見出し画像

浅草花やしきと皮革産業資料館【ヤスデ丸の1万逃歩日記 #8】

なかなか運動する機会もないため、毎日1万歩は歩くように心がけている編集部員ヤスデ丸(27歳・独身女性)。健康増進というだけでなく、散歩は日々の現実逃避にうってつけ。その道中で見たもの聞いたものは、こんなもの──

>>前回はコチラ

花やしき、東京に住んでいても案外行ったことがない人が多い印象がある。私はあの退廃的な雰囲気が好きで、年に1回は行っていたんだけども、ここ数年は土日や大型連休はかなり人が多い。全然、退廃的じゃない。

6年前の年末は、100円可動式のパンダの乗り物が、誰もいないステージの横に寂しく佇んでいたのに、今じゃ平日に行ってもそんな光景は見られない。でもまあ、一時は取り壊しの危機にすら瀕していたという日本最古の遊園地が、ここまであらゆる技術の発展した時代に生まれたちびっ子たちをも楽しませてるんだから、アッパレだよね。

さて、この日は友人と一杯引っ掛けてからスタート。

結構食べて確か2人で3千円くらい。ありがて~

もつ煮込みとポテトサラダ、他にもいくつか即出しものをつまんで、レモンサワーを流し込む。たった一杯でふたりとももう顔が赤い。濃いな~~。もう一杯飲んで花やしきへ向かう。

パンダが一人で佇んでいたステージ前は満席。良かったね

秋晴れの土曜日ってこともあって、園内はなかなか混み合ってる。

だけども、ステージで行われているハロウィン仕様のショーはあんまり盛り上がっていない様子……。ただ、こういうショーって、同じ内容でもシラけるときと、めっっちゃ盛り上がるときと、どっちもあるんだよね。どんなライブパフォーマンスも、観客の雰囲気でガラッと面相を変えると思う。

去年行ったKISSのライブ、めちゃくちゃ楽しかったんだけど、あれは間違いなく往年のファンたち(パンチの効いたオッサンたち)が人の目を気にせず自分の好きなように盛り上がりまくってたからなんだよね。花やしきのキッズたちも、いつか自分だけの面白がり方を見つけられるようになれるといいね。

さて、私が好きな"花やしき3大三半規管殺し”「びっくりハウス」「ディスクオー」「リトルスター」に乗り(案の定キッズたちの親御さんたちは脱落していく、特にびっくりハウス)、腹ごしらえ。さっき食べたばっかだけど。

もちろん食べるのはドムドムハンバーガー🍔

いつも変わったメニューがあるドムドムハンバーガー。いまは「カニバーガー」が出てるらしい
頼んだのは無難にてりやき。友人チョイス

今日も色々食べてまわりたいし、ってことで2人で1ハンバーガー。ひもじい。調べてみたら、意外と関東圏には13店舗あるらしい。意外!

さて、花やしきを後にして皮革産業資料館へ向かう。距離にして約2km、30分ほど歩けば着く。歩くにはちょうどいい距離。

観光地街を抜け、少し遠回りして浅草の北側、山谷方面へと進む。少しずつ隅田川方面へ向かうにつれて、クリーニング店や靴や鞄を扱う皮物店がポツポツと現れる。

年季の入った看板がいい味出してる
格安な値段で皮を小売しているという君塚商店

浅草の被差別部落といえば、出てくるのは一帯に棲まう穢多のまとめ役だったという弾左衛門。そこらへんの資料とかも置いてあったりすんのかね~と友人と話しながら向かう。

この友人、以前柴又へ遊びに行った際に、街を隔てる大きな川を見て「ここ、部落だったんだろうなぁ」と呟いていたんだが、私にはそんなセンサーはないので関心してしまった。そういや前見た、オダギリジョーが監督の『ある船頭の話』(2019)にもデッカイ川が出てきた。

集落から川向うの街まで船を出していた船頭と村人、彼らを取り巻く環境が、投資家たちが橋の建設に着手し始めてから少しずつ変容していく。街に出ていくようになった若者に、職を失った船頭があてがわれたのは動物の皮加工の仕事だった。

