のシーンでジッポーライターとハイライト、クリアなガラスの灰皿が出てきた時点でマメな人なのかなと想像させる。
ジッポーライターって適宜オイルを入れなきゃ使えないし、煙草に火を付けた時に独特の香りがするので、こだわりがあってマメな人じゃないと使っていないイメージがある。
ガラスの灰皿もすぐ汚れが目立つだろうし。

というか野末さんってハイライト吸ってるんだな。重めだし匂いも強いのに……

と思っていたら引きの部屋の画がものすごくおしゃれだったのでやっぱりこの人センスが良くてマメな人なんだろうな……と確信した。

フライパンでウインナーを焼きつつ卵を片手で割る動作や、作り置きしておいたきんぴらごぼうを皿に乗せたり、汁物や緑を付けたりして朝食を完成させるのがあまりにも丁寧な暮らしをしている人で眩しい。
朝から自分のために満ち足りた食事を用意できる人だ。

なのに床にぺたんと座ってご飯を食べているのが何ともアンバランス。いかにも色調が合ったダイニングテーブルと椅子がありそうな部屋なのに。
そしてテレビに向かって思わずツッコミを入れてしまうあたり、一人で暮らしている期間が結構長そう。

オープニング曲が柔らかい歌声で素敵だ。
この作品とよくマッチしてる。

失敗して代わりに謝った部下の中村に向かって「何言ってんの。どんどん迷惑かけてよ。上司なんてこんな時くらいしか活躍できないんだから。普段はおんぶに抱っこで……」「ってことで中村君。ここからの巻き返しもがっつり頼りにしていいかな?」って返す時点でもう野末さんという人に対する信頼がかなり上がった。
こんな上司みんな好きになるでしょ。かなり良い人なんだろうな。案の定部下たちも男女問わずメロメロである。
「でもさ、モテるのになんでひとりなんだろ」は余計なお世話の会話すぎると思うけど、彼らに他意は無いんだろうな。
この職場、ご飯のお店を探しているだけで「デートか?」と声をかけられたりするので、人は悪くないんだろうけどかなり居心地が悪そう。放っておいてくれ〜

野末さんのためなら残業できる〜と沸く人たちに向かって「皆さん、俺は野末さんに残業させる気ないですよ」ってピシャッと言い放つので、最初の方は外川ってこの部署で少し浮いてるのかな?と思いながら見ていた。周囲からの目を気にしない言葉をスパッと言える人。

人事部長の桐島さんに「寿司行く?」って誘われて、「行く行く。桐島のおごり?」って言うシーンでは、同期とはいえ女性人事の桐島さんに対してデスクを挟んでグッと距離を詰める。
野末さんは物理的にも人とグンと距離を詰めて仲良くなっていくタイプなのかな。

全館禁煙なのに喫煙しているところを外川に見つかって咎められたけど余り反省している様子なく、そのまま消臭スプレーを振ってもらうシーンでは外川があまりにもスプレーを念入りにふるのでスーツの表面がびしょびしょになっていそうだった。
このシーンの外川ってあらぬところから出てきたし、なぜか外階段で上から降りてきたのでもしかしたら野末さんがいそうな場所を探していたのかも。野良猫じゃないんだから。

外川は野末さんに昇進して欲しいけど、「もう39だし」とか「面倒なんだよね。なんかそういう競争みたいなの」と言って諦めているところを見るのが悔しそう。

このお話の季節っていつなんだろう。野末さんも外川も寒そうな服装をしているけど、光が暖かい色をしているのであまり寒々しくは見えない。
2〜3月くらいかな。

取引先に謝罪をした後で公園で煙草を吸おうとしている野末さんに「喫煙所ですか?ここらにはありませんよ」と言いながら缶コーヒーを渡す外川って、自分は煙草を一切吸う様子がない(野末にも禁煙を勧めている)のに喫煙所の位置を把握しているので野末さんからの好感度アップ&話題作りのために毎回探してそう。
この話の最後の場面でも喫煙所の場所を把握してある場所を教えてくれている。なんなら野末さんより詳しいくらい。

野末さんが眩しそうな顔で女子高生たちを見ながら女の子っていいな、野郎がはじけたところであのハッピーな感じにはならないでしょと言っているシーン、すごくわかる。
女子高生って二人で笑い合っているだけで輝いているし、周囲からお花が出ているように見えるんだよな。概念としての羨ましさがある。

「じゃあキャピキャピ自撮りしてみますか」って言っておもむろにスマホを取り出して構えてみせるものの、野末さんに「いや、それは……」とそれとなく拒否されてスッと流れるようにスマホをしまう外川のシーン、せっかく野末さんの写真をカメラロールにおさめるチャンスだったのに……という残念さを感じる。

でも野末さんに「でももし俺が女の子だったら、外川と恋バナしてキャピキャピ自撮りしたかったかも。外川優しいからそういうの付き合ってくれるだろ?」って言われて、その言葉を噛み締めるように、嬉しくて口角が上がってしまうのを隠すような澄ました顔をしている外川。
改めて見直したら表情からバレバレだな。

