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【フォト・ドキュメント】パンクムーブメントの軌跡【第5回】

フリクション、リザード、ミラーズ、S-KENなど、パンク黎明期を支えた「東京ロッカーズ」のなかに、日本初の〝フィメール・パンクバンド〟となった特殊なバンドが存在した。地引雄一氏がその真相を振り返る。

東京ロッカーズ回顧録【第5回】

ミスターカイト

ミスターカイトのヴォーカルだったジーン(1978年12月)


フィメールパンクバンド


「日本のパンクバンドにおいての女性シンガー第1号はジーンだね。その後にゼルダとか戸川純とか出たけど、間違いなくその先駆者だよ」
 日本初のフィメール・パンクバンド、ミスター・カイト。その前身はリーダーのワク(G)を中心に結成されたフランケンシュタイン、キックス(メンバー脱退などに伴いバンド名を変更してきた)で、77年7月、ジーン(Vo)の加入をきっかけに新たに始動した。その後、ミラーズやスピードと共に“ジャンプロッカーズ”と銘を打って活動したのち、78年7月からS-KENスタジオで行われたシリーズギグ「Blow Up 東京ロッカーズ」に出演。続いてライブツアーやオムニバスアルバムに参加した。

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