──そんなこんなで到着。

台東区産業研修センター
資料館はセンター内に併設

産業研修センターは「区民及び区内中小企業並びに勤労者の皆さんの施設」とのことで、レクリエーションや会議など、市民会館的な役割を担っている模様。ここに皮革産業資料館も併設されているという。

入館料は無料。施設内は撮影禁止。客は私たち2人と、入れ替わるように退館していった中年の男性1人のみ。1981年に開館したとあって、展示の雰囲気はやや古めかしい。かなりこじんまりとした作りで、それなりにじっくり解説を読み込んでも10分で1周できるほど。

展示物はというと……歴代名力士たちの靴(これが超デカい! 特に曙のローファーは顔よりデカい)や、レジェンド野球選手たちのグローブ、サッカー選手のスパイクなど、アスリートたちの使用していた皮物の品が並ぶ。え、なんか思ってたのと違う……。でもよく読むと「◯◯選手はスパイクのべろの部分はカットして使用していた」など、掘り出し情報が地味にあって面白い。

隣のブースでは中国の纏足や、当時のモダンなガールたちが使っていたであろうブーツやバッグなどの展示が続く。

グルっと一周し来館者が最後に目にするのは、ショーケース内に並んだ部落や同和問題に関する書物。これがメインじゃないんかい!

でもなかなかレアなものを見れた気がする。何よりこの施設こそどこか退廃とした雰囲気を感じる。川沿いの東東京感がめちゃ出てる。

建物の非常口から見える景色。良き~

資料館を後にして観光地の方へ戻り、せっかくだから浅草ロック座に寄って帰ることに。私自身は20歳、21歳の頃に3度観ただけだから、6年ぶりのロック座。

途中でせんべいを買う。グラム売り、200gで800円の磯辺巻の醤油せんべいを購入。なんか地元を思い出すな。川越にも昔よく通ってたせんべい屋があって、そこでは「発狂せんべい」なるものが売ってたらしい(それは覚えてない)。いまも売ってたらバズりそうなネーミング。

宝山堂本舗。しゃきっとしたおばあちゃんが接客してくれた
なんかかっこいいやつ
立浪部屋に干された昆布(まわし)

途中、カストリ書房に寄る。前から気になっていた男色に関する書籍を1冊と、ステッカー、キーホルダーを購入。活字中毒の友人もまだ読み終わってない本がワンサカあるというのに、赤線に関する本を購入。元気なちっちゃい女の子に「ほらお客さんの邪魔しちゃダメでしょ」とたしなめる店主さん、泣きわめく女の子(しかしすぐに他に興味が移り落ち着く)、いい雰囲気だ。

先日近所に移転したというカストリ書房。奥にはカフェスペースがあり、賑わっていた
購入したキーホルダー。ラブホスタイル
地元川越のステッカーを発見。おそらく今はなき川越の日活劇場のことだと思う

そして到着、浅草ロック座。明らかにインバウンドの影響もあり、立ち見客が出るほどの混雑ぶり。すげ~。

以前より少し値上がり。でもショーのクオリティも以前に増してグッと上がってるので全く高く感じない

最後に上野の「鍋屋」って鍋屋で鍋を食べて解散。

みそ鍋。緑は京都の生麩。これがめちゃめちゃ美味い

「おでんが売れるのって、寒くなってきたこの時期らしいよ」

そりゃ鍋も食べたくなっちゃうよね。アイスも寒いと逆に売れたりするし、私たち人間ってホント道楽主義だなぁ。

さて、この日の歩数は【11,065歩】。なんとか目標達成〜♪
翌日の旧車會イベントの取材でもたくさん歩けたのでこの週はだいぶ痩せましたな。

ということでまた次回! お読みくださってありがとうございました♪

<著者プロフィール>
ヤスデ丸(やすでまる)
▶『実話ナックルズ』の女性編集部員。埼玉生まれ中東ハーフ。いよいよアラサー。乗っているバイクはYZF-R3。オススメのプロテインは「ウマテイン ミルクティー味」「ウルトラ 黒ゴマきなこ風味」。