「俺はイケメンですか?」「うちの女子社員が言ってたよ」「女子社員がですか……」のくだりも、無表情でやってるけど野末さんの言葉じゃないのか……という落胆が滲んでいる。野末さんにならイケメンと言われるのが嬉しいのかな。

その後桐島部長に電話をかけて「(昇進したとしても)何がしたいのかわからないし」と言って断る野末さんを見て、「何をしたいのかわからない」と面接で言い放った自分を思い出し、“女の子ごっこ”を提案してパンケーキ屋さんに行く外川。
お互い一歩踏み出すためには女の子ごっこという建前が必要だったのかもしれない。
元々外川は野末さんのことが好きだったんだろうけど、その上でこの状態の野末さんをこのまま放っておいてはいけないと危機感を抱いたんだろうな。

「俺もう40だよ。四十路だよ?恋なんかする年じゃないでしょ」って言う野末さんに、
「野末さん怖いんでしょ。恋愛するのも、昇進して新しい仕事任されるのも、責任が重くなるのも。こうやってパンケーキを食べるのすら怖いんでしょ。四十路手前で仕事しかしてこなかった自分に気づいて、でも何をしていいのか、何をしたいのかも分からなくて、若かった頃みたいに素直に“分からない”って人に言えないことが怖くて。分からないまま新しいことをして失敗するのが怖くて。このまま30代を終えようとしていることが怖くて。今まで仕事に情熱を注いできたことまで後悔してるんでしょ」
と言う外川、1話から野末さんが抱えていることを全部言うじゃん……!?と思って驚愕してしまった。
この場面のセリフを文字起こししたらいっぱい喋っていたし、野末さんが抱えているであろうことを本当に全部言っていた。

人の図星を突くって良いことだとは思えないし、暴力的でもあるし突然みぞおちを殴るようなものだから、相手が野末さんじゃなきゃかなりキレられていただろうな。
野末さんもよく机をバン!と叩いて立ち上がっただけで済ませたな。でも理性的な印象が強い野末さんが衝動に任せて人前で机を強く叩くくらいには怒っている。

ここまで真実を突きつけないと野末さんは変わってくれないと思った結果捨て身で言った言葉なんだろうけど、荒療治だなぁ。
こんなこと言って野末さんに嫌われるかもしれないとか、思わなかったのかな。好きな相手にこの言葉をぶつける勇気よ。
外川って男はあまりにも真っ直ぐに自分の信念に沿って生きている。

それに対して「俺もお前だから怒らないだけで、俺以外に言ったら絶対に殴られるやつだからな」と言う野末さん。
この場合の「お前だから怒らない」って、外川とあらかじめどれだけの信頼度がある上での言葉なんだろう。
例えば同じ部署の中村くんから言われてたら野末さんは怒鳴っていただろうか。
外川のことどのくらい特別に見ていて、怒らないという選択肢をとったんだろう。

「俺の目をごまかせなかっただけで野末さんはいつも完璧な上司です」「なんで外川の目は誤魔化せないのよ」「好きだからです」「えっ?」のくだり、外川、純粋で愚直な男……と眩しさにくらくらした。自分の好意を真っ直ぐアプローチする。
流石に一瞬しまった、という顔をした後でその後言葉を選んで「野末さんと仕事するのが」と続けるけど。

「野末さんが幸せになるお手伝いをしたいです」と言うところは外川にとって告白に近い言葉だったんじゃないかな。
でも同性というだけで、これだけ熱烈な言葉を重ねても恋愛の対象には一切入らないので厳しいものがあるよ。もし自分が外川だったら心が折れそうだ。
でもこのドラマは始まったばかりなので外川のアプローチはここからです……

パンケーキを一口食べて、パァッと顔を輝かせる野末さんのシーンは何度見ても愛おしい。そりゃ外川もその表情の輝きを噛み締めるように笑う。
そして「外川くん」と呼ばれた瞬間ニコニコしていた口角をいつものようにシュッと戻し、キリッとした顔になるのも愛おしい。
パンケーキを撮るのにかこつけて野末さんも写真におさめるの、ちゃっかりしている。

パンケーキを口にもりもり頬張ってほっぺたがパンパンパンになっている外川を見て、就活生として面接を受けにきた外川が外で同じくほっぺたパンパンパンにしながら肉まん食べてたところを思い出す。頬に食べものをいっぱい詰めるのは外川の昔からの癖なんだな。

過去野末が彼を変えた言葉をふと思い出す。
それをたった今、彼から自分に向けてかけられたことも思い出す。
目の前の、口に生クリームつけながらパンケーキいっぱいに頬張ってる外川を見て。

2:彼にお似合いのスーツ

外川の起床→上裸にパーカーだけを羽織るサービスシーンで始まって笑ってしまった。身体が引き締まっている。
外川、白のTシャツが異様に似合う。信じられない。UNIQLOのモデルとかをしたら服の売り上げがかなり上がるんじゃないか。

昨日の飲み会の時にもちゃっかり写真を撮らせてもらったのがカメラロールを見てニコニコしているシーンで判明する。よかったね。

牛乳パックを冷蔵庫から取り出して直飲みしてたのでびっくりした。牛乳なんてただでさえダメになりやすいしコップを使いな!?まぁでも洗い物増えるしな……
低脂肪乳なのがジムに行って体型に気を遣っている人だと感じさせる。
雑さはあるけど、これが外川の生活なんだろうな。野末さんとは対照的な描かれ方だ。

