私だけのスーパーヒーロー🦸‍♂️

お父さんって呼ぶことさえも小っ恥ずかしくて「おい、じじい!」なんて呼んでいる。だけどパパは怒らない。とぼけた顔で
「おう、なんか?」と気ままに返す。

父に対して素直になりたい。と、思う。
小さい頃みたいに思いっきり甘えて思いっきり可愛がられたい。
子どもの頃、父は単身赴任で滅多に家に居なかった。だから数ヶ月ぶりに父が家に帰ってくるとリビングの扉が開くなり走ってパパに飛びついて思いっきりハグして高い高いしてもらった。パパは力持ちで、器用で、かっこよくて優しくて私を思いっきり甘やかしてくれる、世界で1番に大好きな人。
まさしく私だけのスーパーヒーローだった。

でも中学、高校と歳を重ねていくごとに盲目のパパ大好き期は終わった。私の中のパパはお父さんになり「じじい」になった。パパをパパではなく、ある家庭に属す1人の父親として冷静に見ていた。パパはあの頃、確かにかっこよくて優しくて、私の前ではいつもヒーローだった。
だけどある時はお母さんを泣かせたり、ある時は父親であることを忘れたりした。成長していくにつれて悲しいけどパパはヒーローなんかじゃないってことが分かった。

他の家のお父さんはもっとちゃんとしてるよ!
なんでうちのお父さんはこんななの?!
どーせそんな仕事しかできないんでしょ?
〇〇ちゃんちはお父さんの給料〇千万だってよ?
〇〇買ってもらったんだって〜いいな〜。
うちんちは貧乏だから無理だよね〜?笑

パパは怒らない。娘にこんな酷いことを言われても笑って「お前は俺みたいになるなよ〜笑」と、言う。

パパ、素直になれなくてごめんね
私のパパは1人しかいないのに酷いことばっかり言ってごめんね。
どんなパパでも私の前ではヒーローであり続けたかったよね。

父の日、じじいに電話した。
「もしもし〜?おとうさーん?父の日じゃん今日。おめでとー」
「はいはい〜分かった分かった〜」
「じゃあねー」

それだけの会話。やっぱりありがとうなんて恥ずかしくて言えなくて、父の日おめでとーって意味分かんないこと言った。

なんで未だに思春期を引きずったようなくそだっさい言葉しか出ないんだろうな〜😭

パパ、死ぬまでには恩返しするから。素直な気持ち伝えるからさ。
気長に待ってて。

パパ、いつもありがとう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?