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【中国製品炎上事件簿】買ってはいけないメイド・イン・チャイナ#02

安くても品質が……といわれ続けながらも、庶民の生活にはなくてはならない
存在となった中国製品。だがその裏で、事故はやっぱり起きている

食中毒で死ぬ場合も

   無論、本当に「ヤバい」とされる中国製品は、これだけではない。外食産業をはじめ、我々の日常でしばしば口にする食品も、注意すべきなのだという。
「中国の“食”に関する問題といえば毒餃子事件が有名ですが、実はこれはほんの一例に過ぎません。実際には毎年何件も検疫で引っかかっていて、その内容も、毒餃子のような冷凍食品だけでなく、料理に使う素材から調味料まで幅広いのが特徴です」(前出)
   たしかに、2008年に発生した『毒餃子事件』では、中国で製造され、輸入後、「CO・OP」のロゴで知られる日本生活協同組合連合会が販売していた冷凍餃子を食べた日本人消費者、3家族計10人が中毒症状に見舞われ、一時は意識不明の重体になる者も現れた。この事件で問題となった餃子からは、メタミドホスなどの有機リン系殺虫剤が検出されているが、その分量は検疫基準を大幅に上回るもので、餃子を数個食べただけで死亡するレベルであったという。さすがにここまでの例はそうあるものではないが、毎年のいくつもの食品が検疫に引っかかっており、たとえばレトルトのスイートコーンから微生物が検出(2020年)され、生鮮にんじんの場合は殺菌剤のジメトモルフが基準値を超えて残留(2020年)、炒ったピーナッツからは、カビ毒の一種で、天然物では最も強力な発ガン物質であるというアフラトキシンが検出(2021年)されている。さらに信じ難いことに、スーパーなどでもよく見かけるタケノコの水煮などの場合は、あろうことか、火山ガスなどに含まれる二酸化硫黄が含まれていることがあったという。しかしこれでもほんの一例に過ぎず、実際にはこうした素材系ではなく、そのまま食べることができるタイプの製品でも同様で、冷凍のゆでガニからは食中毒を引き起こす恐れがある大腸菌群が毎年のように検出(2020年ほか)されているし、珍しいところでは、「中国製の冷凍広島お好み焼き」からも、大腸菌群が検出されている。さらには、健康志向の人が有難がりそうな養殖の活スッポンからも、家畜などに用いる抗菌薬の成分・エンロフロキサシンが基準値を超える量で検出(2020年)されるなど、もはや悪い冗談としか言いようのないレベルで“食の汚染”が確認されているのだ。
「こうした食品系のアイテムが厚生労働省による『輸入食品違反事例』の常連となっている理由は様々ですが、総じていえるのは、衛生に対する認識や意識の欠如が一番の要因です。以前、中国の5つ星ホテルのスタッフが、客の使ったタオルで便所掃除をし、同じタオルでコップや皿も拭いているのがバレて問題になりましたが、彼らは食品加工の現場でも、その程度の感覚で作業していると見られても文句は言えないでしょう。それに加え、危険な物質を使うか否かの基準や判断もガバガバですから、むしろ問題が起きない方が不思議なくらいです」(前出)
   口に入るものだけに、いくらなんでも最低限の衛生は守られていると思いきや、まったくそうではないのが実情だという中国。たしかに、他国製品に比べて安価であることが多いため、買い物の際に見かけると、思わず飛びついてしまう人も多いだろうが、「安物買いの銭失い」どころか、命まで失いかねないリスクを孕んでいるのだ。

取材・文◉呉麓山