取引先の女性が野末さんに好意を寄せているっぽいというシーンで、「モテる男はつらいなぁ」と茶化していう野末に外川が「茶化さなくていいですよ。好意に全く応えられないつらさが悪ってことにはなりませんから」と言うんだけど、外川はおそらくゲイだろうしイケメンだと持て囃されるような容姿を持っているのもあって、過去この「好意に全く応えられないつらさ」を多く感じながら生きてきたんだろうな。その結果この考えに辿り着いたんだろう。ある種の、自分を守るための考え方。
一転「モテる男を好きになる方が1000倍つらいかもしれませんが」は今の自分の話になっている。

その言葉に「待って。やっぱり俺が行くよ。(略)それにもしほんとに1000倍つらいのだとしたらそれを“面倒くさい”だけで片付けるのは、それはもう悪でしょ」と真摯に向き合う野末さん、外川にとっては野末さんに好意を持っている人と会ってほしくて言った言葉じゃないのでもどかしい。
この言葉は外川にとってもある種の救いになるんじゃないかと思うんだけど、どうだろう。それともこうやって野末さん本人が相手をしてくれる女性のことが妬ましいだろうか。
でも野末さんの誠実な面が見られてより好きになっていそうだな。

スムージーを飲んでほしいがために大人と子どもの体感時間がなぜ違うのかという点を滔々と語り出す外川、めんどくさい男だ。
またこのスムージーを飲んだ瞬間の野末さんの美味しい!ってパッ!と輝くような笑顔が良い。外川って野末さんのこの表情が見たくて新しいものを買っているでしょ。

外川の笑顔を見て「外川ってさ、笑うとかわいいんだな」と言う野末さんってそういうことをさりげなく言うから多数の女性方がその気になって好かれているのか、それとも相手が外川だから油断してこういう口説き文句のようなことを言っているのか。
でもあまりにもさらっとした言い方だったから普段から口にし慣れているのかもな。
外川も外川で流れるように明日パフェを食べに行きましょうという約束を取り付ける。アプローチがスムーズ。

「優しいじゃん」に対して「そうでしょう?優秀で優しい。優良物件でしょう?」と返す外川は自分のことを優秀で優しいと思ってて自分に自信があるのがヒシヒシ伝わってくる。野末さんのためならいくらでも優しくなれる男。
「うん。それにイケメンだし?」とダメ押しのように野末さんに続けられて、思わず口角がにゅんと上がってしまう。

イケメンなんて今まで聞き飽きるほど言われてきただろうに、野末さんに言われると新鮮な気持ちで嬉しいと思える。
野末さんが自分の顔をイケメンだと認識してくれるのが嬉しいという感情が外川の表情からビリビリと伝わってくる。
このイケメンと言われまくるキャラクターの外川に木村達成さんのハンサムなお顔が説得力を与えている。

パフェを食べに行く日の外川、カーキの上着にベージュのトレーナー、ジーパンというシンプルでカジュアルな服装なのに、恐ろしくかっこよくて凄かった。こんなにもシンプルな服なのにこんなにビシッときまってしまう人がいるんだな。
肩幅が結構あるからなのか服がものすごく似合う体格(?)かつ、その体格に似合うお洋服をスタイリストの方が選んでいるというのはあるんだろうけど、お顔が濃いからカジュアルな服装が地味にならないんだろうか。すごいな。マジックだよこんなの。
やっぱりこの会社を辞めてすぐにでもモデルをした方がいいよ!

野末さんと外川の二人を見ていると、人が自分の顔を評価しているのがどこに行っても聞こえ続けるってかなり苦痛だろうな……と思う。気がおかしくなりそう。

野末さんがベストにシャツを合わせるような綺麗めな服装、一方外川がカジュアルな服装なので対照的だ。
シャツって生地によってはアイロンをかけなきゃいけないだろうし、マメな人の服装ってイメージがあるのでぴったり。

パフェを食べてまたパッ!と輝くような笑顔をする野末さん、それに思わず笑ってしまう外川、幸せがここにある。
自分が写真を撮られたので外川の写真も撮ってあげようとして「貸して!撮ってあげる」と言ったら、外川が店員を呼んで「(2人の)写真撮ってもらえますか?」って言うので!野末さんが思わず「えっ」と言ってしまうところでこちらもえっ!?と思った。
写真を撮るために店員さんを呼んだ試し、無し。
一緒にいる相手がそれをしたら勇気あるな〜!と思ってギョッとするかも。
わざわざ呼んだ店員さんにパフェと一緒の撮られるというシチュエーションが恥ずかしくて表情が死んでしまう野末さん。

そして毎週色々なお店に行って甘いものを食べる二人のシーンが続くんだけど、これらのシーンの会話がものすごく自然で良いのでもしかしてアドリブかな?
色々なお店に行くたびに写真を撮って、お互い撮り慣れ、撮られ慣れていっている。

