見出し画像

禁止とは成り行きか

ある行為や対象物の使用を禁ずる契機となるもの。これが原因で人的に害があった、などという報告があったかどうか。厳密にボーダーラインが設定されていない場合がほとんどだろうが、ある一定の数を超え、認知され、「=悪者」という判断が、これにまつわる情報を知り得た個々人の脳内で処理されることが、ある一定の件数以上に上ることで、より多くの者たちに知られたただ一握りの人物が「社会的ムーブメントと言っても過言ではない」、と、ジャッジメントすることによって。また、そうでなくても、強い意志と行動力をもち、人々を動かす力もある人物が先導し、権限の所有者に禁止の必要を訴え、実現させる、ということも、時にはある気がする。だからこそ、影響力の有無に臆さず考え続けることを辞めてはいけないと、たびたび言われる。さて、禁止事例の決定ケースとして、私が考えた例を提示したいと思うが、ここでは、現実に即していることについてはあまり煙を立てたくないという逃避を行いながら、また、禁止に賛成する意見のみを取り上げて、慎重に伝えてゆくこととする。

ケース:「スミレの葉を素揚げしてはいけない」

禁止に賛成する意見①:僕の働いているコンビニに毎朝くるお客さんのうちの3人はいつも、はじめに合計金額より1円少ない額を金銭トレーに置いて、僕が「一円たりません」と言ってくるのを楽しんでいる。妙だなと思ったんですが、彼らの趣味は、町内の公民館敷地内にあるスミレの葉をちぎって素揚げにして食べることだったみたいで・・・前科があるだけに、許せないですね。禁止に賛成しています。

以上のような意見は、かなり「スミレの葉を素揚げすること」に関しての感想がヘチマ(空っぽ)であり、完全に「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」タイプ。「はじめに合計金額より1円少ない額を金銭トレーに置いて、僕が「一円たりません」と言ってくるのを楽しんでいる」という趣味の発生が、スミレの葉の素揚げに誘発される根拠を示さない限り、有力な意見(情報提供)とは言い難いだろう。

禁止に賛成する意見②:スミレちゃんが葉っぱを取られて痛い痛いと。私はこれを歌にして、人々にひろめる努力を怠らずに、本日まで生命活動をしてきた。スミレは植物ですが、我々のような動物と称される生き物とはそもそも生命活動の手法が違うだけですから。邪悪な脳が搭載済みの肉体!!彼らにのみ適用される娯楽行為である「スミレの葉を素揚げすること」は、スミレの体を引きちぎり釜茹でにするという拷問行為。そしてそれは、彼らが悪事を働く原因の一つであり、憎たらしい数々の愚行の氷山の一角にすぎないのです。さらに、当事者たちには悪だという自覚がありません。「スミレの葉を素揚げにすること」の禁止により、彼らが自分の行為の全てが「悪」であるということに気づくきっかけになることを全身全霊で願っております。

「賛成意見」という区分けが同じでありながら、その背腸を取って吟味してみると若干(人によっては、かなりの)違いがあるということを示したく、上記のを例に取り上げてみた。そして、意見が2つ集まることで、「前例」という概念が発動する。意見①で触れていた、「意見者が「良くないこと」とイメージづけている行為をする人は、「スミレの素揚げ」をしている」という文を肯定しているようなニュアンスの箇所が、意見②でも登場していることがわかる。②は、「この人はなぜ〇〇を悪いと思っているの?」と、疑問に思わざるを得ない箇所が非常に多いため、「私とは、合わない」「私とは、違う世界にいる」という印象をあたえてしまう恐れがあり、啓発活動を進んでやっているとのことだが、支持者に発信者の意図するメッセージが伝わってゆく可能性は低いと思う。支持者は、「顔が美しい」「人間が憎い」などといった、表面的(外観や、1回の講演内における言及のより多かったと思えるセンテンスにより形成されたイメージ)なところを重視している可能性がある。

今回挙げた例はあまり良いとは言えない。ここでは模範的な賛成意見とは何であるかということを伝えたいのではないからだ。対比の目的で示す事も考えたのだが、そもそも私は論破職人などでは全くないので、技術的に模範的な賛成意見と言える文章を作成することは不可能だと判断したため、断念に至った。

こうした禁止への賛成意見が、より多くあつまったものは「禁止」されてゆく。禁止事項の中には、「当然されるべくして!禁止されました」と思われているものが多いように感じるが、これらは「偶々」禁止されていくことのほうが多いのではないか?と、ふと思ったため、記事として残しておこうと思った。「禁止されないから良い、禁止されているから良くない」という判断の仕方は少し抵抗がある。しかし、もう少し例をあげて書くつもり満々であったが、もう761文字とかに差し掛かったぐらいで本当はだいぶ満足してきていたように思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?