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日々是暴食★トラウマめし【第7食】ロシアのパパ活娘と深夜のピロシキ

極東一の巨大水族館


 バスに乗ってプリモルスキー水族館に行ってみた。外は寒々しいロシアな風景が広がっていたが、休日だったので施設内は家族連れで賑わっていた。それにしても規模がデカい。あまり水族館に行ったことがないので比較できないが、展示物のデカさがケタ違い。土地はいくらでもあるってことなんだろうか。

朝飯はいつもの定食屋。ニシンの酢漬けがクセになる
アザラシと戯れる兄弟。どっちも可愛い

 ロシア人に混じってイルカやトドのショーを見た。イルカが飛んだり跳ねたりするショーは昔見たことがあるが、巨大な海獣が手を振ったり腹筋したりする芸に感激! こんなことできるんだ…ハラショーすぎる。

イルカの背中に乗ってすーいすい
巨大なトドのキュートな芸に拍手喝采

 やたら興奮したけど、外に出るとまた荒涼とした北の海が目に飛び込んでくる。謎のカニやタコのオブジェも何か怖い。おじさん1人、外国で何やってるんだろう。ダメだ、寒いとこに長くいる鬱々としてくる。

5月だが曇り空の海辺は寒かった
リアルすぎてきもいカニのオブジェ前で写真を撮るカップル。映えるかなあ?

ウラジオ最後の晩餐は北海のシーフード

 市内に戻り紅茶とケーキを食べながら今夜の行き先を思案。Googleマップで検索するとストリップ付きのショーパブのような店があるらしい。ウラジオストクの風俗は素人には分かりずらい。サウナが有名だが、案内人がいないと辿り着けなさそう。個人旅行で夜の遊びをするには感と蛮勇が必要だと思うが、そんな勇気は本来いらないのだ。

市内には喫茶店が多数。ロシア風のケーキはどこか可愛らしい

 エロい店に行く前に、帰国前ウラジオ最後の晩餐としよう。ちょっとお洒落な店で生ホタテを注文してみた。ひとつ約130円でかなり安いので5つ頼んでみた。味はというと…うーんやや生臭さがある。

 わさびと醤油が添えられているということは、日本風の料理だったのか。ということは、こっちの人はホタテを生食する文化があまり無いのかもしれない。北海道とほぼ同じ緯度の港町なのだから本来鮮度が悪いはずはない、たぶん提供までの保存方法がよくないのかも。牡蠣もそうだったが、ロシアで生食はしない方が無難だ。

生ホタテは正直鮮度が微妙

 レストランから徒歩圏内のエロそうな店へ来た。おお~すげえ……何十人ものスラブ美女たちが裸でお出迎え。ポールダンスを見ながらウォッカをキュッと飲むと長身なブロンド姉さんから「VIPルーム行かない?」とお誘いを受けた。ハバロフスク出身だという彼女、キツそうなキツネ目がセクシーだ。

多くの美女ストリッパーが働くショーパブ

 快諾して奥のカーテンで仕切られた部屋で2人きり。ソファに座らせれ、これはもしや…と想像が広がったが、おタッチNGのわりと健全なプライベートダンスを見せられただけであった。まあ、十分楽しいんだけどね。

 酒の勢いは怖い。ショーパブを出たウォッカでベロベロの俺は欲求不満の塊となり、タクの運ちゃんに「俺はもっとエロいことがしたいんや!」的なことを反射的に言っていた。不思議なもので言葉はわからなくてもなんとなく伝わるんだろう。ニヤリと笑った運ちゃんは「助手席に乗れ、俺に任せろ」と手招きした。

話のわかる運ちゃんにアテンドしてもらい夜の遊びに

パパ活娘とソ連時代の古アパートへ

 ちょっと強面の運ちゃんは、どこかへ連絡をしてくれているようだ。車は繁華街を離れ、寂しいバスターミナルのような場所へ停まった。そこに1台の車が待っていて中から小太りの中年女性が出できた。まるで銃の受け渡しか人身売買の現場のような空気感だが、実際人身売買に近いのかもしれない。おばさんは車から20代後半くらいの女性を呼んで、「この子でいいか?」と聞いてくる。答えは「ダー」しかありえない。断ったら撃たれそうな気がする。

 運ちゃんは俺と女の子を巨大な団地へ連れて行った。どうやら彼女はソ連時代に建設された自宅アパートで個人売春をしているようだ。パパ活女子はどこにでもいるんだな…。外は寒いが中は暖房が効いている。生活感のある風呂でひとり身体を洗い、お姉さんにSPマッサージしてもらった。

女の子の自宅アパートへ。ザ共産圏といったソ連時代を彷彿させる団地群の中にあった
部屋は一人暮らしには広い。普段は誰かとシェアしているのかもしれない

 愛車がプリウスなのが自慢の運ちゃんにホテルまで送ってもらった。顔は怖いが日本人大好きないいやつだぜ、あんたは。チップをわたしスパシーバ。

 日露決戦を終えて腹が減ってしまった。24時間オープンのスーパーへ夜食を買い出しに行く。おや、スーパーの前の軽食屋台がまだやっている。マクドナルドのマークがさかさまになっているチープさに惹かれた。

深夜まで営業しているスーパー。深夜2時過ぎ、客はいなかった
マックのパクリのような謎の軽食屋

 ピロシキが食べたかったが、どれが何なのかさっぱりわからない。適当に指差して選んだらチーズの乗った謎の揚げパンみたいなのだった。中に肉が入っていたような気もするが、正直まったく味は覚えていない。

ピロシキが食べたかったが、別の何かだった。味はジャンクで美味かった気がする

 おや、黒猫だ。お前は野良か? ウラジオの街中で猫を見かけたが、こんなに寒い場所で野良猫は冬を越せるのだろうか? ご主人様に縛られたハイソな飼い猫より、自由を謳歌している貧乏野良ちゃんたちが好きだ。女番長・野良猫ロック、和田アキ子だ!

店の軒先をウロウロしていた黒猫。かわいい

 そんな猫たちは今も元気にしているだろうか。早く戦争が終わってロシアでピロシキが食える日を、そしてあの猫ちゃんたちと会える日がくることを切に願う。

ロシア編〈了〉

【写真・文】バーガー菊池
岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢。

https://twitter.com/kikuchi_BURGER