野末さんが三つ揃えのスーツを着てきてご満悦!って顔をしている外川、自分が言ったんだもんね。そりゃ嬉しいよね。

最近野末さん元気そうですね〜って話で「もしかしてにゃんにゃんパフパフ的な店で野末さんの野末さんを……」ってグヒグヒ笑いながら話しちゃう中村くん、今朝だし、女性社員目の前にいるし、女性が近くにいなくてもそんなこと言っちゃダメだしすぎてどうしようもないんだけど、外川に野球ボール(なんである?)を投げられて「この後打合せだろ」って言われて大慌てでバッタバタしながら打ち合わせに行く時の仕草がコミカルで憎めないんだよな。ドン引きはしたけど……

外川さんと行くランチのお店をご機嫌で調べてたのに、当の外川さんはホワイトデーだからって女子社員のことをランチに誘っており、それを目撃した外川があからさまに不機嫌になるシーンではそのお顔で不機嫌オーラを出されていたら迫力がえげつないよ。圧があるからやめな〜?と思っていた。

外川は「俺にはホワイトデーなんもないんですね」って言っていたけど、もしかして野末さんにバレンタインのお菓子とか、何か渡してたのか?
だとしたらホワイトデーをスルーされたの不憫だな。

実は野末さんが女の子たちとランチに行ってた理由がいつも外川に色々なところ連れて行って貰っていたからたまには自分で調べたくて、という理由だったので途端にイライラを忘れてしまう外川はあまりにも単純。
嬉しさを噛み締めていたら勘違いした野末さんが「あぁ悪い、もうおしまいだった?女の子ごっこ。楽しかったからつい調子乗っちゃって」と勝手に超スピードで一人反省会を始めたので大慌てで「行きましょう!」って言う。
野末さん、急にバッドに入るな。

野末さんがコーヒーを淹れてあげた後さりげなく外川のマグカップと自分のマグカップで乾杯するのってこの二人にとってはこれが日常なんだろうな。

一緒にランチに行った受付の女の子たちの真似をして「外川くんってさぁ、イケメンだよね〜!イッケメーン!」って言った流れで「ねえねえ外川く〜ん 抱いて ねえ抱いてってば〜」って飛ぶの、びっくりした。
さっきの中村くんのくだりもそうだったけど、この作品ってジャブとかのなんの前触れもなく直球の下ネタに話が移るので、それでまでの会話との温度差に戸惑うことが結構ある。
そりゃ外川も怒ったような顔になるよ。そして外川がキッとした顔になると凄みが出るので野末さんが(あっ……やっちゃった?)って表情になる。
まあふつうにセクハラだしな……

野末さんが抱いてって言ったからいいよな……?と思って怖い顔のままどさくさに紛れてハグする外川、「これも老化防止対策です!」で全てを丸め込もうとしてないか?それは万能な言葉ではないぞ。

あとしっかり野末さんのスーツのことを「素敵です」って褒める。
自分がリクエストしたようなものだもんな。リクエストにお応えいただいたならリアクションを返したいよね。

3:手料理とボーイズトーク

冒頭から野末さんがスマホに買い替えている。保守的な価値観から卒業しつつある証拠なのかな。
改めて野末さんのベージュのスリーピーススーツは武田さんの柔らかい雰囲気と合っていて素敵だ。

女の子ごっこを意識しないようになった、そういうことじゃなかったんだよね、とこぼす野末さん、ようやくそこに気付きました?
結局野末さんは甘いものを食べに行って楽しく過ごしたい気持ちを甘いもの=女の子が食べるものと結びつけて、じゃあ自分も女の子だったら食べに行って楽しく過ごす権利があったのにな……と嘆いていた人なので、40手前の男性でも、男同士でも、パンケーキやパフェを食べに行って良いんじゃん!と気付いたことで女の子ごっこはどうでも良くなったんだな。

でも外川は女の子ごっこを建前にして野末さんとスイーツを食べに行って写真を撮りあっていたので他に野末さんと出かけられる理由を探す過程でお礼をしてもらう話になり、「じゃあ、体で払おうか?」って言われてギョッとする。

肉体労働のことを普通は体で払おうかって言わないのよ。また突然話が飛んだ。
野末さんって外川が自分を好きなことに薄々気付いていて、その上で外川が動じるのが面白くて挑発するような言葉を選んでるんじゃないか。
外川が自分に加害してくる訳がないと油断していて、打てば響くのを面白がっている印象がある。

そして今日家行くのOKしたんだ。確かに外川からすれば好きな人が自分の家に来てくれるまたとないチャンスだもんな。
部屋の前で人を待たせるの、リアルで良い。
外川の部屋ってあまりにも物が少なくてかなり生活感が無くないか?と思ったんだけど、生活感が無くなるくらい棚に全てを詰め込んでいるんだろうな。

野末さんが料理をしている後ろ姿を一瞬ポーッと見つめているのって野末さんが自分の家のキッチンに立っている……と信じられないような気持ちになっているのかも。

料理をしている野末さんの真後ろにピッタリと立っている場面の「テレビとか見てて良いよ」「邪魔ですか?」「うん、でかくて邪魔〜」(外川ゆっくりしゃがむ)「いや、高さを変えたとてよ」「とて……」(ゆっくり去っていく)のやりとりがあまりにもキュートでびっくりした。この作品で一番好きなやりとりかもしれない。こういう会話いくらでも見ていられるし、見ていたいよ。
しかもどうやらこのシーンのしゃがむくだり以降はアドリブみたい。雰囲気がいい。

机の上に置いてあるご飯を見つつ「いただきます」と言う外川のまつ毛の長さに愕然とした。すごいな。
このシーンで野末さんのことはソファに座らせて、自分は床に座っているのが外川らしい。

花嫁花婿云々の会話をした後で新しくよそってもらったご飯を食べた時、熱そうに眉根を寄せて息を吐いていたのが良かった。
口いっぱいにつめるから余計熱かったんだろうな。口の中火傷しなかったかな。

ご飯を食べながらエロ本の話して、「オカズはなんですか?」「俺は好きな人で抜いてます」って言うシーンでいいの?ご飯中ってこういう話嫌じゃない?と思ったけどどうなんだろう。
エロ本の話を始めた野末さんの方が思ってたより具体的な返答が来たことに戸惑って会話を切り上げていたけど、許容範囲がかなり不明だ。
また下ネタのスピードに置いて行かれてしまった。着いて行きたいという気持ちはある。

外川は動物園に誘ったり、自分の家にまた来てって言うのがうまいなと思う。ここでたじろいだら負けるからな。
グイグイアタックしていって次に会う予定を勝ち取るのが大事なんだろうな。

家に帰り「好きな人かぁ」と呟いて外川のことを思い出して外川にメールするのって外川のことをかなり好ましいと思っているからなんだろうけど、この時点で野末さんは外川のことがどのくらい好きなんだ。
外川からメールの返事が来なくて1日中気に病んで外川にそっけなくしてしまうくらいには好ましく思っているんだろうけど……

メールの返信が来ないことを気に病んでいる野末さんのムーブ、10代か?という感じであまりにも初々しい。
昨日ご飯を作ってあげたのに急にそっけなくなるので外川からしたら風邪で体調がかなり悪いのかなと心配になるだろうし、さらに自分が何か昨日しただろうか?と思って不安になるよ。

野末さん的には久しぶりに独占欲のようなものを感じて、自分でもどうすればいいかわからなくなっちゃったんだろうか。
結構長い間恋愛してないのかな。それとも恋愛はしててもここまで夢中にならなかったのかな。

あと外川の家でもビール飲んでたけど家でも3本ビール飲んでてびっくりする。めちゃくちゃ飲むじゃん。それでそのペタンとしたお腹は無理だよ。
あとくしゃみが静かで可愛い。
マスクをつけると顔の小ささがかなり際立つ。

中村くん、やっぱりかわいいな。デリカシーの無い発言はあるけど、なぜか愛おしくなるタイプだ。
水石さんの演技が良い。もう少し出番が欲しかったな〜

野末さん、外川はこんなに心配してくれてるし職場でも会っているのにどうして返信一つでここまでバッドになっちゃうんだ〜
野末さんって変なところが繊細で、相手が誤解しちゃうような後退り方するよな。

「泊まって行ったら?布団あるよ」「布団あるよ……」の会話、何?なんで?のてんこ盛りでびっくりしてしまった。
野末さん的にはもう遅いし帰らせるのも申し訳ないくらいの気持ちだったのかな?どういう意図で言ったの?やっぱり外川のことを弄んでない?
そして外川は外川で布団があるってことは昔この家に泊まった人の匂わせをされていることになるので、泊まる許可がおりたのは嬉しいけど複雑な心境かな。

「なんで避けてたんですか?俺のこと。(略)明らかに無視してましたよね。俺なんかしました?」外川、よくきいた。コミュニケーション大事。
それに対して「アンチエイジングは終わったのに急に家に押しかけたり、夜中にメールしたり、ただの職場の上司なのに、ちょっと変っていうか……」って言うの、なんでこう野末さんって器用なはずなのにもっと、もっと良いようにならないのかな……と手をろくろの形にしてしまう。
時々こういうコミュニケーションにおいて突然10代の恋愛始めたばっかりの子??みたいな幼さを発揮する野末さん。

「ずっと確認してたもん!」「もん……?」のところもかなり幼さを感じる。ここ、野末さんのギャップなのかもしれない。
コミュニケーション音痴(?)というか。職場でのスマートな振る舞いは引き出しにあるけど、プライベートの個人間のコミュニケーションは急に距離感を誤る感じ。

1日中返事を待ってたのに、いざ確認したらしたで「うわ、すっごいメール来てる……こわ……」って野末さんが言うのめちゃくちゃで笑ってしまった。外川も返事こないな〜って思いながら追いメールを送信してたんだぞ。

ここで追いメールできるのって外川の良いところだよな。引かない心から自信を感じる。

そして一回出て行った野末さんの家にまた帰ってくるくだりはびっくりしちゃった。
ここでもし野末さんが起きてたら、鍵をかけるのを忘れてるし泥棒とか強盗が脳裏をよぎってかなり怖かったと思うよ。
そして防犯のためとはいえ鍵を勝手に取るのはアウト!アウトかも!と騒いでいた。その鍵って持って行っていいよってちゃんと言われてたやつ?
いやそうじゃないと鍵を手持ち用と予備の分とで机の上に置いておかないか……?どうなんだ?
この辺鍵を持ち出す許可をもらっているかいないかで外川の罪度がかなり変わるけど。

その上で寝ている野末さんの首にキスをするのはツーアウトです。顔とか口にしなかったのは外川なりの配慮なのかもしれない。いやでも寝てる人にキスするのはアウトかも!

4:死ぬほど好きな人

「鍵一つお借りしました」の置き手紙があったので無許可だったわ。でも置き手紙を残すだけマシかも。
野末さんがその辺りの意識がガバガバな人で良かったね……不用心だな……
でも野末さん的に気にしたのは「もう少し(鍵を)こそこそ返して欲しかった」なんだ……そこ……?ズレてない……?
でも外川は鍵をパクらなかっただけ健全かも。いやそんなことないか。そんなことないわ。

「野末は生涯独身で良いかもだけど、外川くんは結婚したいでしょ?だから合コンセッティングしておいたよ?来なさいね♡上司命令ね♡」は、わ、わ〜……!となってしまう。そんなプライベートなこと、会社が立ち入る領域じゃないよ〜〜〜
それに「まぁ、伴侶は欲しいですけど……」(野末の顔をチラッ)と返す外川、それ野末さんへのアピールの延長線のつもりなのかもしれないけど、全然アピールとして伝わってないよ。
当の野末さんは外川の「俺は好きな人で抜いてます」を変に誤解して気を回して行かせないようにしているよ。あぁ……すれ違い……

「会議があるので合コンはキャンセル……」「やっぱ行こう、今日の合コン」「そんな行きたいんですか。今日の合コン」「だってほら、何か良い出会いがあるかもしれないよ」
は〜〜〜!もう、野末さんってなんでそっちに舵を切っちゃうんだ。BLあるある、不器用コミュニケーション……

合コン前に紙ナプキンでメガネ拭いてる中村くんが癒しだ。
紙ナプキンでメガネって綺麗になる?傷が付かない?ってところ含めて良い。
中村くんが外川に「能面みたいな面だけはすんなって!」って言ってるけど、外川って能面フェイスというか彫刻フェイスじゃないか?お顔も眉も濃いし……
ほっぺたパンパンにした後咳き込んだ外川に「お粗相ですよ!こらこら!」って言う時の言い方も好きだな。

ガールとトークする野末さんをチクチクした顔で見る外川、視線が鋭い。刺さる。
自分のことが気になってる越智さんの質問もスルーしてお酒をガブガブ飲む。
それでまんまとヘロヘロになって野末さんは自分の介抱をするためについて来てくれることになったんだけど、これって優しい野末さんなら自分の方に来てくれるだろうという勝算ありきだったんだろうか。
越智さんが自分の介抱をするためについてくる可能性はなかった?結構捨て身の作戦だな。

珍しく俺みたいな野郎に付きまとわれるより若い女の子との方がいいですよね……ってバッドに入っている横で野末さんが「そんなことない。お前といると楽しいよ」って言ってくれた時に野末さん……!ってパッと顔を輝かせた後でバン!ってまたベンチで倒れるんだけどすごい音がして痛そう。
そしてベンチで寝ようとしてる外川を起こさなくていいのか?野末さん!?
外川身長180あるし、運ぶのめちゃくちゃ大変だっただろうに……
どうやって運んだんだ。すごいな。

パッと飛び起きて上裸でベッドの上に正座する外川を見て柳さんが「侍?」といっていて笑ってしまった。今すぐに切腹しそうな勢いだった。
体が引き締まっていてバキバキ。Tシャツを着る勢いもよすぎる。
あと前回に比べて外川の部屋に生活感がある。服とか物とかが床においてある部屋。

外川、コーヒーはちゃんと入れるんだな。
あとダイニングテーブルと椅子があるのもちゃんとしている。マグカップも2つある。あんまり自炊はしないのかなと思うけど、この辺はこだわりがあるのかな。

そして体力は大事、という話で急にセックスの話になるのでびっくりする。野末さんも野末さんで「下ネタはやめようよ」って言うけど、結構野末さんの方からぶち込んでくることも多いのでどの口が仰っているの……?という気持ちになる。
野末さん的にはどこからがアウトなんだろう。

初心者相手にとりあえずプランクからなんだ。キッツくない?と思ってたらAVが始まった。
あまりにもAVすぎたので外川は我に返って部屋の掃除を始める。今更すぎる。
そして外川にはジム以外にも大量に趣味があることが判明する。
そんな多趣味な外川が休日を野末さんのために費やしてしているという事の大きさよ。

外川が自分のことを大事に思ってくれている気持ちを伝えてくれるから「俺も外川だけだよ。こうやって生きてきたって思わせてくれるのは」って真摯な言葉を返すのに、外川の携帯に昨日の合コンの女性から電話がかかってくるので野末さんは急に男の分際で何を言ってるんだろうと我に返ってしまって、帰る宣言をしてしまう。
適当な用事を必死に並べたてて帰ろうとした瞬間、外川にキスされる。
許可がないキスは加害行為ですよ!と思うけど、これはフィクションなので一旦飲み込む。
ここまでしないと野末さんに好きな気持ちが伝わらないと焦った結果、咄嗟に身体が先に出た感じだった。

「口説いてます、口説いてましたずっと。死ぬ気で口説いてました。みじんも気付いてもらえませんでしたが。分かります、同性から口説かれることが多くの人の常識の範疇にないことは。しかも、職場の部下から。でも残念ながら俺にはそれが常識で。あなたを口説いてました。はっきり言わないととはずっと思ってたんですけど、怖くて……野末さんの常識にないことを言うのは怖くて。でも、こんなことして、こんなひどい形で言うことになってほんとすいません……好きです。野末さんが好きです。死ぬほど」って言葉を尽くして告白するのに「外川、」と何かを言いかけた野末さんの口を塞ぐのはずるいよ。
気持ちを伝えるだけ伝えて、相手からの返事は聞かずに「いいんです、わかってます。ただ、野末さんが俺のおかげだって言ってくれて、嬉しくて、すげえうれしくて……」とほろほろ泣き出してしまう。「殴ってください!」と言っても、もちろん野末さんはこんなことする人じゃないので拒否する。
ここ、野末さんもかなり苦しそうな表情をしている。外川の頬に触れようとするけど迷って手を引っ込める。

5:2本の傘と降り出した想い

「仕事は今まで以上にきちんとやります。ですから、これからも、普通の部下でいさせてください。普通の上司と部下を続けさせてください。虫のいいことを言って申し訳ありません」と言うだけ言ってきびすを返して部屋の中に戻ってしまう外川!バカ!

自分が暴力的なことをしてしまったという自覚があるがゆえに、野末さんから返事をきく権利なんかないと思っているのかな……
なおかつ向こうから自分を拒否されて、ただでさえ取り返しがつかないことをしてしまったのに相手からの言葉で傷付くのが怖いんだろうな。
でも一方的に気持ちを伝えて、向こうが反論する余地すら与えない方が暴力的だよ。良くないよ〜

次の週に職場に行ったら野末さんが自分の家に忘れて行った時計をそっと机の上に置いておく外川。ごんぎつねみたいだ。

今更だけど外川の時計が存在感のあるシルバー製で、野末さんの時計がシンプルな革製なの性格が出ていてかなり良い。

今まで通りって言ってたけど、やっぱりギクシャクしている二人。
そりゃキスしちゃったのに今まで通りなんて無理だよな。お互い言いたいことがあるだろうし、気になっていることもあるし、野末さんは外川にとりあえず一回怒ったら?
でも野末さんはあんなことがあった次の週でも外川をランチに誘うので本当はここで一回ちゃんと話しておくつもりだったんじゃないかな。

そして外川が野末さんに費やしていた日曜で同僚たちとキャンプに行く約束をしているところを見る野末さんはかなり複雑な顔をしている。
やっぱり外川は傷付く覚悟で一回野末さんの話を聞きなさいよ!

桐島さんと夜ご飯食べに行くって言ってるのにお店でパフェ食べてる野末さん、すごいな。普通のご飯食べた後にパフェ食べてるのかな。だとしたらかなり胃が元気じゃない?
新部署異動の話を前向きに検討することにして「あんた、変わったね」と言われたのもアンチエイジング効果だし、その度に外川のことを思い出すんだろうな。

飲み会で野末さんの隣に来た中村くんに言った「なんだ中村くんか」「……?、はい、えー、中村〜ですけど〜……😏💦」のくだりが可愛くて笑ってしまった。やっぱり好きだな……中村くん……
自分の飲んでたベリーのお酒を野末さんに取られそうになって「えっ!?あらっ!やだ!」って慌てながら言ってたのもキュートだ。
にゃんにゃんぱふぱふのくだりで一回限界まで株が下がったので、あとは上がるだけの男、中村くん。
そして外川からとばっちりをくらう中村くん。
そのベリーのお酒が飲みたいって言いだしたのって野末さんなのに何故か中村くんが叱られている。それに対してなんだよ〜!とか怒るんじゃなくて「あれ〜?」で済ませててまた笑った。中村くんの1日に密着した映像が見たいよ。

一方的にキスして傷つきたくないから返事を聞かなかったにも関わらず彼氏ヅラして野末さんが飲みすぎていたのを心配して送って行こうとする外川、すごい度胸じゃない!?
本当にあの日のこと無かったことにしようとしている?世話を、焼こうとしすぎかも!
というか一回腹を割って話しなさ〜い!

そして駅に行くまでに外川のことを考えていた最中で外川が自分を追いかけてきて、「駅に着く前に降り出すかもしれませんから」と言って傘を差し出してくる。
「ありがと。…………あのさ、」と話し出そうとした野末さんの言葉を「戻ります」とまた遮る外川!お前!おい!こら!バカ!野末さんの話を聞け〜!と大暴れしてしまう。

傘ってかさばるのに雨が降りそうな時は野末さんのために2本も持ってきてあげてるの、外川の愛でしかない。

元々外川への好ましさが高かった状態でキスされたことにより、かなり外川のことを意識している野末さんには話ができない戦法が逆に効いているっぽい。

「このまま何もしない俺に戻ればもう二度と外川は俺に笑いかけたりしない。ダメだ。そんなの全然大丈夫じゃない。俺はただの上司にはなれない。可愛く笑いかけてほしい。俺のために怒ってほしい。俺のせいで泣いてほしい。喜怒哀楽、全部欲しい」と自分の気持ちに気付いて、走りながら外川を追いかける。
そして路地のど真ん中で「俺も、俺も君が好きだよ。死ぬほど」と告白する。

そんな野末さんを裏路地に連れて来た外川がスッと頷くかと思いきや「野末さん、それは多分同情です。いえ、同情というか……俺がうっかり泣いたりしたから、流されてるだけです。もう気にしないでください。あんなことしておいて本当にすいません。でも、時が経てば忘れられます」とか言い出すのでまた大暴れした。お前……お前ってやつはさ……本当にさ……
昔ノンケの人と付き合ってみてうまくいかなかったことでもあるのかな。

でも「俺は忘れないし、君にも忘れさせない。忘れたくないよ。あんなふうに毎日自分のこと考えてくれた人のこと。忘れられるわけない」って言葉を重ねる野末さんに「だからそれが!」と怒鳴る外川。
「同情なんかじゃない!怖かった。君に好きって言ったその先、どうなるんだろうって。わからなくて、分からなくて怖かった。ごめん。また逃げてた。ごめん。でも、君が隣にいない明日の方が、ずっと怖いって思った。俺は上司だし若くない。君のこれからの人生の汚点とか、足枷とか、そういうものになるかもしれない。でも!これを言い訳だって言えるくらい俺は若い。でしょ?」と続ける。この間外川は突然捕まえられた野良猫くらい全力で逃げようとしてたけど、最終的には大人しくなってやっと野末さんに抱きしめさせてくれる。

そしてダメ押しのように外川の目を見て「君が好きだよ」と言った野末さんのことをやっと外川も抱きしめ返して「好きです」って言い直す。
やっと!やっとここまできた!は〜〜〜……

外川の方が大きいから野末さんを抱きしめようとすると上から少ししゃがむように、覆いかぶさるようになるのが良いな。

「ケンカもすれ違いも誤解も、もっとしましょう」って良い言葉だ。でも野末さんも外川も肝心なところで言葉足らずになるから本当に気を付けてね……
そして外川が野末さんの頬に手を添えるんだけど、外川の手が大きいのか野末さんの顔が小さいのか、外川の片手だけで顔がすっぽりと覆われる。

「え?81からは?」って言って二人で堪えきれないように笑っておでことおでこを重ねるの、「プライドと偏見」で見たやつだ!と思って興奮した。
おでことおでこを重ねるシチュエーション、好きです。
ここからのシーン、二人の美しい横顔と外川のクシャッとしたかわいい笑顔がずっと見られて良い。

何か言おうとした野末さんの言葉を聞き漏らすまいと口元に耳を寄せたら「もう四十路なのに場所を選ばずキスしちゃいそう」って言われたので笑いながら野末さんの肩におでこを寄せて「くっそ……」って言うシーンは本当に良い。甘さと微笑ましさのレベルがかなり良い塩梅だ。

「どうですか?新しい部署は」「まぁ……優秀な部下ばかりだし、なんとかね」「俺より優秀ですか?」ってやりとりに外川の自信が滲み出ている。
「俺より優秀ですか?」ってセリフが似合う男。
最後のパンケーキのやりとりも自然な雰囲気でよかった。
二人の生活はこうやって続いていくんだろうな。

あとがき

こうやって自分の意思で見たラブロマンスドラマを完走したのは初めてかもしれない。途中のすれ違いシーンではもっと言葉を尽くしなさい!と大暴れしてしまったけど、ちゃんと最後の幸せなシーンまで見られてよかった。

武田航平さんの柔らかくて優しい上司としての雰囲気がよかったし、木村達成さんの自分に自信がある性格の人物の演じ方や繊細な瞳の動かし方や表情の演技もすごくよかった。
武田さんはあえて唇とかカサッとしたままにしてるのかな?と思うことがあったんだけど、この辺はどうなんだろう。

また原作を読むと多くの発見があるんだろうな。原作の方も手に取ってみたいよ。

木村達成さんの出演作も色々気になるけど、先日大河ドラマへの出演が発表されたのでそっちが特にとても楽しみ。天皇だって。すごいね。
あとやっぱりスリル・ミーの円盤を出してほしいよ……DVD……Blu-ray……どうしても無理っていうならセリフも全て入っているCDが欲しい……

あと武田航平さんが出ているナッポス版の「TRUMP」がまだ見られていないのでそっちも見たいな。
元々柔らかい雰囲気を持っている方なのでアレン役はどう演じるかなんとなく想像が付くけど、ティーチャークラウス役は全く想像が付かないので楽しみ。
かなり真面目なクラウスになりそうだと予想しているけどどうだろう?
永遠を生きるものとして、どういうふうに狂気を演じるんだろう。

好きな俳優さんが増えると見たい作品が増えて幸せですね。

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